【登山者大好きポーラテック図鑑】欲しい機能がすぐわかる!人気の8素材をまるっと紹介

2021/10/19 更新

「フリース」と聞いて<ポーラテック>を連想する方も多いのではないでしょうか。ポーラテックは約30年前にフリースを開発した立役者であり、今も先端技術を駆使した新素材が続々と誕生しています。今では数百種類ものファブリックがあるポーラテックの中から、今回は登山におすすめの8素材をピックアップ。その特徴や使用されているアイテムをまとめてみました。


アイキャッチ画像作成:橋爪勇志 素材提供:株式会社エスシーティージャパン

アウトドアウェア界を牽引し続ける「ポーラテック」

提供:株式会社エスシーティージャパン
今やファッションアイテムとして誰もが知る「フリース」。この先駆者であり、高機能ファブリック(衣類素材)を製造開発しているのが<POLARTEC(ポーラテック)>です。

ポーラテックの素材は一貫して通気性・保温性・軽量性に優れた特徴があり、アメリカ軍をはじめ世界中のアウトドアメーカーで採用。第一線を走るファブリックメーカーとして、今も進化し続けています。

小さな紡績会社から一大ファブリックメーカーへ

提供:株式会社エスシーティージャパン
そんなポーラテックの歴史は100年以上前にも及びます。
1906年、マサチューセッツ州郊外の小さな紡績会社からはじまったポーラテック社(モールデン・ミルズ社)。元々は軍用ウールコートや家具用ファブリックなどの製造が主でしたが、1970年代頃から外で使用するポリエステル繊維の開発に力を注いできました。

撮影:PONCHO
その質の高いポリエステル繊維に目をつけたのが、パタゴニア創業者イヴォン・シュイナード氏。両社による共同開発がスタートし、1985年に誕生したのがフリースの元祖「シンチラ・フリース」です。

そして、ポーラテックはスポーツ・アウトドア業界へと市場を伸ばし、その名が広く知れ渡ることとなります。

フリースだけじゃない!ポーラテックは”500種以上”もの素材があるんです!

提供:株式会社エスシーティージャパン
現在ではフリース素材だけでなく、ベースレイヤーからアウターレイヤー、インサレーションなど、幅広いファブリックを開発しているポーラテック。その数は細かいものを合わせると500種以上にも及び、毎年新たな素材も誕生しています。

そんな数あるファブリックの中から、登山・アウトドアで人気の8素材をピックアップ。その特徴や用途、使用されているアイテムをまとめてみました!

▼ポーラテック・ファブリック一覧▼
クリックするとその項目へジャンプできます。
ベースレイヤー・ミドルレイヤー
1. ポーラテック・パワードライ
2. ポーラテック・パワーグリッド
3. ポーラテック・パワーストレッチ プロ
4. ポーラテック・パワーウール
インサレーション
5. ポーラテック・アルファ
6. ポーラテック・クラシック
7. ポーラテック・ウィンドプロ
ウェザープロテクション
8. ポーラテック・ウィンドブロック

同じ素材でもメーカーによって機能は多種多様

ひとつの素材でもそれを扱うメーカーのコンセプトによって機能は変わってきます。
言うなれば、ファブリックは調理される前の食材のようなもので、料理の仕方によって味も違いますよね。

今回ご紹介するのは各素材の基本的な特徴。気になるウェアにポーラテックが使われていたときに「こんな特徴があるんだな」という参考にしてもらえると嬉しいです。

それでは、ポーラテック図鑑のスタートです!

1.ポーラテック・パワードライ|持続するドライな着心地



提供:株式会社エスシーティージャパン
「汗の不快感がとにかく気になる」そんな方におすすめするのが、ポーラテックの代表的ベースレイヤー『パワードライ』です。特徴は素早い吸水速乾性と高い通気性。これにより、体をつねにドライな状態に保ちます。

軽量で適度に保温性も備え、100%ポリエステルのやわらかい着心地も魅力です!

パワードライのテクノロジーは?

パワードライのテクノロジー
作成:橋爪勇志
パワードライは、生地の両面に特性の異なる2つの網み糸を用いた二重構造のポリエステルニット素材により構成されています。

毛細血管現象の原理を利用して素早く吸汗。水分は生地の表面へと伝わっていき、素早い乾燥を促します。
おすすめポイント
吸水速乾性と通気性により、長時間でも肌面をドライな状態に保持します。主にベースレイヤーとして、登山だけでなくあらゆるスポーツに最適。

こんなアイテムで採用されています!

