いざという時のために……
ネットで何でも調べたり購入したりでき、何一つ不自由なく暮らせる今の時代。登山は楽しいですが、便利な日常とは反対にトラブルはつきものです。いざという時どうすればいいか、知っているのと知らないのとでは大違い。よくあるトラブルをいくつかピックアップしたので、いざという時のために頭の片隅に置いておきましょう!
道具に関するトラブルと対処
道具に関するトラブルは比較的多く、特に登山靴のトラブルに見舞われた人も多いのではないでしょうか。身近な問題だからこそ対処をして、快適な登山にしましょう。
①ソールが剥がれた
一般的なスニーカーより硬くて頑丈に作られた登山靴。見た目は問題ないようでも、登山靴が製造されてからの年数や長期間の密閉した保管状況などにより、ソールの劣化は進んでいきます。使用前の点検はもちろん、下山後に登山靴の汚れを落としながら点検もしましょう!
ソールが剥がれそう、または剥がれてしまった時の対処方法は、針金、紐、結束バンド、テーピングや手ぬぐいでソールを固定すること。中でも、結束バンドで固定する方法がおすすめです。丈夫で素早く固定できます。
②靴ずれがおきた
登山靴を履いて長時間歩き続けることは、靴が終始足に密着して摩擦が加わることになります。かかとや指の靴ずれは足のトラブルの中でも多く、誰にでも起こる可能性があります。足が蒸れ、靴下が濡れると靴内で滑りが悪くなり靴擦れに繋がることも。
蒸れにくい靴下を選んだり、あらかじめ靴ずれしそうな場所に、靴ずれパッドや太めのテーピングを重ねて貼ったりすることで予防できます。また摩擦を軽くするためにワセリンを塗るのも効果的ですが、テーピングなどが貼りにくくなるので注意が必要です。
③つま先が痛い
つま先の痛みは、紐の結び方、靴下の厚みなどいくつかの原因があげられます。また、上りは足の指先から足の裏を伸ばす動きになりますが、下りはつま先に重さがかかるため下山でつま先が痛くなりがちです。
もし下山中につま先が痛くなった時は、紐を結び直しましょう。甲の部分をきつめに結び、それより上の紐は、上りではゆるめで下りではきつめに結ぶと効果的です。
④テントポールが折れた
テントを設営する時に気を付けたいのが風の向き。風が強い時や設営場所により、テントポールが折れてしまうことがあります。また天候の変化で突風にあおられると、テントポールが折れてしまう可能性が。
万が一の時のために、ガムテープ、針金、割り箸を携帯しておくことをおすすめします。折れてしまった時は、木の枝や割り箸を添え木にして、ガムテープや針金を巻きつけて対処しましょう。
自然に関するトラブルと対処
自然に身を置き山を楽しむためには、自然に関するトラブルに対処する知識を得ておくことが大切です。トラブルを未然に防ぎ、被害を最小限にとどめる3つのパターンの対処方法を紹介します。
①落雷
高度を上げて行動する登山は、天候や気温の急な変化には気をつけなくてはいけません。「冷たい風が急に吹く、黒くて大きな雲が近づいてくる、雷鳴が聞こえてくる」こんな時は、雷を発生させる積乱雲がやってくる前ぶれです。
尾根や山頂、開けた河原などは人に落雷しやすい場所です。鎖や鉄製のハシゴから離れ、ストックなど長いものは地面に置きましょう。樹木、枝、葉より2m以上離れ、体が地面に触れないよう低くしゃがみましょう。