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ヒートテック

『ヒートテックでOK?』と聞かれた時に、登山では使わないよう説明する方法

寒い時期の定番インナーウェアであるヒートテック。

登山にあまり行かない初心者は、秋冬の山に行く時にいつも着ている安心感から、登山でも着用しています。

しかし街では重宝するヒートテックも、たくさん汗をかく登山では相性があまり良くありません。そのため、汗冷えの原因になって体調を崩してしまうことも。今回は「なぜ登山の時は、ヒートテックを着用しないほうが良いのか」を、実際に山で着用した感想もふまえながら、見ていきます。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

登山の時のインナーにヒートテックは止めましょう!

ヒートテック 登山 禁止

出典:PIXTA

秋冬の防寒インナーとして人気のユニクロ「ヒートテック」。秋冬に普段登山をしない人と山へ行く際、「寒そうだからヒートテックを着ていくね!」と言われた経験がある人もいるのではないでしょうか。

実はYAMA HACK編集部では過去に、「ヒートテックは山でも使える」という内容の記事を公開していました(現在は削除済み)。

普段使いでは優秀なアイテムであることは確かです。しかし現在、YAMA HACKでは登山のインナーとしてヒートテックの着用は避けてほしいと考えています。

そうした過去の経緯もふまえつつ、ヒートテックが登山でおすすめできない理由を検証・解説します。

「持っているもので済ませたい」

ヒートテック

撮影:YAMA HACK編集部

秋冬の山では、保温性の高いウール素材や、速乾性に優れたインナーを着用するのが一般的です。

一方、あまり登山をしない初心者の中には、登山用インナーを持っていない人も少なくありません。「手持ちのもので済ませたい」「暖かいウェアといえばヒートテック」といった理由から、登山でもヒートテックを選んでしまいがちです。

「普段使っているもののほうが安心」という気持ちは理解できますが、街と山とでは環境が大きく異なります。同じ感覚で通用しないのが、登山の難しいところです。

なんで登山では着ない方がいいの?

登山 ヒートテック 疑問に思う人

出典:PIXTA

ヒートテックは登山で使用するには乾きにくく、汗で体が冷えてしまう可能性が大きいのです。

ヒートテックには暖かさを生み出すために、「レーヨン」という繊維を使用。しかし、レーヨンは濡れると乾きにくい繊維でもあります。肌に直接触れるインナーが濡れていると、特に秋冬の山では濡れた部分から体が冷えてしまう危険が。

体が冷えると体調を崩してしまうだけでなく、最悪の場合、低体温症になってしまうこともあるため注意が必要です。


しかし、「どれほど危険なのか」は、なかなかイメージしにくいものです。そこで編集部員が実際にヒートテックを着用し、登山で検証してみました。

【検証】ヒートテックで登山に行ってみた

筑波山

出典:ヤマプラ

今回の検証場所は、登山初心者でも楽しめる茨城県・筑波山。12月中旬に訪れたため、山頂の気温は約1℃と、厳しい寒さの中での検証となりました(2018年に実施)。

コースは御幸ヶ原コースを選択。ヤマプラでの目安コースタイムは約120分です。

着替え用のインナーや防寒ウェアを用意するなど、安全面に配慮したうえで実施。実際に山でヒートテックを着用し、感じたことをまとめました。

《1》汗をかき始めると一気に温まる

ヒートテック 登山

撮影:YAMA HACK編集部

汗をかきすぎないよう、標準コースタイムを意識しながら、ゆっくりと登りました。

それでも登りでは、次第にじんわりと汗をかき始めます。汗が出るまでには少し時間がかかりましたが、体が温まり始めると、ヒートテックが発熱したのか、急に体が温められたように感じました

その後は発汗量がさらに増え、特に背中や脇には多くの汗が。風が吹くたびに、かなりの寒さを感じました。

《2》ベストなウェアの重ね着がわからなかった

ウェアを着る

撮影:YAMA HACK編集部

風で汗が冷やされているのを感じたため、風よけとしてウェアを着用しました。「これで汗冷えは防げるだろう」と思ったのですが、ここで別の問題が発生します。ウェアを一枚重ねたことで、先ほど以上に暑くなり、発汗量が増えてしまったのです。

さらに風が当たらなくなった影響か、ヒートテックの濡れを強く感じるようになりました。濡れた生地が肌にベタッとまとわりつく感覚で、普段着ている登山用インナー(モンベルのジオライン)が汗で濡れたときとは明らかに別物。この感覚が想像以上に冷たく、不快でした。

《3》初心者だとなおさら汗をかきやすそう

ヒートテック

撮影:YAMA HACK編集部

もちろん、汗のかき方には個人差があります。ただ、レイヤリング(ウェアの重ね着)の考え方に慣れていない初心者の場合、「ダウンを着たまま登る」「多少暑くてもウェアを脱がない」といった行動をしてしまいがちです。

その結果、行動中は汗をかいても寒さを感じにくくても、休憩で立ち止まったときや風を受けた瞬間に、一気に冷えを感じることがあります。

薄着では外から寒さを感じ、ウェアを重ねれば内側の濡れで冷える。ウェア調整が非常に難しく、歩行ペースで発汗量を細かくコントロールするのも、初心者には現実的とは言えませんでした。

【まとめ】
・ゆっくり歩いても汗はかく。汗をかき始めるとウェアがどんどん発熱して暑くなっていった
・薄着だと外からの風で汗が冷える。ウェアを着ると、内側にかいた汗が濡れて冷たく不快
・快適に歩くにはペースやウェアの調整が細かく必要で、正直めんどうに思えた

 

今回、初めて登山でヒートテックを着用しましたが、街で感じるような「暖かさによる安心感」は得られませんでした。

登山のように動き続けて汗をかく場面では、運動による発熱にヒートテックの発熱が重なり、必要以上に暑くなります。その結果、汗で濡れた生地が冷え、かえって不快に感じてしまうようです。

なんで暖かくなる素材が冷たく感じたの?

疑問

出典:PIXTA

ヒートテックは「暖かさ」を売りにしたインナーウェアです。検証中も、登り始めは確かにその暖かさを感じていました。では、なぜ途中から冷たく感じるようになったのでしょうか。

【1】水分が熱を生み出す仕組み
【2】暖かさを感じる流れ
【3】冷えた原因

の3ステップで考えてみましょう。

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