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黒部五郎岳

黒部五郎岳|最短3日、最長5日!北アルプス堪能の縦走登山コース

黒部五郎岳は北アルプスの奥深くに位置する山で、縦走でしか訪れることができません。アクセスしにくい山だからこそ、静かな山行や北アルプスの豊かな自然が楽しめる場所でもあります。黒部五郎岳だけでなく、周辺の山々を巡って北アルプスを堪能できる縦走コースをまとめました。最短でも3日かかる、贅沢な山行を楽しんでみてはいかがでしょうか?登山上級者に人気の西銀座ダイヤモンドコースもご紹介します。

目次

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山小屋営業ならびに交通状況などに変更が生じている可能性があります。
山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像出典:PIXTA

黒部五郎岳ってどんな山?

黒部五郎岳
出典:PIXTA
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2840m岐阜県高山市北アルプス14.1℃4.6℃
参考:ヤマレコ

黒部五郎岳(くろべごろうだけ)は日本百名山および花の百名山に選定されており、黒部源流の山々の中でも男らしく雄大な山として知られています。大きなカールを抱くような山容で、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)で構成されて山頂には岩が積み重なっています。

人名が由来ではない!?

黒部五郎岳
出典:PIXTA

まるで人の名前のような山名ですが、由来は人名ではありません。山用語で大きな岩がごろごろとしている場所のことを「ゴーロ」と言うのですが、それに「五郎」という字を当てはめたとされています。黒部にある五郎というわけですね!

雄大なカールと高山植物が美しい!

黒部五郎岳のカール
出典:PIXTA

黒部五郎岳の東面にあるカールは水が豊富で、コバイケイソウやミヤマキンポウゲなど色とりどりの高山植物の群落が見られます。日本では珍しい羊群岩なども見られ、緑とのコントラストが美しく、まるで楽園のような場所です。

初心者でも登れるの?

水晶小屋より見た黒部五郎岳
出典:PIXTA

黒部五郎岳はどの登山口からも山頂までが遠く、日帰りでは行けません。コースによっては途中に山小屋が少ないコースもあるため、一日の行動時間が長く体力が必要になります。不安な人は、山小屋が多いコースで日数を多めに設定して計画を立てることが大事です。

黒部五郎岳の天気と地図をチェック

黒部五郎岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!また、事前に地図を用意してルートを確認してください。

黒部五郎岳のふもと(富山市)の10日間天気

日付09月24日
09月25日
(月)
09月26日
(火)
09月27日
(水)
09月28日
(木)
09月29日
(金)
09月30日
10月01日
10月02日
(月)
10月03日
(火)
天気晴
晴
曇
雨時々曇
雨時々曇
雨時々曇
雨時々曇
曇時々晴
曇時々晴
曇
晴時々曇
晴時々曇
曇時々晴
曇時々晴
晴時々曇
晴時々曇
気温
(℃)
27
16
30
19
29
20
28
21
29
22
28
21
28
19
27
19
26
18
25
16
降水
確率
0203090904030404040

黒部五郎岳の登山指数

日付09月25日
(月)
09月26日
(火)
09月27日
(水)
09月28日
(木)
09月29日
(金)
登山
指数
A A A C A
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

黒部五郎岳周辺の山と高原地図

①折立から薬師岳と黒部五郎岳を巡る縦走登山コース

黒部五郎岳に行くのに最も使われる登山口からスタートし、薬師岳も縦走するコースをご紹介します。

①折立~薬師岳~黒部五郎岳~折立 縦走コース

合計距離: 38.43 km
最高点の標高: 2899 m
最低点の標高: 1357 m
累積標高(上り): 4003 m
累積標高(下り): -4003 m
【体力レベル】★★★★★
2泊3日
コースタイム:23時間5分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

【1日目】
折立(210分)→五光岩ベンチ(90分)→太郎平小屋(20分)→薬師峠(110分)→薬師岳山荘(60分)→薬師岳(40分)→薬師岳山荘(80分 )→薬師峠(20分)→太郎平小屋

折立から太郎平小屋までは岩で歩きにくい場所もありますが、比較的整備された登山道です。太郎平小屋からいったん薬師峠に下ったら、大小の岩が多い登りとなります。視界が悪いと迷いやすいので注意しましょう。薬師山荘から山頂まではガレ場を登ります。

