唐松岳ってどんな山?
標高 | 山頂所在地 | 最高気温 (6月-8月) | 最低気温 (6月-8月) |
---|---|---|---|
2696m | 長野県 富山県 | 15.5℃ | 1.8℃ |
唐松岳(からまつだけ)は、飛騨山脈にある山で、登山者の憧れ「後立山連峰縦走」のコース上にあります。リフトを利用することでアプローチがしやすく、途中に難所がないので、北アルプスの入門の山としておすすめです。
唐松岳の登山適期は?
7月~9月が最も登山しやすい時期となります。また、7月中旬〜8月上旬は小中学生が遠足登山を行うため、大変賑わいます。夏から秋にかけては、色とりどりの高山植物や花々を楽しむことができ、また秋の紅葉も見ごたえがあり大変人気です。
地図も必ずチェック!山と高原地図 鹿島槍・五竜岳
唐松岳天気
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気軽に楽しめる、北アルプスの名峰の大パノラマ
多くの登山者を魅了している唐松岳。その理由は山頂から望む北アルプスの山々の大パノラマです。その雄大な景色を見るために、何度も唐松岳に来て、北アルプスの山々の眺めを楽しむ方もたくさんいるようです。
頂上から望む、北アルプスのパノラマビュー
唐松岳の頂上からは360度に広がる景色を望むことができます。まず、山頂に立つと目に飛び込んでくるのは正面にそびえる剱岳。岩の殿堂と呼ばれる迫力ある山容に目を奪われます。その他にも、立山や鹿島槍ヶ岳、五竜岳などの北アルプスの名峰を望むことができる唐松岳の山頂からの景色は多くの登山者を魅了しています。
山頂からの朝焼けも絶景
唐松岳は美しい朝焼けを見られる場所としても有名で、朝焼けを見るために唐松岳頂上山荘に宿泊する方がたくさんいます。周辺の鹿島槍ヶ岳や白馬三山はもちろん、剱岳など北アルプスの山々が赤く染まる朝焼けを見ることができます。
リフトとゴンドラで気軽に1830mまで上れる
白馬村から出ているゴンドラとリフト(アルペンクワッド/グラートクワッド)を2本乗り継ぐと、わずか40分ほどで標高1830mまで上がることができます。そのためアプローチしやすいのが、北アルプス初心者向けと言われる理由。リフト降車場周辺のハイキングコースや八方池までのトレッキングコースを歩くだけでも楽しめる場所です。
ちなみに八方池までは登山コース扱いではないため登山届の提出は不要ですが、そこから先は登山届の提出が必要になります。
八方尾根ルート|北アルプス入門におすすめの絶景ルート
最高点の標高: 2649 m
最低点の標高: 1835 m
累積標高(上り): 1348 m
累積標高(下り): -1348 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間35分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
ゴンドラ1本、リフト2本に乗って、標高1830mの登山口となる八方池山荘へ上ります。まずは白馬村のゴンドラ駅から、八方ゴンドラリフト「アダム」に乗り、続いてアルペンクワッドリフト、グラートクワッドリフトを乗り継ぎます。所要時間はおよそ40分です。
八方池山荘にはトイレと売店、登山届ポストがあります。登山の準備をして出発しましょう。
八方池山荘から登山道が2つに分かれます。ひとつは稜線歩きの道で岩がゴロゴロしているため登りに向いています。もうひとつは、湿原の木道歩きです。どちらを通ってもコースタイムはほとんど変わりません。
2つに分かれていた道が第2ケルンで合流します。ここには夏季のみ使えるトイレが設置されています。
八方池は天気の良い日には、白馬三山や不帰嶮(かえらずのけん)を湖面に映す人気のスポットです。その人気は、景色を撮影するためだけに登山をする人がいるほどです。不帰嶮は唐松岳から北に伸びる尾根で、厳しい岩場のバリエーションルートとなっています。
八方池を過ぎると本格的な登山道となります。登山の装備のない方は、ここまでで引き返します。
八方尾根では、蛇紋岩という地質により八方池山荘から八方池を過ぎた辺りまで背の高い樹木は減り、通常2500m以上に広がる高山植物が見られます。反対に八方池を過ぎた頃からダケカンバなどの背の高い木が現れるという、植生の逆転現象が起きています。またダケカンバは、標高2100m付近と2350m付近に群落が広がっており、それぞれ下ノ樺、上ノ樺と呼ばれています。
