北アルプスとはどの地域をさす?
北アルプスとは、富山県・岐阜県・長野県・新潟県の4県にまたがる飛騨山脈の別名で、そのほとんどは、中部山岳国立公園に指定されています。
今回は、北アルプス入門者向けのルートから、中級、上級者向けのルートまでご紹介します。
北アルプス入門者におすすめしたい登山ルート
ある程度2,000m級の山を経験したら次はアルプスに挑戦したい!という北アルプス入門者向けに、おすすめの山とルートをご紹介します!
1.唐松岳2,695m(八方尾根~唐松岳)
ゴンドラとリフトを乗り継いで標高1,830mの八方池山荘まで行け、そこから3時間30分で唐松岳山頂に立てるため、北アルプスの入門コースです。唐松岳頂上山荘があるので1泊して満喫するのもいいでしょう。
登り:八方池山荘~唐松岳 3時間30分
下り:唐松岳~八方池山荘 3時間
八方尾根のトレッキング概要
八尾根のゴンドラ情報
唐松岳頂上山荘
2.燕岳2,763m(中房温泉~燕岳)
中房温泉から合戦尾根を登って燕岳を目指すルートは、ひたすら4時間半の登りでたいへんですが、北アルプスの入門ルートです。山小屋人気ランキング1位の燕山荘もあり、宿泊して楽しむのもおすすめです。
登り:中房温泉~燕岳 4時間30分
下り:燕山荘~中房温泉 3時間
燕山荘
3.蝶ヶ岳2,677m(上高地~蝶ヶ岳)
山岳リゾートである上高地を起点として長堀(ながかべ)尾根をたどり蝶ヶ岳を目指すルートです。長堀尾根は急登ですが、広い山頂では展望も開け槍・穂高連峰が目の前に聳えます。
登り:上高地~蝶ヶ岳 6時間40分
下り:蝶ヶ岳~上高地 5時間
蝶ヶ岳ヒュッテ
4.西穂独標2,701m(新穂高温泉~西穂独標)
新穂高温泉からロープウェイに乗り、2,156mまで行き、西穂山荘を経由して西穂独標をめざすコースです。西穂高岳山頂までは危険な岩のコースで上級向けなので、西穂独標までがおすすめですが、西穂独標直下も急な岩の登りがあるので注意して下さい。
登り:西穂高口駅~西穂独標 3時間
下り:西穂独標~西穂高口駅 2時間
西穂山荘
新穂高ロープウェイ
5.雄山2,992m(室堂~雄山)
室堂から雄山往復のコースは初心者はもちろんファミリーにもおすすめです。立山のひとつ、雄山は標高が3,003mと高いですが、特に危険な箇所はありません。立山信仰の霊山でもあり、山頂には雄山神社があり古くから伝説が残る山です。室堂にはいくつか宿泊施設があるので宿泊してピストンするのもいいでしょう。
登り:室堂~雄山 2時間
下り:雄山~室堂 1時間30分
室堂に関する情報
北アルプス中級者におすすめしたい縦走コース
北アルプスに行ったら、絶景を見ながら尾根を歩く縦走はぜひしたいですよね。登山中級者向けの縦走コースをご紹介します。
1.表銀座縦走コース
燕岳から始まり、槍ヶ岳への稜線歩きは、槍・穂高連峰の展望が素晴らしく、登山者に最も人気のある縦走路です。そのため、夏山では山小屋が混み合うこともあります。燕岳からずっと見える槍ヶ岳を最後に登ると達成感があります。
・コース=中房温泉~燕岳~大天井岳~西岳~東鎌尾根~槍ヶ岳~上高地
・2泊3日~3泊4日
2.常念山脈 (燕岳~常念岳~蝶ヶ岳)
燕岳から蝶ヶ岳への縦走コースは、槍・穂高連峰が間近に聳え、迫力ある景色を楽しみながら歩けます。ルート上にも危険個所がほとんどないため、初めて北アルプスの縦走をする人にもおすすめのコースです。
・コース=中房温泉~燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳~上高地
・2泊3日
3.裏銀座縦走コース
