烏帽子岳|北アルプス屈指の急登を越えて!大展望の山頂へ続く登山コース

2018/12/25 更新

烏帽子岳は北アルプスの中程に位置する山。日本二百名山にも選ばれており、裏銀座縦走コースの起点としても有名です。特徴的なオベリスクの山頂へ向かうコースは日本三大急登のひとつである「ブナ立尾根」。北アルプスの中でも屈指の急登を乗り越えると、山頂付近には大展望が待っています。ブナ立尾根を登るコースと、七倉岳からの縦走コースをまとめました。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

北アルプス屈指の急登に挑む!烏帽子岳(えぼしだけ)

北アルプス烏帽子岳
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2628m長野県大町市・富山県富山市北アルプス16.2℃5.6℃
参考:ヤマレコ
烏帽子岳は北アルプスのほぼ中央に位置する山。花崗岩の白砂とハイマツの緑のコントラストが美しい日本二百名山です。山名の由来ともなっている烏帽子形のオベリスクがそそり立つ特徴的な姿をしています。

日本三大急登のひとつ、ブナ立尾根を登る!

ブナ立尾根 登山口から山頂までは、黒戸尾根・西黒尾根と並んで日本三大急登といわれる「ブナ立尾根」を登ります。4時間ほどの急登が続きますがよく整備されていて難所はないので、ただひたすらに頑張るのみ。稜線に出ると北アルプスの大展望が待っています。

「裏銀座縦走コース」の起点

裏銀座コース 
出典:PIXTA
裏銀座縦走コースとは、ブナ立尾根の入り口から烏帽子岳、野口五郎岳、鷲羽岳、双六岳から西鎌尾根を通って槍ヶ岳に至るコースのこと。烏帽子岳はその起点として登られることが多く、ロングコースのため山頂近くにある小屋は重要な宿泊地にもなっています。

烏帽子岳の天気

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山と高原地図 日本アルプス総図

ITEM
山と高原地図 日本アルプス総図
発行元:昭文社

ブナ立尾根から烏帽子岳へ!

信州 山のグレーディング」で4C(1泊以上が適当・地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要)とされているコースです。健脚者なら日帰りも可能ですが、無理は禁物。自分のレベルに合った山行計画を立ててください。

高瀬ダム~烏帽子岳登山コース(1泊2日)

ブナ立尾根~烏帽子岳登山コース
出典:ヤマプラ
距離コースタイム標高差日程難易度
約10.9㎞約10時間25分約1350m1泊2日★★★☆☆
参考:ヤマプラ
高瀬ダム(40分)→水場(70分)→権太落シ(130分)→三角点(80分)→烏帽子小屋(30分)→烏帽子岳分岐(20分)→烏帽子岳(15分)→烏帽子岳分岐(30分)→烏帽子小屋(50分)→三角点(80分)→権太落シ(40分)→水場(40分)→高瀬ダム

高瀬ダムまでの道路は東京電力の管理用道路で、マイカー乗り入れは七倉ダムまで。そこからタクシーに乗り換えて高瀬ダムへ向かいます。タクシーで15分ほど、徒歩だと1時間半の距離です。

烏帽子岳 高瀬ダム
提供:ヤマレコ/bullMT(高瀬ダムのトンネル)
高瀬ダムの堰堤から不動沢トンネルを進みましょう。吊り橋を渡ってからしばらく河原を歩き、丸太の橋を渡ります。

烏帽子岳 吊り橋
出典:PIXTA(吊り橋)
広い河原の右岸を上流へ進むとブナ立尾根の登り口があります。登山道には現在地の12番から烏帽子小屋の0番まで番号が付けられているので、目安にしてください。左手が水場です。小屋まで水場はないので、ここで補給してからスタートしましょう。

烏帽子岳 登山口
提供:ヤマレコ/kazu_0268(ブナ立尾根登り口)
ブナ立尾根の取り付きからいきなりの急登。パイプで作られた階段が続きます。

烏帽子岳 急登 その後もジグザグと急登を登っていきますが、よく整備された登山道なので歩きやすく危険個所はありません。9番付近では少し傾斜が緩い箇所もありますが、それでもつらい急登です。6番地点は少し広いスペースがあるので休憩におすすめ。