コース途中に立ち寄る薬師岳
出典:PIXTA(薬師岳)

薬師岳山頂から来た道を戻り、太郎平小屋で宿泊します。薬師岳山頂からの下りは浮石が多いので気をつけましょう。

【2日目】
太郎平小屋(115分)→北ノ俣岳(上ノ岳)(30分)→赤木岳(30分)→中俣乗越(125分)→黒部五郎岳(中ノ俣岳)(100分)→中俣乗越(40分)→赤木岳(40分)→北ノ俣岳(上ノ岳)(85分)→太郎平小屋

太郎平小屋から木道を歩いて北ノ俣岳へ向かいます。木道が濡れているときはスリップに注意が必要です。木道が終わるとなだらかな歩きやすい登山道で、高山植物の美しい花がいたるところで見られます。

黒部五郎岳に登る途中の北ノ俣岳
出典:PIXTA(北ノ俣岳稜線)

北ノ俣岳を過ぎると、大小のピークを越えて黒部五郎岳に向かいます。中俣乗越からは標高差400mの直登となり、登りきると黒部五郎岳の肩に出ます。ここから山頂は15分です。ガレ場のため荷物を置いて往復する人が多いようです。

黒部五郎岳
出典:PIXTA(黒部五郎岳稜線の登山者)

来た道を戻って太郎平小屋に宿泊します。コースタイムが早い人は、そのまま折立まで下山することも可能ですが、1日でトータル22㎞以上歩くことになるので無理はしないようにしましょう。

【3日目】
太郎平小屋(60分)→五光岩ベンチ(130分)→折立
太郎平小屋からは1日目に登った道を戻って折立に下山します。

①の縦走コース中に利用できる山小屋・テント場

コース中に宿泊地になる山小屋と、それ以外に利用できる山小屋とテント場をご紹介します。山行が計画通りに行かなかった場合、無理をせず途中の山小屋を利用しましょう。

太郎平小屋
太郎平小屋

出典:PIXTA

薬師岳が目の前にある太郎兵衛平に建つ小屋。北アルプス奥地への縦走路の起点となる位置で多くの登山者でにぎわいます。テント場は小屋から約10分歩いた薬師峠にあり、売店やトイレも完備しています。

営業期間:6月上旬~10月中旬
収容人数:150名
テント設営数:100張(薬師峠キャンプ場)

 料金
1泊2食9,500円
お弁当1,000円

太郎平小屋のHPを見る

薬師岳山荘
薬師岳山荘

出典:PIXTA

薬師岳頂上の南西下に建つ山荘。2010年に改装したきれいな小屋で、昔からトイレも綺麗と評判です。売店の白玉あんみつやフルーツポンチなどのスイーツも人気。

営業期間:7月上旬~10月上旬
収容人数:60名
テント場:なし

 料金
1泊2食9,700円
お弁当1,000円

薬師岳山荘のHPを見る

折立キャンプ場(登山前後に利用可能)
営業期間:6月上旬~10月下旬
料金:無料
トイレ・炊事場:あり

折立キャンプ場の情報を見る

②飛越新道から黒部五郎岳、雲ノ平まで巡る周回コース

飛越新道は人が少ないので静かな山歩きが期待できるコースです。

②飛越新道~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~鷲羽岳~水晶岳~雲ノ平 周回コース

合計距離: 52.21 km
最高点の標高: 2942 m
最低点の標高: 1491 m
累積標高(上り): 5820 m
累積標高(下り): -5820 m
【体力レベル】★★★★★
3泊4日
コースタイム:31時間6分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

【1日目】
駐車場(120分)→分岐(30分)→鏡池(30分)→寺地山(50分)→北ノ俣避難小屋(60分)→ガキの田(75分)→北ノ俣岳(上ノ岳)(30分)→赤木岳(30分)→中俣乗越(125分)→黒部五郎岳(中ノ俣岳)(110分)→黒部乗越(黒部五郎小舎)

飛越トンネル脇の登山口をスタートして、まずは樹林帯の中を歩きます。ぬかるんでいることが多いのでゲイターを装着することをおすすめします。樹林帯を抜けると木道を歩いて北ノ俣岳へ。

北ノ俣避難小屋手前の道標
出典:PIXTA(北ノ俣避難小屋付近の道標)

