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便利なミニテーブル。ネックは荷物になること……?

出典:PIXTA
山での食事時間をぐっと快適にしてくれるミニテーブル。あれば便利なのは間違いないものの、「重そう」「バックパック内の場所を取る」といった理由から、持ち歩きをためらっている方も多いのではないでしょうか。
筆者もそのタイプで、とにかく荷物は軽くしたい派。普段の山行でも、装備はなるべく削るのが基本スタンスでした。
SOTOの新作ミニテーブル。これなら持っていきたい!

そんな私の概念を覆してくれたのが、2025年春に登場したSOTOの「トレイルテーブル」。
一見するとよくあるミニテーブルのように見えますが、さまざまな工夫とともに、重量、サイズ感、使い勝手など、すべてが山で使いやすいように設計されています。
このテーブル、ギア好き心をくすぐるぞ!

まず、私の心をときめかせてくれたのがこの見た目。天板にはアルミニウム合金、脚部分にはナイロン樹脂が使われていて、なんだか男心をくすぐるギア感があります。

展開時のサイズは幅177 × 奥行130mm×高さ80mm。天板の大きさを例えるならば、ほぼ漫画の単行本と同じです。重量135gと、ミニテーブルとしてみると標準的ですが、かなり軽量で手に持ってもほとんど重さを感じさせません。
真骨頂の合体ギミック!

写真左:トレイルテーブル 写真右:トライトレイルとCB タフ 125をセットしたもの
そして、トレイルテーブルの真骨頂とも言えるのが、テーブル・ストーブ・ボンベが一体になる合体ギミックです。
なかでも、SOTOから販売されているCB缶専用の軽量ストーブ「トライトレイル」と、冬季対応のカセットガス「CB タフ 125」との相性が最高なんです!
トライトレイル(Tri Trail)
CB缶対応の軽量コンパクトな登山用ストーブ。安定した火力と扱いやすい操作性が魅力で、寒冷地でも使いやすいのが特徴。携行性と実用性を両立したソロ向けストーブです。
CB タフ 125(CB TOUGH 125)
寒冷地でも安定した火力を発揮する高性能CB缶。低温下でのドロップダウンを抑え、冬山や早朝の調理でも使いやすいのが特徴。小型で携行しやすく、価格も抑えられている。
じゃじゃん!

こちらが合体した姿。さらにギア感もマシマシになりましたね。

仕組みとすると、テーブルの側面が大きく円形にくり抜かれていて、ここに「CB タフ 125」がスッポリ収まります。カチッとはめるわけではなく、くり抜き部分に入れるだけなので簡単です。
ライター 橋爪
これによって、デッドスペースになるボンベの上を有効活用できるわけですね!よく考えられています。
そして、機能面での大きなメリットもあります。
重心によってテーブルが安定する

それが合体させることで安定性が大きく跳ね上がること。ミニテーブルを使ったことがある方なら分かると思いますが、100g前後の軽量モデルって、ちょっとした振動でもグラつきがちなんですよね。
ところが、本製品は下にボンベがあることで重心が生まれ、テーブルが安定する仕組みに。使用中もグラつきにくさを実感しました。
実際に揺らしてみると……?

テーブルだけの場合、少しの力でテーブルを押すだけでも大きく揺れてしまいます。

合体させた状態で同じ力を加えてみると、わずかなガタつきはあるものの、大きく揺れるような不安定さはありませんでした。
もちろん、傾斜地や大きな凹凸のある場所ではさすがに安定しないこともありますが、一般的なミニテーブルよりも一段上の安定感がある印象です。テーブル・ストーブ・ボンベをセットで使うことで得られる大きなメリットだと感じました。
ライター 橋爪
山では平らな場所のほうが少ないですが、多少の凸凹なら気にせず使えるのがありがたいポイントですね。
わずかなスペースも無駄にしない

収納サイズは幅55×奥行130×高さ86mm。
収納にも工夫が凝らされていました。トレイルテーブルは畳むと四角いボックス形状になるのですが、脚の部分にスペースができているのがわかります。

この隙間にトライトレイルがすっぽりハマる設計に!

