ベテランから初心者まで!「アミカス」が多くの人に選ばれる理由とは?
信頼のおける日本のバーナーメーカー<SOTO(ソト)>。代表作である「ウインドマスター」を中心に幅広いラインナップが揃うSOTOには、名品バーナーがたくさんあるんです。
その中で、今回はシングルバーナー「アミカス」に注目!
まずは、手に取りやすい価格でエントリーモデル的存在である「アミカス」と、最上位モデルの「ウインドマスター」では一体何が違うのか、表にまとめてみました。早速、チェックしてみましょう。
機能性の良さとコスパのバランスが絶妙
商品名 | アミカス SOD-320 | ウインドマスター SOD-310 |
ゴトク本数 | 4本 | 標準3本 |
使用時本体サイズ (幅×奥行×高さ) | 76×100×86mm | 90×117×100mm (バーナー+ゴトク使用時) |
収納時サイズ (幅×奥行×高さ) | 40×43×75mm | 47×51×88mm (本体のみ収納時) 94×10×35mm (ゴトクのみ収納時) |
ゴトク径 | 106mm | 100mm |
本体重量 | 81g | 67g (本体+ゴトク) |
発熱量 | 2,600kcal/h | 2,800kcal/h |
使用時間 | 約0.7時間 (SOD-710T 使用時) | 約0.68時間 (SOD-710T 使用時) |
マイクロレギュレーター※ | 無し | 有り |
適合ボンベ (OD缶) | SOTOパワーガス トリプルミックス (SOD-710T/SOD-725T/SOD-750T) | |
価格 | 税込5,280円 | 税込8,140円 |
表の通り、アミカスはマイクロレギュレーター非搭載のため、雪山など寒冷地での使用はウインドマスターの方が適しています。しかし、それ以外は遜色のない機能を備えているばかりか、優れている点も多くあります。
ゴトクに関しては、ウインドマスターは標準では小型3本であるのに対し、アミカスは標準4本です。収納サイズもアミカスの方がコンパクト。価格も手頃です。
つまり、アミカスは機能とコスパのバランスに優れていると言えますね。
とにかくコンパクト!実物を手にして感じた「アミカス」3つの特徴
収納袋付きで販売されている「アミカス」。まずは細部をじっくりと見ていきましょう。
①軽量&コンパクト
メーカー公表の重量は81gですが、実測で79gでした。なにより驚いたのは、そのコンパクトさ。
本体のサイズは実測で75mmなのですが、小さいOD缶(110サイズ)がちょうど入るクッカー(直径105mm)に収納してみると…横に倒して収納できました。斜めではなく横に倒して入るので、クッカー上部にはコーヒーなどが収まりそうな空間ができています。
登山で使う場合、携行性の良さは重要ですがアミカスはその点かなり優秀です。
②4本ゴトクで安定性◎
1〜2人用のクッカーなら問題なく置けそうな4本ゴトク。試しに直径約150mmのクッカーを置いてみたところ、安定感はバッチリ。
なお、ゴトクの各足自身は、スプリング式のフックで引っかける仕組み。直感的にセットでき、さらにセッティング状態から簡単には外れないようになっているので安心して使用できそうです。
③風に強い燃焼構造で信頼感アリ
バーナーヘッドのフチが立ち上がり、内部がすり鉢状にカーブしていることで、炎が中央に集まる構造。また、フチの高さより低い風は下側に流れ、炎が出る部分には直接風があたりにくくなっています。
その結果、風にあおられにくく、燃焼効率も良くなると考えられます。
山で実際に使ってみたらめちゃくちゃ良かった。
今回は、アミカスポットコンボとしてセット販売もされている「ニューリバーポットM(SOD-511)」と一緒に、テント泊ソロ山行にて使用。
”携行性”、”耐風性”、”燃焼効率”に着目しながら、標高1830m地点で検証したところ…めちゃくちゃ使いやすいバーナーでした。
それでは、その実力の詳細を見ていきましょう!
◎パッキング簡単!
コンパクトなのでパッキングの際も、苦労することなく簡単に収納できました。
特に、今回使用した「ニューリバーポットM」とはセット販売もされているだけあって相性は抜群。写真の通り、アミカスとOD缶だけでなくコーヒーやお汁粉、スポークにコップまで一緒に入りスッキリ!