赤木岳の岩場の斜面をトラバースし、中俣乗越からは標高差400mの直登となります。登りきると黒部五郎岳の肩に出て、山頂はガレ場をさらに15分登ったところです。

黒部五郎岳
出典:PIXTA(北ノ俣岳稜線から黒部五郎岳)

黒部五郎岳の肩に戻り、カールを下ります。残雪期には山頂からの稜線ルートで黒部乗越(黒部五郎小舎)へ向かいますが、このルートは迷いやすいので注意しましょう。庭園のようなカールの中を進み、広い草原に建つ黒部五郎小舎に泊まります。

【2日目】
黒部乗越(黒部五郎小舎)(140分)→三俣蓮華岳(45分)→三俣山荘(90分)→鷲羽岳(87分 ※推定値 )→水晶小屋(40分)→水晶岳 (30分)→水晶小屋(40分)→岩苔乗越(40分)→祖父岳(15分)→祖父庭園(48分 ※推定値 )→雲ノ平

黒部五郎小舎から笹ヤブを進むと、三俣蓮華岳への登りが始まります。稜線に出ると槍ヶ岳や笠ヶ岳など北アルプスの山々を見渡せるようになります。稜線は風が強いので防風対策をしましょう。

三俣蓮華岳
出典:PIXTA(三俣蓮華岳稜線)

三俣蓮華岳から三俣山荘に下り、鷲羽岳山頂にはほぼ一直線に九十九折の登山道を登っていきます。三俣山荘の展望食堂は眺めが良いので休憩にもおすすめ。

鷲羽岳
出典:PIXTA(鷲羽岳)

小さなアップダウンを繰り返しながら水晶岳へ向かいます。水晶小屋を過ぎると、黒部ダムや裏銀座の山々が見えてきます。水晶岳へは岩場の登りとなるので3点支持を確保して登りましょう。

水晶岳
出典:PIXTA(水晶岳)

水晶岳から来た道をワリモ北分岐まで戻り、祖父岳に向かいます。祖父岳の山頂は広く、黒部五郎岳の眺めがとてもよい場所です。祖父岳を下り、雲ノ平で1泊します。

【3日目】
雲ノ平(40分)→アラスカ庭園(25分)→木道末端(90分)→薬師沢出合(70分)→左俣出合(95分)→太郎平小屋(140分)→ガキの田(30分)→北ノ俣避難小屋(40分)→寺地山(20分)→鏡池(30分)→分岐(90分)→駐車場

雲ノ平からしばらくは木道が続き、木道末端から薬師沢にむけて一気に下ります。沢の吊橋を渡り、針葉樹林の中を歩いて太郎平小屋に向かいます。

薬師沢出合
出典:PIXTA(薬師沢出合)

太郎平小屋から北ノ俣岳の分岐地点まで登り、1日目に登ってきた道を下ります。

②の縦走コース中に利用できる山小屋・テント場

コース中に宿泊地になる山小屋と、それ以外に利用できる山小屋とテント場をご紹介します。山行が計画通りに行かなかった場合、無理をせず途中の山小屋を利用しましょう。

北ノ俣避難小屋
北ノ俣避難小屋

出典:好日山荘

北ノ俣岳と寺地山の鞍部に建つ三角屋根の小さな避難小屋。登山道から少し南側に外れた林の中にあります。

収容人数:8名
トイレ:あり
水場:あり
テント場:なし

黒部五郎小舎
黒部五郎小舎

出典:PIXTA

黒部五郎カールを下ったところにある小屋。小屋の周りは広々とした草原で、夏はコバイケイソウやイワイチョウなどが咲き誇り、秋の紅葉も美しい場所です。

営業期間:7/10~9/30
収容人数:60名
テント設営数:30張

 料金
1泊2食10,300円
1泊3食11,400円
素泊まり7,300円
テント1,000円

黒部五郎小舎のHPを見る

三俣山荘
三俣山荘

出典:PIXTA

黒部源流の稜線上、三俣蓮華岳と鷲羽岳の鞍部に建つ小屋で、地下水が豊富。小屋の展望食堂は北アルプス奥地の山々や槍・穂高連峰の眺めが素晴らしい。

営業期間:7月初旬~10月中旬
収容人数:80名
テント設営数:約70張

 料金
1泊1食(朝)7,600円
1泊1食(夕)8,400円
1泊2食10,000円
素泊まり6,000円
昼弁当1,100円
テント1,000円/人

三俣山荘のHPを見る

水晶小屋
水晶小屋

水晶岳の南肩、裏銀座縦走路上に建つ小さな小屋。標高が2,900mと高く小屋の前からは360度のパノラマが広がり、ご来光と夕日を楽しむことができます。強風が吹く場所のためテント場はありません。

