みんな大好き“チタンクッカー”のNEWアイテム

ガスバーナーでおなじみ<SOTO(ソト)>から、2023年に従来の常識を覆すチタンクッカーがリリースされました。それが「チタンポット750」と「チタンポット1100」です。
チタン製品は軽いことで有名ですが、同時に高価なことでも知られています。しかし、チタンポットは十分軽いのに、値段が驚くほど手頃なんです。
気になる重さと値段は以下のとおり。
チタンポット750/総重量95g/6,050円(税込)
チタンポット1100/総重量112g/6,600円(税込)
1万円を越えるアイテムも珍しくないなか、6,000円代とは破格の値段。メーカーの開発担当者さんに伺ったところ、驚異の値段は企業努力につきるそうです。
とはいえ、単なる安物?? と疑いたくなるのも事実。ただし実物を手にとってみると、フタや本体にゆがみなどは見当たらず、かなり精巧に作られていることがわかります。
おひとり様向けクッカー「チタンポット750」

それでは実物を、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。まずはチタンポット750。こちらはソロでの使用を意識した大きさで、形状は深型です。
内側には調理に役立つ目盛りつき

内側には下から、「200」「300」「500」の目盛りつき。水の量を量ることができ、調理のときに便利です。
グループ登山に持っていきたい「チタンクッカー1100」

チタンポット750がひとり向けなら、チタンポット1100は複数人向け。大容量で鍋料理にも対応する浅型のクッカーです。
目盛りの刻印は2つ追加

チタンポット1100になると、目盛りに「800」と「1000」の刻印が加わります。こちらも水の量を量ることが可能です。
リッドと持ち運び用のリフターが付属

チタンポットには、リッド(蓋)とリフター(鍋つかみ)が付属します。リッドは本体に被せる仕様。中心のつまみは調理中に熱くなる場合があるので、ハンカチなどの上から扱うのがおすすめです。
リフターは軽いアルミ製

チタンポットは、よく見るとハンドルが取り付けられていません。その代わりに、アルミ製の軽量なリフターを使って持ち運びます。
理由は、調理後にハンドルが熱くなって持てなくなるといったトラブルを防ぐため。さらに、ハンドルと本体を別々にすることで洗いやすいという利点も備えています。
ちなみに、冒頭で紹介したそれぞれの総重量は、リフターの重さも含めた数値。仮にリフターを使わないと、チタンポット750は75g、チタンポット1100は92gとなり、一層軽さが際立ちます。
ポットの縁を掴んでがっちりホールド

こちらのリフター、見た目は簡素な作りですが、ホールド感はばっちり。水を入れて持ち上げてみても接続部がぐらつく様子はなく、しっかり持ち運ぶことができました。
また、本体のリッドにはリフターとの干渉を防ぐ切れ込みがあるので、写真のようにフタをしたままポットをつかむことも可能です。
収納性や炊飯との相性を試してみた!

ディテールを確かめたところで、今度は使用感を試します。沸騰時間などはバーナーの性能に左右されるので、今回はあえてテストせず、代わりに以下の4項目を調べてみました。
【1】 バーナーの収納性
【2】 ガスカートリッジの収納性
【3】 ラーメンやパスタとの相性
【4】 お米は炊けるのか?
それぞれどのような結果になったかレポートします!
テスト1|バーナーの収納性

ユーザーのなかには、バーナーをクッカーの中に入れて持ち運ぶ人も多いはず。そんなバーナーの収納性を試すために選んだのは、筆者が普段から愛用している「マイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek」。やや大きい分離式のバーナーです。
結果は予想どおり、チタンポット1100に軍配

チタンポット750にマイクロレギュレーターストーブ FUSION Trekを入れてみると、足がはみ出してしまいました。直結型のバーナーであれば、はみ出ずにきれいに収まりそうですが、少し大きなバーナーの収納は得意でない模様。

一方、チタンポット1100は写真のとおり、大きなマイクロレギュレーターストーブ FUSION Trekもすっぽりと収まりました。食材を一緒に収納できるくらいの余裕もあり、この収納力は魅力的。
テスト2|ガスカートリッジの収納性

