テントは飛ぶ。風対策していますか?

出典:PIXTA
山岳テントを張る場合、気を付けなければならないのが「風」です。特に、山の稜線上でのテント設営は、気を抜いているとすぐにテントや収納袋が飛ばされてしまいます。また、設営してからもしっかり固定していないとテントごと飛ばされたり、強風でフレームが折れてしまったりする場合もあるのです。
そこで今回は、テント設営時の「風」対策をご紹介します。
風によって起こる主な2つのテントの破損例
①強風でフレームが折れたりゆがんだりする

山々を縦走している時などは、残念ながら悪天候に遭遇することもしばしば。特に夏の台風や強風時は、テントを激しく揺さぶられ、フレームが折れたり、ゆがんだりすることもあります。
②テントが風でひきずられ、底が破れる

テントをしっかり固定していないと、風でテントが引きずられ底が破れたり、固定が不十分だとフライなどがバタバタして破れたりすることもあります。
テントの固定5つの基本
①風の向きに注意!テントの入口は、風下で

テントを張り終えてからの入口の向きは、風下側にむけます。もし、風上に入口を向けると、風がテント内に入り込み、テントが舞い上がってしまうのです。
また、強風時のテント設営は飛ばされる恐れがあるので、あらかじめテント内にザックを入れたり、ペグで先に2か所ほど固定して設営することもあります。
②テントの固定は、地面側から!

出典:PIXTA
テントの固定は、まず四隅の地面に近い部分からペグで固定していきます。高い位置から押さえつけるように固定すると、フレームに余計な力が加わり、ゆかんだり破損したりしてしまいます。
③張り綱は地面に固定!地面より高い位置は避けて

ダブルウォールのテントの場合、フライシートをかぶせて、テント本体についている張綱をフライシートにある通し穴から外に出してペグダウンします。その時、木の枝など高い位置に結び付けるとテントの破損の原因になるので、必ず地面に近い低い位置で固定することが大切です。
④フレームの延長線上にペグダウン

出典:PIXTA
張綱は、各フレームの延長線上に伸ばして、ペグダウンします。その際、張綱をピンと張り、たるみのないように調整しましょう。
張綱を適当な向きに張ってしまうと、フレ―ムが折れてしまうことも!
⑤ペグの角度は60~90度

出典:PIXTA
ペグを地面に固定する時は、角度を60~90度にすると抜けにくくなり風にあおられても飛ばされません。
注意する点は、ペグの向きがテント側に倒れていると簡単に抜けてしまうということ。また、ペグダウンした地面が柔らかかったり、大雨の場合は地面がゆるんで抜けてしまう場合があるので気をつけましょう。
ペグが打てない環境での2つの応急処置
①張り綱を通したペグを横にして、石で固定

山では、ペグを打てない場面も。そんな時は、ペグと石を使った固定方法があります。
まず、張綱を通したペグを横にして地面に置き、その上に石をのせて固定するという方法です。
②大きな石があれば、直接張り網を結ぶことも

テント泊したことがある登山者の中には、直接大きな石を使うという人も多いのでは。主要山岳エリアのキャンプ指定地では、テントを固定する石が転がっている場合が多いので、直接張綱を石にくくりつけて固定します。大きな石がない場合は、石をいくつか積み重ねて固定しましょう。
「風」に気を付けてテントを張ろう

出典:PIXTA
山でのテント泊は、とても楽しいものですが、悪天候の時は注意が必要です。特に、風が強い場合は、テントがあおられたり飛ばされたりすることもあるので、しっかりと固定してテントの破損を防ぐことが大切。風に気をつけて快適なテント泊を満喫しましょう!