営業期間:7/10~9/30
収容人数:30名
テント場:なし

 料金
1泊1食(朝)7,800円
1泊1食(夕)8,600円
1泊2食10,200円
素泊まり6,200円
昼弁当1,100円

水晶小屋のHPを見る

雲ノ平山荘
雲ノ平山荘

出典:PIXTA

日本最後の秘境と呼ばれる黒部源流域の雲ノ平に建つ小屋。周辺のハイマツ帯やお花畑にはところどころ池塘や火山岩があり、まるで庭園のような美しさです。

営業期間:7/10~10/10
収容人数:70名
テント設営数:50張

 料金
1泊1食(朝)7,600円
1泊1食(夕)8,400円
1泊2食10,000円
素泊まり6,000円
お弁当1,100円
テント1,000円

雲ノ平山荘のHPを見る

薬師沢小屋
薬師沢小屋

出典:PIXTA

黒部川本流と薬師沢の出合に建つ小屋。登山客の他、岩魚釣りや赤木沢の沢登り客などにも人気があります。
営業期間:7/1~10/10
収容人数:80名
テント場:なし

 料金
1泊2食9,700円
お弁当1,000円

薬師沢小屋のHPを見る

太郎平小屋
①のコースを参照ください。

③新穂高温泉から双六岳と黒部五郎岳を巡る縦走登山コース

アクセスしやすい新穂高温泉から黒部五郎を目指します。途中に小屋が多く、宿泊日数を増やしていけるコースです。

③新穂高温泉~鏡平~双六岳~黒部五郎岳~薬師岳~折立 縦走コース

合計距離: 46.31 km
最高点の標高: 2899 m
最低点の標高: 1098 m
累積標高(上り): 5652 m
累積標高(下り): -5400 m
【体力レベル】★★★★★
2泊3日
コースタイム:26時間31分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

※このコース中の小池新道は岐阜県の山のグレーディングで難易度C(地図読み能力・はしご、鎖場を通過できる身体能力が必要)に設定されています。

【1日目】
新穂高温泉(60分)→中崎橋(10分)→笠新道登山口(10分)→わさび平小屋(20分)→小池新道登山口(60分)→秩父沢出合(90分)→シシウドヶ原(60分)→鏡平(60分)→弓折分岐(乗越)(70分)→双六小屋

新穂高温泉からほぼ水平の林道を歩いてわさび平小屋に向かいます。小池新道に入ると登りが始まります。シシウドヶ原に出たら傾斜がゆるやかとなり、木道を歩いて鏡平へ。

鏡平のひょうたん池
出典:PIXTA(鏡平のひょうたん池)

鏡平から弓折分岐(乗越)へは急登で一気に登ります。弓折分岐からは小さなアップダウンを繰り返しながら双六小屋へ向かい、1泊します。

【2日目】
双六小屋(20分)→巻道分岐(50分)→双六岳(15分)→中道稜線分岐(50分)→三俣蓮華岳(90分)→黒部乗越(黒部五郎小舎)(150分)→黒部五郎岳(中ノ俣岳)(100分)→中俣乗越(40分)→赤木岳(40分)→北ノ俣岳(上ノ岳)(78分)→太郎山(10分※推定値)→太郎平小屋

双六小屋から稜線ルートで双六岳へ向かいます。なだらかで広く、視界が悪いと迷いやすいので注意しましょう。三俣蓮華岳からアップダウンを繰り返しながら下り、カールの中を歩いて黒部五郎岳へ向かいます。(残雪期は稜線ルートとなります)黒部五郎岳直下の壁を肩まで上がり、山頂を目指します。

黒部五郎岳
出典:PIXTA(カールから見た黒部五郎岳)

黒部五郎岳から太郎平小屋までは高原のような稜線でつながり、アップダウンを繰り返しながら向かいます。なだらかに見えますが、距離が長いためペース配分に気をつけましょう。木道を歩いて太郎平小屋まで進み1泊します。