次に試したのは、ガスカートリッジの収納性について。バーナーと同じく、ガスカートリッジもクッカーに入れて持ち運ぶ人が多いアイテムではないでしょうか。ここでは、SOTOの「パワーガス105トリプルミックス」を中に入れてチェックします。
シンデレラフィットはチタンポット750

チタンポット750に入れてみるとご覧のとおり、隙間なくピッタリと収まりました。これぞまさにシンデレラフィット。上部にはまだ余裕があるので、直結型の小さなバーナーも一緒に収納できそうです。

チタンポット1100にもパワーガス105トリプルミックスは入るのですが、隙間ができてしまい、このままでは行動中にカラカラ音が鳴ってうるさそう。スタッキングの工夫をするか、いっそ別々にパッキングするのが良さそうです。
テスト3|ラーメンやパスタとの相性

続いてテストしたのは、袋麺やパスタとの相性について。作りやすさなどを検証してみます。
ラーメンを作るならチタンポット1100一択?

まずは袋麺から。こちらは試すまでもなく、チタンポット750には袋麺を入れることができませんでした。調理するには麺を半分に折るなど工夫が必要です。

一方、チタンポット1100は袋麺がピッタリ入る大きさ。まだ余裕があるので、2人分も同時に調理できそうです。
パスタならどちらもで調理可能
では、パスタはどうか試してみると、これはどちらも収まりが良く、調理にも不都合はなさそう。用意したのがサラダ用のショートパスタだったということもありますが、一般的な長いパスタも半分に折れば問題なし。強いて言えば、チタンポット1100のほうが少ない量のお湯で茹でることができるかもしれません。
テスト4|お米は炊けるのか?

最後に試したのは、生米から炊飯できるかどうか。そもそも「チタンクッカーでお米は炊けない!」と指摘されるかもしれませんが、それは迷信。チタンクッカーでも水の量と火加減さえしっかり見ておけば、お米を炊くことは可能です。
チタンクッカー750はふっくら美味しいご飯が炊けた!
今回炊いてみたのは、それぞれ1合。チタンクッカー750はご覧のとおり、見事に炊飯できました。スポークですくって食べてみると、芯もなく、噛むほどに口の中に甘みが広がり、ついつい口角が上がってしまいます。あとでふりかけをかけて美味しくいただきました。
チタンポット1100は残念な結果に……
チタンポット1100も同様にうまく炊けるかなと思ったのですが、結果はご覧のとおり……。芯が残り、底は焦げるという散々な内容になってしまいました。
原因は、底が広いので、熱がまんべんなく行き渡らなかった可能性が考えられます。
そうなると、チタンクッカー1100でお米を炊くのは難しそう。ただ、底の幅が狭いチタンクッカー750であれば、熱の回り具合を気にせずに、普段通り生米から炊飯できる確証を得ることができました。
最後に、こんなところも気に入った!
軽くて値段も比較的安い、チタンクッカー750と1100。荷物の軽量化を意識する人、これからクッカーを選ぶ人など、さまざまなユーザーに刺さるヒット商品になりそうです。
最後に、テストしながらイイね! と思ったポイントを紹介します。
それは、湯切りの良さ!

まるで注ぎ口がついているかのように、液はきれいな直線で注ぐことが可能。さらに、注ぎ終わったあと、液だれも一切なく、作りの良さには目を見張るものがありました。
細かい作り込みは、さすが国内メーカーといったところでしょうか。品質良し値段良しのチタンポット。今年の注目商品になること間違いなしです!
SOTO チタンポット750
本体サイズ | ポット/直径101×高さ120mm リッド/直径101×高さ7mm リフター/幅29×奥行108×高さ70mm |
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重量 | ポット/60g リッド/15g リフター/20g |
総重量 | 95g |
容量 | 750ml |
SOTO チタンポット1100
本体サイズ | ポット/直径156×高さ74mm リッド/直径156×高さ7mm リフター/幅29×奥行108×高さ70mm |
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重量 | ポット/62g リッド/30g リフター/20g |
総重量 | 112g |
容量 | 1100ml |