賑わう表銀座縦走コースとは違い、静かな縦走が楽しめるのが裏銀座縦走コースです。高瀬ダムから入山し、百名山の鷲羽岳を経由し槍ヶ岳へと至るコース。北アルプスの最深部を通過することから、登山者も少なく静かな登山を楽しみたい人におすすめです。
・コース=高瀬ダム~烏帽子岳~野口五郎岳~鷲羽岳~双六岳~西鎌尾根~槍ヶ岳~上高地
・3泊4日
4.西銀座ダイヤモンドコース
表銀座や裏銀座と比べると知名度は低いのですが、やはりゴールは槍ヶ岳で、広く展望の開けた尾根歩きができるのが特徴です。危険個所も少ないため、縦走入門者にはおすすめのコースです。
・コース=折立~太郎山~北ノ俣岳~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳~西鎌尾根~槍ヶ岳~上高地(西銀座コースではありませんが、神秘的な大平原、雲ノ平を経由して双六岳にいくコースもおすすめです。)
・3泊4日
北アルプス上級者におすすめしたい縦走ルート
ある程度北アルプスの経験を積んだら次は難関コースに挑戦してみましょう!
1.上高地から槍穂周遊コース
スタートもゴールも上高地という、槍・穂高周遊コース。人気の山々をつなぐ贅沢なルートは、大キレットという最難関の登山道を通過します。両脇が切れ落ちた断崖絶壁の大キレットはひやひやの連続です。
・コース=上高地~岳沢~前穂高岳~奥穂高岳~涸沢~北穂高岳~大キレット~南岳~中岳~槍沢~横尾~上高地
・2泊3日
2.白馬~鹿島槍
不帰キレットと八峰キレットのふたつのキレットを越えていく難ルート。白馬、五竜、鹿島槍ヶ岳と3つの日本百名山もあるので、百名山ハンターにもおすすめ。
・コース=猿倉~白馬岳~杓子岳~鑓ヶ岳~不帰キレット~唐松岳~五竜岳~八峰キレット~鹿島槍ヶ岳~冷乗越~大谷原
・2泊3日
3.剱岳~日本海
岩と雪の殿堂、剱岳からスタートして、北アルプス最北端まで続く長期縦走コースです。途中、温泉に入ることもでき、長い長い縦走の果てに見る日本海は感動すること間違いなし!
・コース=室堂~剱岳~真砂沢~仙人峠~欅平~祖母谷(ばばだに)温泉~清水岳~白馬岳~雪倉岳~朝日岳~栂海新道~日本海
・5泊6日~6泊7日
参考地図:無料会員登録をすると登山地図を閲覧できます)
ヤマケイオンライン
ヤマプラ
北アルプスの天気サイト紹介
北アルプスの一般の登山シーズン・登山適期は7月下旬から9月下旬です。7月上旬だとまだ残雪もあり、10月に入ると雪が降る場合もありますのでご注意下さい。夏は、昼過ぎから雲が湧いてきて雷雨となることもあります。「早立ち早着き」が山の基本です。
▼今最も信頼される山岳気象ヤマテンのサイト
山の天気予報
▼山の天気情報と登山指数をA~Cであらわしているお天気サイト
てんきとくらす
▼山の気温、風向き、風速を高度ごとに分けて紹介しているお天気サイト
tenki.jp
北アルプスを楽しもう!
北アルプスは、山を始めたのならぜひ一度は行ってみたい山域です。北アルプスの縦走で見られるご来光や夕焼けはまさに絶景で、忘れられない思い出になります!
Let’s try North Alps!
北アルプスに挑戦しよう!
【登山時の注意点】
・北アルプスは本格的な山岳エリアですので、しっかりとした登山装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースタイムは、休憩時間を含みませんので計画を立てるときは、行動時間×10分をプラスするなどして全体の行動時間を算出して下さい。また、コースタイムは登山経験や体力、天候などによって変わります。ご自身の体力に合わせた無理のない計画をたて登山を楽しんで下さい。