【3日目】
太郎平小屋(20分)→薬師峠(110分)→薬師岳山荘(60分)→薬師岳(40分)→薬師岳山荘(80分)→薬師峠(20分)→太郎平小屋(60分)→五光岩ベンチ(130分)→折立

太郎平小屋から薬師峠に下り、薬師峠からは岩の多い登山道で登ります。やがて木道となり、薬師岳山荘からガレ場をジグザグに登ると山頂です。

薬師岳
出典:PIXTA(北ノ俣岳付近から見た薬師岳)

山頂から来た道を太郎平小屋手前の分岐まで戻り、折立へ下山します。石畳や木道で整備されていますが、岩がごろごろと歩きにくい箇所もあります。

③の縦走コース中に利用できる山小屋・テント場

コース中に宿泊地になる山小屋と、それ以外に利用できる山小屋とテント場をご紹介します。山行が計画通りに行かなかった場合、無理をせず途中の山小屋を利用しましょう。

わさび平小屋
わさび平小屋

新穂高温泉から林道を1時間ほど歩いた場所にある。登山の拠点の他、周辺の自然を楽しみにトレッキングに来る人も多い。夏は巨木をくりぬいた水槽でトマトやキュウリ、スイカなどを清流で冷やしているのが有名。

営業期間:7/10~10/20
収容人数:60名
テント設営数:30張

 料金
1泊2食9,000円
1泊3食9,900円
素泊まり6,000円
テント1,000円/人

わさび平小屋のHPを見る

鏡平山荘
鏡平山荘

出典:PIXTA

弓折岳直下に見える箱庭のような場所に建つ。小屋のそばにある鏡池は名前のごとく山々を映しだし、テラスは正面の槍ヶ岳や穂高連峰の絶好の展望台です。

営業期間:7/10~10/15
収容人数:120名
テント場:なし

 料金
1泊2食10,300円
1泊3食11,300円
素泊まり7,300円

鏡平山荘のHPを見る

双六小屋
双六小屋

出典:PIXTA

双六岳直下の広い鞍部に建ち、北アルプス最奥の山々の起点となる小屋で利用者も多い。水が豊富で、正面には迫力のある鷲羽岳があり、周辺はお花畑が見事です。

営業期間:6/10~10/20
収容人数:200名
テント設営数:60張

 料金
1泊2食10,300円
1泊3食11,400円
素泊まり7,300円
テント1,000円/人

双六小屋のHPを見る

黒部五郎小舎
②のコースを参照ください。

太郎平小屋・薬師岳山荘
①のコースを参照ください。

静かな山行が人気!西銀座ダイヤモンドコース

北アルプス最奥の山々と槍ヶ岳を縦走できるコースです。シーズン中の休日は槍ヶ岳に登るのに渋滞ができているので時間配分に注意しましょう。

④折立~太郎山~北ノ俣岳~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳~樅沢岳~槍ヶ岳~上高地 縦走コース

合計距離: 51.41 km
最高点の標高: 3088 m
最低点の標高: 1357 m
累積標高(上り): 6158 m
累積標高(下り): -5999 m
【体力レベル】★★★★★
4泊5日
コースタイム:30時間26分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★★☆
・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

※このコース中の飛騨乗越(双六岳~槍ヶ岳)は岐阜県の山のグレーディングで難易度D(地図読み能力・岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術・ルートファインディング能力が必要)に設定されています。

【1日目】
折立(210分)→五光岩ベンチ(90分)→太郎平小屋

【2日目】
太郎平小屋(15分※推定値)→太郎山(9分※推定値)→2360m地点(95分)→北ノ俣岳(上ノ岳)(30分)→赤木岳(30分)→中俣乗越(125分)→黒部五郎岳(中ノ俣岳)(110分)→黒部乗越(黒部五郎小舎)

折立~黒部五郎岳までは、①②のコースを参照ください。1泊目は太郎平小屋、2泊目は黒部五郎小舎で宿泊します。

黒部五郎岳
出典:PIXTA(赤木岳付近から見た黒部五郎岳)