五竜岳・鹿島槍ヶ岳を間近に見ながら登ると、夏でも残っている扇雪渓があらわれます。雪渓を左にハイマツ帯を進むと丸山が見えてきます。
丸山ケルン付近から、岩の多いガレ場となるので注意して歩きましょう。
ガレ場では一部桟道を渡りますが、幅はしっかりあるので慌てずに歩きましょう。高山植物が豊富で楽しみながら歩くことができます。
唐松頂上山荘は食事や宿泊のできる大きな山荘で、他の山への縦走の基点となるので、にぎわっています。宿泊者以外でもトイレや売店を利用することができます。朝焼けや夕焼けを見たい方はここに1泊しましょう。
唐松頂上山荘から20分ほどで唐松岳山頂です。剱岳や五竜岳、鹿島槍ヶ岳などの北アルプスの名峰が見渡せる360度の展望があり、その眺めは多くの登山者を魅了しています。
縦走コース|中上級者なら五竜岳や白馬岳まで挑戦
唐松岳は、五竜岳との縦走や後立山縦走のコースとしても人気です。このコースはキレットと呼ばれる、尾根が深く切れ落ちている危険な場所があるため、あくまでも登山になれた人向けのコースとなっています。
唐松岳~五竜岳縦走
唐松岳から南に伸びる尾根を歩いて五竜岳へ縦走し、遠見尾根を下るコースです。唐松岳頂上山荘を出発してすぐに「牛首」と呼ばれる難所があります。岩場や鎖場があるので気をつけて通過しましょう。五竜岳への道は鹿島槍ヶ岳が正面に見え、素晴らしい眺望が続きます。
後立山連峰縦走(鹿島槍ヶ岳〜唐松岳〜白馬岳)
後立山連峰縦走は、日本三大キレットのうち、白馬岳〜唐松岳間の「不帰キレット」、五竜岳〜鹿島槍ヶ岳の「八峰キレット」の2つを通過する難易度の高いコースです。距離が長い上に難所が続く熟練者向けですが、いつかは歩いてみたいと憧れるコースです。
北アルプス入門の唐松岳だけど……。注意すべき点とは?
人気の山だけに知っておきたいこと
唐松岳登山での山小屋情報
唐松岳登山で利用できる山小屋の情報です。八方池山荘は年中無休ですが、唐松頂上山荘は冬期は営業していないので注意しましょう。
八方池山荘
白馬八方尾根スキー場のリフト最上部にあり、冬も山スキーや写真を撮るお客さんでにぎわいます。年中無休の山小屋です。
唐松頂上山荘
唐松岳山頂のすぐそばにあり、縦走の登山基地ともなる大きな山荘。小屋から5分程度の裏山からもご来光を望むことができます。またテント泊も可能です。
登山口までのアクセス
唐松岳へ登る登山口までのアクセスです。八方バスターミナルまでは都心からの直通バスも出ているので利用しましょう。
クルマの場合
長野道「安曇野」IC−県道306号−国道148号−県道33号−白馬八方第2駐車場−徒歩にて八方尾根ゴンドラリフトアダム「八方」駅
上信越道「長野」IC−国道19号−白馬八方第2駐車場−徒歩にて八方尾根ゴンドラリフトアダム「八方」駅
公共交通の場合
・JR信越本線「長野」駅東口よりアルピコ交通バス「特急バス 長野−白馬線」乗車−「白馬八方バスターミナル」下車−徒歩にて八方尾根ゴンドラリフトアダム「八方」駅
・JR大糸線「白馬」駅よりアルピコ交通バス「路線バス 白馬駅−猿倉線」乗車−「白馬八方バスターミナル」下車−徒歩にて八方尾根ゴンドラリフトアダム「八方」駅
アルピコ交通|特急バス 長野−白馬線
アルピコ交通|路線バス 白馬駅−猿倉
・「バスタ新宿」より「高速バス 新宿−安曇野・大町・白馬線」乗車−「白馬八方バスターミナル」下車−徒歩にて八方尾根ゴンドラリフトアダム「八方」駅
下山後すぐに温泉&買い物が楽しめる!八方バスターミナル
八方尾根の発着点となる「八方バスターミナル」の向かいには、日帰り温泉施設の「八方の湯」があります。そのため、バスの待ち時間ですっきりと汗を流して帰宅することができますよ。
バスターミナル建物内には「モンベル」があり、バスターミナルからJR白馬駅までの道沿いには「ザ・ノース・フェイス」「フルマークス」「パタゴニア」「スノーピーク」「好日山荘」とアウトドアショップが軒を連ねています。特にパタゴニアはアウトレット商品の販売もあり、隠れた人気スポットとなっています!
唐松岳を登って北アルプス登山を楽しもう!
ゴンドラとリフトを使って標高をかせげるので、体力にあまり自身がない方にも北アルプスデビューの山としておすすめの唐松岳。山頂からの展望は北アルプス一とも言われています。朝焼けが素晴らしい場所なのでぜひ1泊して見てみてください!