6番地点
提供:ヤマレコ/maripapa(6番地点)
辛い登りなのでこまめに休憩を取りながら頑張りましょう。先に進むと少しづつ展望が開け、唐沢岳や餓鬼岳、針の木岳と蓮華岳も見えてきます。登山道には木の根が多いので転倒には注意して。

烏帽子岳 登山
提供:ヤマレコ/raspberry(途中から見える針の木岳と蓮華岳)
5番付近はやや緩やかになる場所もありますが、再びの急登が4番の「三角点」まで続きます。三角点の場所は小スペースがあるので、一息ついてから進みましょう。

烏帽子岳  三角点 三角点から先はやや緩やかに。途中にはタヌキ岩と呼ばれる大岩があり、木のハシゴがかかっています。

タヌキ岩 烏帽子岳
提供:ヤマレコ/raspberry(タヌキ岩)
3番付近は南沢岳と不動岳の間にできた大崩壊地の脇を歩きます。ロープやハシゴのかけられた急斜面のトラバースがありますが、慎重に歩けば危険ではありません。展望の良い主稜線に上がったら少し下って烏帽子小屋に到着。

烏帽子岳 登山
提供:ヤマレコ/kazu_0268(烏帽子小屋)
小屋から少し樹林帯を進むとすぐに展望が開け、ハイマツと砂礫のコントラストが美しい稜線が目の前に。前方にはニセ烏帽子岳が見えています。周辺はコマクサの群生地になっているのでロープ外に出ないように注意して進みましょう。

ニセ烏帽子前の稜線
提供:ヤマレコ/goooooooo(ニセ烏帽子への稜線)
ニセ烏帽子岳に登るとようやく烏帽子岳が見えます。オベリスクのそそり立つ山容は、思わず声をあげてしまうほどかっこいい姿。

烏帽子岳
提供:ヤマレコ/goooooooo(ニセ烏帽子から見る烏帽子岳)
ニセ烏帽子岳と烏帽子岳との鞍部まで50mほど下り、烏帽子分岐を左手に進みます。烏帽子岳の北側から岩場に取り付き開始。

烏帽子岳
提供:ヤマレコ/bullMT(烏帽子岳分岐)
鎖を頼りに岩壁をトラバースしながら登ります。

烏帽子岳の鎖場 幅が10cmほどの狭い岩棚に足をかけながらトラバースする場所は、やや高度感あり。すれ違いや落石には注意して。最後に岩場の割れ目をよじ登ると、烏帽子岳の山頂です。

烏帽子岳
提供:ヤマレコ/bullMT(烏帽子岳山頂)
狭い山頂に立つと、北側には立山方面の展望、南東側には表銀座縦走路と大パノラマが広がっています。

烏帽子岳 登山
提供:ヤマレコ/bullMT(針ノ木岳と蓮華岳)
帰りは来た道を戻ります。烏帽子岳直下の岩場と急坂のブナ立尾根は、十分注意して下山してください。

コース中の宿泊地

コース中に利用できる山小屋をご紹介します。

烏帽子小屋
烏帽子小屋
出典:PIXTA
ブナ立尾根を登りつめた稜線上に建つ小屋。小屋の前からは赤牛岳や薬師岳の展望があります。登山口の近くにある「不動沢・濁沢キャンプ場」を利用する場合も、烏帽子小屋で500円を支払いましょう。

所在地:標高2550m
電話番号:090-3149-1198(7時~19時)
営業期間:7月上旬~10月上旬
収容人数:70名
テント設営数:約20張
料金
1泊2食9,500円
素泊まり6,500円
テント800円/人
烏帽子小屋のHPを見る

七倉から5座縦走にチャレンジ!