【3日目】
黒部乗越(黒部五郎小舎)(140分)→三俣蓮華岳(50分)→中道稜線分岐(25分)→双六岳(35分)→巻道分岐(10分)→双六小屋

黒部五郎小舎裏手の登山道から三俣蓮華岳を目指します。稜線に出ると槍ヶ岳など北アルプスの山々が視界に入ってきます。山頂が広いため、強風と視界が悪いときの道迷いに気をつけましょう。双六岳から稜線ルートを下り、双六小屋で1泊します。

双六岳
出典:PIXTA(双六岳)

【4日目】
双六小屋(45分)→樅沢岳(100分)→左俣乗越(90分)→千丈乗越(90分)→槍ヶ岳山荘(30分)→槍ヶ岳(30分)→槍ヶ岳山荘(20分)→殺生ヒュッテ

双六小屋から樅沢岳へ向かいます。樅沢岳は槍ヶ岳の撮影スポットとしても有名で、目の前に伸びる西鎌尾根と北鎌尾根を見渡すことができます。

樅沢岳
出典:PIXTA(樅沢岳稜線から槍ヶ岳)

槍ヶ岳を正面に見ながら進みます。岩場や鎖場があるので注意して通過しましょう。千丈沢乗越から槍ヶ岳への急登を登り槍の肩に出たら、槍ヶ岳山頂はすぐそこです。山頂から槍の肩まで下りたら槍沢を下り、殺生ヒュッテに1泊します。

【5日目】
殺生ヒュッテ(20分)→坊主の岩小屋(60分)→天狗原分岐(50分)→大曲(60分)→槍沢ロッヂ(30分)→一ノ俣(50分)→横尾(50分)→新村橋(20分)→徳沢(60分)→明神分岐(60分)→上高地バスターミナル

殺生ヒュッテから槍沢沿いを下ります。よく整備されて歩きやすい登山道で横尾山荘に向かいます。

槍沢ロッジ
出典:PIXTA(槍沢ロッヂ)

横尾山荘に着くとほっとする瞬間です。ここからはゆるやかな林道歩きで、上高地バスターミナルへ向かいます。

④の縦走コース中に利用できる山小屋・テント場

コース中に宿泊地になる山小屋と、それ以外に利用できる山小屋とテント場をご紹介します。山行が計画通りに行かなかった場合、無理をせず途中の山小屋を利用しましょう。

わさび平小屋
③のコースを参照ください。

槍ヶ岳山荘
槍ヶ岳山荘

出典:PIXTA

槍ヶ岳の頂上直下に建つ山小屋で、標高3000mの稜線上にあるため360度の大展望が楽しめる。テント場は少なく場所は指定ですが、眺望が良いため人気があります。

営業期間:4/27~11/3
収容人数:400名
テント設営数:39張

 料金
1泊2食10,300円
1泊3食11,500円
1泊夕食9,000円
1泊朝食8,700円
素泊まり7,300円
テント1,000円/人

槍ヶ岳山荘のHPを見る

殺生ヒュッテ
殺生ヒュッテ

出典:PIXTA

槍ヶ岳から槍沢を少し下ったところ、肩の小屋とヒュッテ大槍の分岐近くにある小屋。槍ヶ岳山荘より比較的空いていて、夏でも1人1枚の布団で眠れることが多いとのこと。

営業期間:6月上旬~10月上旬
収容人数:100名
テント設営数:50張

 料金
1泊2食9,700円
1泊夕食9,000円
1泊朝食8,000円
素泊まり7,000円
テント1,000円/人

殺生ヒュッテのHPを見る

槍沢ロッヂ
槍沢ロッヂ

上高地から槍ヶ岳に向かう途中、槍沢にある小屋。樹林帯の中にあり、小鳥のさえずりや梓川の川音が心地よく聞こえます。小屋内には浴室があり汗を流すことができます。

営業期間:4/27~11/3
収容人数:150名
テント設営数:60張(河原含む)

 料金
1泊2食10,300円
1泊3食11,500円
1泊夕食9,000円
1泊朝食8,700円
素泊まり7,300円
テント1,000円/人

槍沢ロッジのHPを見る

横尾山荘
横尾山荘

出典:PIXTA

上高地から槍ヶ岳、穂高連峰、蝶ヶ岳へ向かう登山道の分岐点に建ち、多くの登山者が登山基地として宿泊します。宿泊者専用のお風呂も人気です。

営業期間:4/27~11月上旬
収容人数:250名
テント設営数:100張

 料金
1泊2食10,000円
テント1,000円/人

横尾山荘のHPを見る

太郎平小屋
②のコースを参照ください。

黒部五郎小舎
③のコースを参照ください。

双六小屋
④のコースを参照ください。

上高地周辺の宿泊施設はこちらの記事を参照ください。

ヤマレコも参考に!

