そもそも”汗冷え”って何?
登山では長時間歩き続けるため、大量の汗をかきます。 最初は風を心地良く感じていたのに急激に冷えて寒さで震えた、なんて経験はありませんか?今回はそんな”汗冷え”についてその危険性と対策を見ていきます。
汗冷えのメカニズム
水分(汗)は、空気に比べ熱伝導率が高くなっており、熱は温度が高い方から低い方へと移動します。 つまり、汗で濡れることによって体温が奪われてしまうのです。 また、濡れた衣服は乾く時に、気化熱として体温を奪っていくため、これも体温低下につながります。
汗冷えが命の危険につながることも
汗で濡れた体は稜線上で強風に晒されたり、急な天候悪化で気温が下がると、急速に体温を失って、低体温症などの危険にさらされます。
▼身体への影響
身体が冷えて、筋肉や関節が思うように動かせなくなると、転倒・滑落などの怪我・事故につながる可能性があります。また、腹痛や風邪などの様々な体調不良につながるため注意が必要です。
▼思考力、判断力への影響
汗冷えは、最悪の場合は低体温症につながります。 低体温症が重傷になると意識がもうろうとして判断力が低下し、
汗をかきやすい”夏”は特に注意が必要!
汗冷えは、冬などの寒い季節をイメージしますが実は年中注意が必要で、特に夏は気温が高く汗をかきやすいため、その危険にさらされやすくなります。例えば、行動中に大量の汗をかき、休憩時で止まった時に風で急激に冷えてしまった、というのは良くある話です。
汗冷え対策は”インナー選び”が重要
快適な登山を楽しむためには、汗冷え対策は重要です。 山の難易度や季節、天気など条件は様々ありますが、対策の基本をおさえて汗冷えの不安をなくしましょう!
「肌を濡らさない」が汗冷え対策のキーワード
汗冷え対策には「肌を濡らさないこと」が大切です。そのために登山用のインナーウェアにはすばやく汗を吸い上げ、乾きやすい素材のものを選びましょう。
▼登山のインナーについて詳しく知りたい方はこちら
速乾性と保温性のバランスが良い登山インナー
ジオライン
軽量で伸縮性にも優れた登山用速乾インナー。保温性もあるので、肌触りも冷たく感じにくく、半袖、Vネック、長袖など種類も豊富で、生地の厚さも3種類から選べる人気モデルです。
■モンベル ジオラインL.W ラウンドネックシャツ(メンズ)
<スペック>
カラー:ブラック、インディゴ、ライトシルバー
サイズ:XS、S、M、L、XL
モンベル ジオラインL.W ラウンドネックシャツ(メンズ)
■モンベル ジオラインL.W ラウンドネックシャツ(レディス)
<スペック>
カラー:ブラック、コーラルピンク、ピンクベージュ
サイズ:S、M、L、XL
モンベル ジオラインL.W ラウンドネックシャツ(レディス)
スーパーメリノウール
ジオラインよりも保温性が高く、ウール使用で防臭性も高いモデル。繊維の表面が肌と水が直接触れ合うのを防ぐので冷たく感じにくくなっています。
■モンベルスーパーメリノウールL.W ラウンドネックシャツ(メンズ)
<スペック>
カラー:ブラック、シルバー
サイズ:XS、S、M、L、XL
モンベルスーパーメリノウールL.W ラウンドネックシャツ(メンズ)
■モンベル スーパーメリノウールL.W ラウンドネックシャツ(レディス)
<スペック>
カラー:ブラック、アイボリー、ターコイズブルー
サイズ:S、M、L、XL
モンベル スーパーメリノウールL.W ラウンドネックシャツ(レディス)
メリノスピンライト
汗が乾きやすいことがもちろん、ストレッチが効いていて動きやすい登山用インナー。別売りのドライレイヤーと一緒に着ることで高い吸湿速乾性を発揮するモデルです。メリノスピンの他にも乾きが早い”ラミースピン”、着心地の良い”シルクスピン”も人気があります。
■ファイントラック メリノスピンライトロングスリーブ (メンズ)
■ファイントラック メリノスピンライトロングスリーブ (レディス)
とことん肌を濡らしたくない人は”ドライインナー”がおすすめ!
スキンメッシュ
生地自体が水を保水しないので、肌から吸い上げた汗を肌に戻さず、ドライな状態を保つインナー。薄くしなやかな着心地で、登山ガイドなど多くの愛用者がいる商品です。
■ファイントラック スキンメッシュT (メンズ)
■ファイントラック スキンメッシュT (レディス)
▼スキンメッシュに関して詳しく知りたい方はこちら
ドライナミックメッシュ
水を吸水しないポリプロピレン主体で作られているため、汗を吸い上げて肌をドライに保ってくれるドライインナーです。さらに、伸縮性の高い素材を採用しているのでストレッチ性があり、着心地も抜群。
■ミレー ドライナミックメッシュ ショートスリーブ(メンズ)
■ミレー ドライナミックメッシュ タンクトップ(レディス)
▼ドライナミックメッシュに関して詳しく知りたい方はこちら
【番外編】インナー以外でできる4つの汗冷え対策
インナー選び以外でもできる、汗冷え対策を紹介します。
①めんどくさがらずに服を着る
風に当たると途端に冷えてしまいます。休憩中などは寒くなる前に着る、行動中には熱くなったらすぐに脱ぐ、というように面倒くさがらずに小まめに服の着脱を行って体温調整を行いましょう。
▼レイヤリングを行い、快適に登山を楽しみましょう
②歩くスピードをゆっくりにする
ゆっくり歩く事で運動強度が落ち、発汗量を抑える事ができます。ただし、登山計画からあまり遅くなりすぎないように注意が必要です。
③小まめに汗を拭く

汗冷え対策では「肌を濡らさない」ということが重要です。止まった時などに速乾タオルなどで首などのインナー以外の部分の汗を拭くなどして、肌の濡れを最小限に保ちましょう。
④濡れた服を着替える
汗で濡れた服を着替えるのも一つの手です。ただし、周りに人がいる場合は山小屋などひと目につかない場所で着替えるようにしましょう。
もう汗冷えは怖くない!快適に登山楽しもう!
いかがでしたか? 汗冷え対策は非常に重要ながら、そんなに難しいことではありません。 体温や状況に合わせてウェアの着脱を行うことで、身体を冷やすことなく登山を楽しめます。 また、小まめに汗を拭くのなど小さな積み重ねが大切です。楽しく安全な登山ができるように、汗冷え対策をして登山を楽しみましょう!
■記事監修/日本登山医学会認定 国際山岳医 稲田 千秋氏
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