さらにトライトレイルに付属されている収納袋にピッタリ収まってくれます。ストーブとテーブルのデッドスペースを限りなく減らしてバックパックの隙間に収めることができます。
ライター 橋爪
これはストーブを衝撃から守ってくれる役割もあって一石二鳥。よく考えられています。
広げるのも畳むのも、ワンアクション
展開と撤収の手軽さと共に、ミニマルながらも十分なサイズ感と強度もいい感じです。手間を減らし、登山中の時間を有効に活用できます。
両手で広げるだけでテーブルがオープン

天板を両手でそっと持ち、水平になるまで広げるだけで、ワンアクションでパッとテーブルになります。山頂や休憩中でもモタつかず、すぐに使い始めることができます。
収納も同じくシンプル

2枚の天板を両手で外側へ引き出し、そのまま折りたたむだけでスリムな形に戻ります。無駄な力も必要なく、撤収時にバタバタしないのが好印象でした。

天板を外側へ引き出す際、真っすぐ力をかけるとうまく動かず、撤収に少し手間取ってしまいました。やや斜め上方向へ力を加えると、スムーズに外れて素早く畳むことができそうです。
ソロにちょうどいいミニマルな天板

天板は必要最低限ですが、コーヒーやカップラーメン、クッカー調理をソロで楽しむには十分な広さ。実際に湯を沸かしながらカップ麺を置いてみても窮屈さはなく、ちょっとした“自分だけのキッチン”感があっていい感じでした!
ライター 橋爪
特に便利だと感じたのがテント泊。前室で調理していると前屈みになりがちですが、テーブルがあると姿勢がラクになり、過ごしやすさがぐっと上がると感じました。
耐荷重2kgで安心の強度

耐荷重は2kg。2Lの水を入れたプラティパスがおおよそ2kgだと考えると、よほど重いものを置かない限り、荷重オーバーになることはないでしょう。
軽量ですが、アルミ合金のしっかりした天板なので、軽さゆえの壊れやすい感じはなし。熱いクッカーをおいても焦げ跡が残ることはありませんし、キッチンスペースとしても活用しやすいかと思います。
ライター 橋爪
見た目以上にタフな印象。テーブルの横でストーブを焚いていても、熱を帯びたり、変形するような様子もありませんでした。
サッと洗えてメンテナンスも簡単

アルミや樹脂素材なので、汚れてもサッと拭き取れるのが便利。食べ物のベタつきも、下山後に水で流せば簡単に落ちました。脚まわりに砂や土が詰まることもほとんどなく、水洗いだけでしっかり汚れが落ちる扱いやすさも好印象です。
単体での使用、大容量のCB缶でも活躍!

SOTOのストーブ「トライトレイル」やCB缶「CB タフ 125」と相性の良いトレイルテーブルですが、もちろん単体でも軽量コンパクトで使い勝手の良い製品だと感じます!
また一般的な220gのCB缶でも、問題なくテーブルの下に収めることができます。いろんなアイテムと一緒に使ってみるのも面白そうですね。
トレイルテーブルで山の食事をもっと

ギア心を刺激するデザインと合体ギミックが印象的なSOTOのトレイルテーブル。見た目の面白さだけでなく、軽さ・収納性・耐久性のバランスも優秀で、山での食事時間を確実に快適にしてくれるアイテムでした。
単体でも十分使えますが、ストーブやボンベと組み合わせることで性能が一段と引き立つ“山仕様”のテーブル。ミニマム装備派であっても持ち歩きたくなる、頼もしい相棒になるはずです。
登場した商品はこちら
SOTO トレイルテーブル
| 製品サイズ | 幅177×奥行130×高さ80mm(使用時) 幅55×奥行130×高さ86mm(収納時) |
|---|---|
| 重量 | 135g(本体のみ) |
| 材質 | アルミニウム合金、ナイロン樹脂 |
| 対荷重 | 2kg |
SOTO トライトレイル
| 製品サイズ | 幅138×奥行156×高さ111mm (使用時・本体のみ) 幅112×奥行 47×高さ113mm (収納時) |
|---|---|
| 重量 | 135g(本体のみ) |
| 材質 | バーナー/器具栓つまみ/点火レバー:ステンレス ゴトク:チタン ボンベホルダー/点火スイッチ:樹脂 収納ポーチ:タイベック |
| 耐荷重 | 2kg |
SOTO CB TOUGH 125
| 製品サイズ | 直径65×高さ120mm(キャップ含む) |
|---|---|
| 重量 | 約220g |
| 材質 | 125g |
SOTO チタンポット750
| 製品サイズ | ポット/直径101×高さ120mm リッド/直径101×高さ7mm リフター/幅29×奥行108×高さ70mm |
|---|---|
| 重量 | ポット/60g リッド/15g リフター/20g |
| 容量 | 750ml(満水容量:約800ml) |