ヤマレコにはさらにバリエーション豊かな山行記録が登録されています。ヤマレコも参考に自分だけの山行計画を立ててみましょう!

ヤマレコを見る

北アルプスの秘湯、高天原温泉って?

撮影:YAMA HACK編集部

「日本で一番遠い温泉」と言われる高天原温泉は、源泉がそそがれる沢沿いの露天風呂。北アルプスの秘境にあり、たどり着くのに時間がかかりますが、いつかは行ってみたい温泉です。黒部五郎岳縦走とともに訪れてみてはいかがでしょうか?
詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!

黒部五郎岳の登山口へのアクセス・駐車場情報

黒部五郎岳への登山口のアクセス情報です。車でしかいけない登山口もあるので確認しましょう。

①④折立へのアクセス

【車の場合】
富山方面から
北陸自動車道 立山IC-有峰林道 小見線-折立駐車場

松本方面から
国道471号-大規模林道 高山大山線-有峰林道 東谷線-折立駐車場

<駐車場>
折立駐車場
駐車可能台数:100台
料金:無料
トイレ:あり

【電車・バスの場合】
JR富山駅-富山地方鉄道 直通バス-折立(※直通バスは予約が必要です)
富山地方鉄道 電鉄富山駅-富山地方鉄道 有峰口駅-有峰林道 路線バス-折立

直通バス・路線バスの時刻表を見る

②飛越新道へのアクセス

【車の場合】
東京方面から
長野自動車道 松本IC-国道158号-安房峠道路-国道471号-飛越新道駐車場

名古屋・大阪方面から
北陸自動車道 飛騨清見IC-県道90号-県道75号-国道41号-県道484号-飛越新道駐車場

<駐車場>
飛越トンネル登山口駐車場
駐車可能台数:不明(広いスペースあり)
トイレ:あり

【電車・バスの場合】
飛越新道に乗り入れている公共交通機関はありません。タクシーを利用することになります。

飛越新道へのタクシーについて調べる

③新穂高温泉へのアクセス

【車の場合】
<関東方面から>

①中央自動車道:高井戸IC-松本IC
②関越自動車道:練馬IC-松本IC
国道158号-(平湯)国道471号-(栃尾)県道475号

<大阪・名古屋方面から>
①名神高速道路・吹田JCT(名古屋方面へ)-松本IC
②名神高速道路・吹田JCT(名古屋方面へ)-高山IC
国道158号-(平湯)国道471号-(栃尾)県道475号

<駐車場>
新穂高温泉駐車場
駐車可能台数:230台
料金:500円

鍋平高原駐車場
台数:790台
料金:乗用車600円(※ 鍋平高原登山者用駐車場は300円)

【電車・バスの場合】
<東京方面から>

①中央本線経由:新宿駅-松本駅-バス・タクシーに乗換え
②長野新幹線経由:東京駅-長野駅-松本駅-バス・タクシーに乗換え

<大阪・名古屋方面から>
①中央本線経由:新大阪駅-名古屋駅-松本駅-バス・タクシーに乗換え
②高山本線経由:大阪駅-高山駅-バス・タクシーに乗換え
③北陸本線経由:大阪駅-富山駅-高山駅-バス・タクシーに乗換え

松本・高山から新穂高温泉へのバスの詳細を見る

【高速バスの場合】
各都市から高速バスで「高山」「平湯」まで直行します。くわしくは以下リンクよりご確認ください。

直行バスの詳細をを見る

黒部五郎岳へ行ってみよう

黒部五郎岳
出典:PIXTA(黒部五郎岳カール)

黒部五郎岳のカールは、まさに雲上の楽園。足を踏み入れると、美しくてなかなか離れがたい場所です。できれば余裕のある行程で、黒部五郎のカールを満喫しましょう。どのコースから歩いても北アルプスの最奥地を十分に味わえますよ!

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。


National Parks of Japan

 

黒部五郎岳 は 中部山岳国立公園 に含まれています。