七倉から七倉岳、船窪岳、不動岳、南沢岳、烏帽子岳の5座を縦走するロングコース。強烈なアップダウンが続き、ハシゴや痩せ尾根など高度感がある箇所も。1泊以上かかるので、計画に合わせてコース中の宿泊施設を利用してください。

七倉岳~船窪岳~不動岳~南沢岳~烏帽子岳周回コース

七倉から縦走コース
出典:ヤマプラ
距離コースタイム標高差日程難易度
約17.6㎞約17時間55分約1558m1泊以上★★★★☆
参考:ヤマプラ
七倉山荘(120分)→唐沢ノゾキ(200分)→天狗ノ庭(40分)→船窪小屋(50分)→船窪乗越(80分)→船窪岳(160分)→不動岳(90分)→南沢岳(60分)→烏帽子岳分岐(20分)→烏帽子岳(15分)→烏帽子岳分岐(30分)→烏帽子小屋(50分)→三角点(80分)→権太落シ(40分)→水場(40分)→高瀬ダム

七倉登山口
提供:ヤマレコ/yamaiti(七倉登山口)
七倉登山口からスタート。東京電力のゲートを抜けて橋を渡り、トンネル手前で船窪新道登山口へ。

烏帽子岳 標高140mごとに1番から10番までの看板があり、コメントも書かれているので励みになります。登山道はいきなりの急登で、ところどころハシゴがかけられている場所も。鼻突八丁では丸太のハシゴが連続します。

天狗の庭から高瀬ダム
出典:PIXTA(天狗の庭から見える高瀬ダム)
進むにつれ傾斜はだんだんゆるくなり、天狗の庭を過ぎると気持ちの良い稜線に。夏はお花畑が綺麗な場所で、眼下には高瀬ダム、向かう烏帽子岳や続く裏銀座縦走コースの山々が見えてきます。

烏帽子岳
提供:ヤマレコ/kitayan(天狗の庭からの稜線)
水平道を少し進むと船窪小屋に到着。小屋から西側斜面をトラバース気味に進んで、分岐を右に5分行くと七倉岳山頂です。

七倉岳山頂 山頂を踏んだ後はいったん分岐まで戻り先へ進みます。分岐を過ぎて下るとテント場が登場。水場もありますが滑落注意の急斜面のため、利用の際は気をつけてください。崩壊地帯のピークが2つある痩せ尾根を、アップダウンを繰り返しながら船窪乗越へ下っていきます。

烏帽子岳 梯子
提供:ヤマレコ/yamaleco(高度感のあるハシゴ)
船窪乗越から船窪岳へ登り返し、船窪岳山頂(第1ピーク)からまた下ります。この下りからが当ルートで最も緊張感のある所で、まずは高度感のある丸太のハシゴで急斜面を降下。続く片側が鋭く切れ落ちた幅30cmほどのナイフリッジは滑落に要注意です。小さなピーク越えたら再びの危険箇所。桟橋やハシゴが連続し、ザレた登山道をトラバースしながら下っていきます。

烏帽子岳 危険箇所
提供:ヤマレコ/tailwind(ヤセ尾根を通過)
ロープを頼りに滑りやすい花崗岩の砂地を登り返したら船窪第2ピーク。樹林帯に囲まれて展望はあまりありません。

船窪岳山頂(第2)
提供:ヤマレコ/tailwind(船窪岳第2ピーク)
ここからさらに小さなピークのアップダウンが続いて、体力を奪われます。不動岳山頂直下の岩場には鎖がかかっていますが、難しくはありません。岩場を登り切ると目の前にはなだらかな稜線が。

烏帽子岳 登山
提供:ヤマレコ/yamaiti(不動岳手前の稜線)
稜線を進んで不動岳山頂に向かいます。

不動岳山頂
提供:ヤマレコ/kitayan(不動岳山頂)
不動岳からハイマツの中を歩いて下りきると南沢乗越。目指す烏帽子岳が近づいてきます。

烏帽子岳 登山 アリ地獄のような脆い砂地を登り、崩壊地の脇を歩いて急斜面を登ると南沢岳。広々とした砂地に三角点が設置されています。

南沢岳山頂
提供:ヤマレコ/kitayan(南沢岳山頂)
南沢岳からハイマツ帯を下って烏帽子田圃に入ると、草原の中に池塘が点在しまるで楽園のような風景。四十八池は夏にお花畑が綺麗な場所です。