▼ホグロフス|パワードライ ティー ロングスリーブ▼
提供:ホグロフス
日本限定発売のパワードライ採用ハイブリッドTシャツ。肩部分に摩擦に強い布帛素材を使用し、ザックの擦れによるダメージをガード。インナーから一枚での着用まで、幅広い用途で活躍します。

ホグロフス パワードライ・ティー・ロングスリーブ

2.ポーラテック・パワーグリッド|保温と通気を両立

撮影:橋爪勇志
『パワーグリッド』はテクニカルフリースの代名詞とも言える人気素材。適度な保温性を持ちながらも通気性と吸水速乾性を備え、冬山などの行動着として活躍します。

メーカーによってグリッドの深さもさまざまで、コンセプトに応じて保温と通気のバランスが調節可能。

パワーグリッドのテクノロジーは?

パワーグリッドのテクノロジー
作成:橋爪勇志
凸凹になった格子パネルにより、保温性と通気性を両立します。肌に隣接する凸部分が吸汗して外へと拡散。凹状のラインが空気の層を作り、止まっている時には温かさを、動いている時には通気性を生み出します
おすすめポイント
グリッド構造により”停止時は温かく行動時はムレない”という理想的な機能を実現。これにより、気温の低い季節のストップ&ゴーによる無駄な着脱を減らし、少ないレイヤーでの行動を可能にします。

こんなアイテムで採用されています!

▼パタゴニア|R1シリーズ▼
撮影:橋爪勇志
絶大な人気を誇るパタゴニアのテクニカルフリース。寒い季節の行動着としてはもちろんのこと、夏山から冬のインナーまで、幅広く活躍するアイテムです。

▼マウンテンハードウェア|マウンテングリッドジャケット▼
提供:マウンテンハードウェア
薄手のフルジップフリースジャケット。グリッド構造により適度な保温性と通気性を両立。夏山の行動着や冬山のミッドレイヤーとして、全シーズンで使えるオールラウンドなウェアです。
※8月以降発売予定

3.ポーラテック・パワーストレッチプロ|どこまでも伸びて体に追従

撮影:橋爪勇志
驚異的なストレッチ性とやわらかな肌触りが持ち味の『パワーストレッチプロ』。そのストレッチは引っ張ればどこまでも伸び続けるほどで、登山のあらゆる動きにウェアが追従します。

行動着に必要とされる「通気性」「速乾性」も兼ね備えた、ソフトな着心地のフリース素材です。

パワーストレッチプロのテクノロジーは?

パワーストレッチのテクノロジー-
作成:橋爪勇志
あらゆる方向にどこまでも伸びる「4方向ストレッチ」を搭載。形状保持機能により、すぐに元の形状へと回復します。
表面は耐久性に優れ、裏面はソフトな着心地の良さと素早い吸水拡散性が特徴です。
おすすめポイント
圧倒的なストレッチ性により、クライミングなどの腕の曲げ伸ばしが多い動き、体の動きが激しいスポーツなどに最適です。

こんなアイテムで採用されています!

▼フーディニ|アウトライト フーディ▼
スウェーデン発のアウトドアブランド「フーディニ」の、パワーストレッチプロを全面に採用したフリース。驚くほどの伸縮性と、耐久性・透湿性を備え、魔法のような着心地を実現します。あらゆるシーズンで活躍する一着です。
フーディニ アウトライト フーディ

▼マウンテンハードウェア|ポーラテック パワーストレッチ M FZ▼
マウンテンハードウェアのパワーストレッチMFZ
提供:マウンテンハードウェア
優れた伸縮性をもつフルジップタイプのフリースジャケット。登山をサポートする動きやすさと素早い吸水拡散により、秋山のアウターや冬山のミッドレイヤーとしても活躍します。袖はかさばりを押さえたサムホール付き。
※8月以降発売予定

4.ポーラテック・パワーウール|化繊とウールのいいとこ取り!

提供:株式会社エスシーティージャパン
『パワーウール』は「ウール」と「ポリエステル」を配合したハイブリッド素材。ウールには汗冷えがしにくく保温と防臭効果の特徴があり、速乾性と耐久性に優れたポリエステルと組み合わさることで、両者の特性を保持。

2種の異なる素材をいいとこ取りした、理想的な次世代ファブリックです。

パワーウール・ファブリックの特徴は?