ニューリバーポットMのスペック
◎セッティングが超簡単!シンプル構造がありがたい
まずは、可動式のゴトクをセットします。フックにフック穴をかける仕組みとなっているので、持ち上げて引っ掛けるだけでOK。
続いて、ボンベの結合部分にバーナーの付け根をくるくると回してはめ込みます。しっかりと締まっているのが確認できたら完成。
最後に、器具栓つまみをまわして点火スイッチをカチッと押せば点火します。
点火まで簡単な手順でできるので、初めてバーナーを使用する人でも直感的に使えるシンプル構造が秀逸です。
器具栓つまみの根本に「+」「−」の表記があり、まわす方向がわかりやすく親切だなぁと感じました。弱火にしたいのに回す方向がわからなくなって強火になった、なんてことがよくあるので…。
◎安定してお湯を沸かせる
気になる火力をチェックするため、お湯が沸くまでの時間を計測。火力は全て、器具栓つまみを1回転半回させた火力(ポットの径から炎がはみ出さない程度)としました。
まずは、一般的なカップラーメンや袋麺を作る際に必要な400mlを沸かしてみました。気温21℃、風もなくバーナーの火力は安定している状況で、かかった時間は10分07秒。
続いて、コーヒー1杯分に必要な200ml。こちらは3分58秒で沸騰。冷たい山の湧き水を利用したことを考えると、随分と速い印象です。
常温のペットボトルの水(約24℃)を沸かした場合の時間が気になったので、別日に200mlを沸かしてみました。結果は1分50秒…あっという間に沸騰です。速い!!
▼沸騰タイム計測結果表
水量 | 400ml | 200ml | ||
気温 | 約21℃ | 約12℃ | 約24℃ | |
風の有無 | 無し | 無し | 有り | 無し |
水温 | 推定15℃前後 (山の湧き水) | 24℃ (常温のペットボトル水) | ||
沸騰までの時間 | 10分07秒 | 3分58秒 | 6分42秒 | 1分50秒 |
○4本ゴトクは安定感抜群!ソロ〜2人用なら調理もいける
先ほど沸かした200mlのお湯を利用して、1人分の餅入り豆乳鍋を作りました。肉や野菜などの材料を入れたり、豆乳を混ぜたりと頻繁にクッカーを触りましたが、安定していて倒れる心配なし。弱火に調整し、数分煮込みましたが焦げ付くことなく完成。
風の有無に左右されず、弱火〜強火まで火力調整できるので、お湯を沸かすだけでなく鍋などの調理にもぴったりなのではないかと感じました。
最後に、注意したいこと2点
【①使用するクッカーのサイズに注意】
山行で使用したクッカーのサイズでは安定感がありましたが、大きいサイズのクッカーになるとやや不安定に。試した結果、直径15cm程度までが安定して使用できそうだなと感じました。
【②OD缶の準備を忘れずに】
アミカスに使用するSOTOのガス缶(OD缶)は、地方やキャンプ場では手に入りにくい場合があります。メーカーのオンラインショップやECサイトなどでは広く取り扱っているので、事前に用意して行くことをおすすめします。
なお、他メーカーのOD缶を使用すると、本来のスペック通りの火力にならなかったり、火がうまく付かなかったりする可能性があります。使用の際は必ずSOTO製のOD缶を使用しましょう。
シンプル&コンパクトさを求める登山者のためのストーブです
アミカスはコンパクトながら風に強く、火力も十分。その上、使いやすい構造でセッティングも片付けもスピーディー。だから、山行中に煩わしい思いをすることなくあたたかい飲み物を飲んだり調理したりできます。
性能のバランスやコスパに優れているので、初めてシングルバーナーを買う人はもちろんベテランハイカーも満足のいく1台。厳冬期の低温環境で使用する予定がなければ、全ての登山者におすすめしたいバーナーです。
今回検証で使用した「アミカスポットコンボ」の詳細情報はこちら▼
<SOTO>アミカスポットコンボ 詳細情報
SOTO アミカス SOD-320
■重量:81g
■出力:3.0kW/2,600kcal/h(SOD-725T使用時)
SOTO アミカスポットコンボ
■重量:81g
■出力:3.0kW/2,600kcal/h(SOD-725T 使用時)
■ポット外形寸法:直径120×高さ130mm
■ポット総重量:141g