烏帽子岳 登山
提供:ヤマレコ/tailwind(四十八池)
烏帽子岳分岐からは前項で紹介したコースで烏帽子岳山頂まで登り、烏帽子小屋~ブナ立尾根を下って高瀬ダムでゴールです。

コース中の宿泊地

コース中にある宿泊施設をご紹介します。厳しいコースなのでうまく利用して登りましょう。

七倉山荘
七倉山荘 裏銀座縦走ルートの七倉登山口のすぐ前にある小屋で、登山の前泊や後泊に便利。源泉かけ流しの温泉があり、日帰り入浴も利用できます。

電話番号:090-6007-0208
営業期間:4月中旬~11月下旬
収容人数:32名
テント設営数:約10張
料金
1泊2食9,000円
素泊まり6,000円
テント1,500円/人
七倉山荘のHPを見る

船窪小屋
船窪小屋 憧れの山小屋として名前のあがる船窪小屋は、北アルプスでも厳しいコースの稜線上に建っているランプの宿。山小屋を経営されるご夫婦の人柄や心のこもった食事が評判で、常連客の多い山小屋です。

電話番号:080-7893-7518、営業期間外は0261-83-2014(白馬ベルグハウス)
営業期間:7月1日~10月の連休の最終日まで
収容人数:50名
テント設営数:約10張
料金
1泊2食9,500円
素泊まり6,500円
テント500円/人
船窪小屋のHPを見る

登山口へのアクセス・駐車場情報

ご紹介した烏帽子岳登山ルートの登山口へのアクセス情報です。

七倉へのアクセス

【車の場合】
長野自動車道 安曇野IC-七倉(約1時間)
長野自動車道 麻績IC-七倉(約1時間)

<駐車場>
七倉山荘前駐車場
駐車可能台数:約50台
料金:無料
トイレ:あり


七倉ダム駐車場(七倉山荘前が満車の場合利用)
駐車可能台数:約50台
料金:無料


【電車の場合】
JR信濃大町駅よりタクシーにて七倉登山口へ(約30分)
※事前予約制・宿泊とセットで利用できる「葛温泉乗り合いタクシー」というサービスがあります
※夏期のみ、高速バス「毎日アルペン号」で新宿から七倉山荘前まで直通で行くことができます

葛温泉乗り合いタクシーについて調べる(大町市観光公式サイト)

毎日あるぺん号について調べる(まいたび)

高瀬ダムへのアクセス

七倉山荘より指定タクシーにて高瀬ダムへ(約15分)

指定タクシーについて調べる(大町市観光公式サイト)

下山後は七倉ダム周辺の温泉へ

葛温泉 登山口の七倉周辺には葛温泉という温泉街があり、いくつかある温泉宿では宿泊だけでなく日帰り入浴も利用できます。湯量が豊富で内湯外湯とも源泉をかけ流し。ゆっくりと登山の疲れを癒して帰ることができます。

葛温泉について調べる(大町市観光公式サイト)

北アルプスらしい景色が見れる烏帽子岳に挑戦しよう!

烏帽子岳
出典:PIXTA
烏帽子岳へのブナ立尾根は急登ですが、危険個所がないため登山経験があれば挑戦しやすいコースです。「憧れの裏銀座縦走コース」の入り口だけでも行ってみる価値アリの大展望が待っています。七倉からの周回コースは、上級者であればチャレンジしてみてください。



【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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両親の影響で子供の頃から山に登り、大きなザックを背負う人を見て自分には無理だなあと思っていたらいつの間にかそうなっていました。歩き続ける縦走が好き。下山後の温泉とビールも大好きです。どうぞよろしくお願いします。

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