パワーウールのテクノロジー
作成:橋爪勇志
表面にポリエステル、裏面には極細のウールをグリッド状に配置。グリッド構造が素早い吸汗を可能にし、速乾性の高いポリエステルへと流れていくことで、スムーズな拡散を可能にします。

またウール単体ではメンテナンスが難しいデメリットもありますが、ハイブリッドにすることでこの欠点をカバー。化繊ウェアと同様に、自宅で気軽に洗濯できます。
おすすめポイント
汗冷えしにくく保温性のあるウールと、速乾・耐久性に優れたポリエステルのメリットを持った配合素材。ウールの防臭効果により、長期山行や季節を問わず着ることができます。ウール100%に比べて手入れが簡単なのも◎

こんなアイテムで採用されています!

▼ホグロフス|パワーウール マルチフリース プルオーバー▼
提供:ホグロフス
パワーウール採用のフーディプルオーバー。裏面をボーダー状に凸凹させることで空気の層を作り出し、行動時のオーナーヒートを防ぎます。フード部分は、バラクラバ、ハイネック、クルーネックなどの着回しができる仕様。

ホグロフス/パワーウール マルチ フリース プルオーバー

5.ポーラテック・アルファ|アクティブに使える保温素材



提供:株式会社エスシーティージャパン
「冬山のレイヤリングを快適にしたい」そんな要望に応えるのが『アルファ』。保温性と通気性・蒸れを逃がす機能を備えた中綿素材で、ほどよい温かさとムレにくい快適感が持続しアクティブインサレーションとして活躍します。

また、保温力はダウンに劣るものの、ダウンのように濡れによる機能低下が少なくメンテナンスも容易。ガシガシ使えて、汚れたら洗濯機で洗えるのもポイントです。

アルファ・ファブリックのテクノロジーは?

アルファのテクノロジー
作成:橋爪勇志
アルファの正体は毛足を短く揃えた極薄のフリース繊維。適度な保温力を持ちながらも、空気が抜けやすい構造になっています。暑すぎず寒すぎず、人が最も快適に感じる温度帯をつねにキープし、発汗によるオーバーヒートを抑制します。

元々はアメリカ特殊部隊のために開発された素材で、素材名の「アルファ」は部隊のコードネームにちなんでいます。
おすすめポイント
行動できる保温着”として、冬山をメインに活躍します。アルファはダウンほど密度の高い生地で挟む必要がないため、通気性の高い表地・裏地の採用が可能。この中綿×表地×裏地のセレクトにより、圧倒的な通気の良さを生み出します。

こんなアイテムで採用されています!

▼ミレー|アルファライトスウェットクルー▼
撮影:橋爪勇志
中綿に「ポーラテック アルファ」、表地には吸い上げた汗を拡散させる「ドライナミック エアメッシュ」を採用したテクニカルウェア。着心地も良く、サラサラ裏地は一日着用しても不快感がありません。

ほどよく温かく、トレーナー感覚で着られるインサレーションウェアです。ジャケットタイプもあり。

ミレー/アルファライトスウェットクルー

6.ポーラテック・クラシック|多くの人に愛用される定番フリース

提供:株式会社エスシーティージャパン
『クラシックシリーズ』は約30年にわたって愛されつづけてきた、ポーラテックの原点ともいえるフリース。両面起毛のフリースらしい温もりが特徴。軽量で通気性に優れ、まさにフリースのスタンダードといえる素材です。

ロフトの高さによって「クラシック100」「クラシック200」「クラシック300」などに分類されています。

クラシックシリーズのテクノロジーは?

クラシックのテクノロジー
作成:橋爪勇志
ポーラテックが発明したフリース加工技術が、現代に継承。魔法のように柔らかな生地は、体温をその空間に閉じ込め、蒸れを外へと排出させます。

また、90年代初頭からリサイクルフリースを市場に投入したポーラテック。その環境への高い意識は今も残り続け、本素材にもリサイクル素材が使用されています。
おすすめポイント
ポーラテックの原点であり、最もスタンダードなフリース素材。フリースらしいやわらかな着心地が体を包みこみます。登山よりも街着やキャンプなどにおすすめです。

こんなアイテムで採用されています!

▼ホグロフス|コンビネーションフリースジャケット▼
提供:ホグロフス
ホグロフスが日本限定で開発した「ポーラテック・クラシック300」採用の厚手フリースジャケット。前傾部や肘にはストレッチツイルをあてがうことで耐久性を強化されています。

登山よりもキャンプなどのアウトドアや街着がメイン。幅広いシーンで上品に着こなせるジャケットです。

ホグロフス|コンビネーション フリース ジャケット

7.ポーラテック・ウインドプロ|高次元で風を防ぐフリース素材

提供:株式会社エスシーティージャパン
『ウインドプロ』は従来のフリースの4倍の防風性が大きな特徴。風に強いからといって、分厚くて汗が抜けないことはなく、ポーラテックらしい通気の良さと軽さも健在です。

ウインドプロのテクノロジーは?

ウィンドプロのテクノロジー
作成:橋爪勇志
ウインドプロは特殊なフィルムを使用せず、糸と編み方、仕上げ方法により高い防風性を発揮。

風速1mの風が吹くと、人の体感温度は1度下がるとされており、防風性を高めることは体温の保持にも直結します。風の強い山岳環境では一層重要度を増す機能と言えるでしょう。
おすすめポイント
風が強く気温の低い環境下でも、体温の低下を軽減。釣りやキャンプなどの止まった状態が多いアウトドアにも適しています。通気性を備えているので、アクティブな使い方もOK!

こんなアイテムで採用されています!

▼マウンテンハードウェア|オゾンジャケット


マウンテンハードウェアのオゾンジャケット
提供:マウンテンハードウェア
やわらかな着心地と高い防風性が特徴のフリースジャケット。ミドルレイヤーやアウターなど、環境によって使い分けのできる汎用性も魅力です。肩と袖口には擦れに強い布帛素材を使用。ポケットはハーネスに干渉しない高い位置に配置されています。
※8月以降発売予定

8.ポーラテック・ウインドブロック|卓越したプロテクションで外気をガード

提供:株式会社エスシーティージャパン
ほぼ100%の風を防ぎ、寒さや悪天候から身を守るプロテクションとなるのが『ウインドブロック』です。

優れた撥水性は多少の雨の侵入を遮断。伸縮性のあるソフトな素材で、過酷な天候でも高いパフォーマンスを発揮します。

ウインドブロックのテクノロジーは?

ウィンドブロックのテクノロジー
作成:橋爪勇志
ポリウレタンの無孔質メンブレンをサンドイッチすることで、ほぼ100%の風をガード。耐水圧と透湿性も兼ね備えた防風素材です。

また、ファブリックの表地にはDWR加工(撥水加工)を施すことで高い撥水性を発揮。完全防水ではないものの悪天候下で体を保護します。
おすすめポイント
ソフトシェル感覚で使える、動きやすく快適なプロテクション素材。着用のストレスが少ないので、ずっと着ていられるアウターです。

こんなアイテムで採用されています!

▼マウンテンハードウェア|ドームペリニョン▼
提供:マウンテンハードウェア
ポーラテック・ウィンドブロック素材のニットキャップ。薄型のドーム形状により、ヘルメットやフードの下でも心地よいフィット感を実現します。耳をフルカバーできるので冬のアクティビティに最適。
※8月以降発売予定

ポーラテックで安心・快適!山を楽しもう

撮影:RYO(ポーラテック・パワーグリッドを着用)
多種多様なファブリックを生み出し、今も進化を止めないポーラテック。一貫した通気の良さとムレない快適さに加え、ストレッチや防風、高い保温性など、素材によってさまざまな使い分けができるのは大きな魅力です。

あらゆる用途で存在感を示すポーラテックは、きっとあなたを満足させる山の相棒になるでしょう。

今回紹介したアイテム一覧

ITEM
ホグロフス|パワードライ ティー ロングスリーブ

ITEM
フーディニ|アウトライト フーディ

ITEM
ミレー|アルファライトスウェットクルー

ITEM
ホグロフス|コンビネーションフリースジャケット


ITEM
マウンテンハードウェア オゾンジャケット


ITEM
マウンテンハードウェア ドームペリニョン

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橋爪 勇志

日本アルプスに囲まれた、長野県の伊那谷生まれ。登山好きな母親に連れられ、山を駆け巡って育つ。アルパインクライミングや沢登り、冬山縦走など、ちょこっとスパイスの効いた登山が大好き。

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