登山中の雷

【山の恐怖】登山中に雷にあったら、どうするのが正解!?

あなたは山で何か怖い思いをした経験はありますか? 道に迷ったり、滑落しそうになったりと自分の不注意での“ヒヤリ”もあれば、雪崩や雷などの自然の猛威に恐怖を覚えた人もいるのではないでしょうか。

中でも雷は夏山で発生しやすく、音と光の怖さもさることながら、落雷にあえば致命的な結果に。対処法を知らないと危険であることは間違いありません。そこで今回は、山で雷にあったらどんな行動をとるべきなのかを確認しましょう。

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ひ~怖い……山での『雷』

地震雷火事親父
出典:いらすとや

昔から「地震・雷・火事・親父」といわれるように、地震に次いで恐れられている自然の猛威『雷』。登山中に出くわして、怖い思いをした経験がある人もいるのではないでしょうか。

ピカッと光る稲妻やゴロゴロと大きな雷鳴、いつどこに落ちるか分からない……そんな恐怖から焦ってしまうものです。そこで今回は、山で雷にあったらどうすればよいのか、対処法を見てみましょう!

これだけは知っておきたい、『雷』のこと

まず確認しておきたいのが『雷』の特徴。世の中には『雷』についての間違った知識が意外と多いんです。もしかしたら、あなたも勘違いしているかも!?

『雷』は高いところじゃなくても落ちる!?

海面への落雷

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「雷は高いところに落ちる」と聞いたことはありませんか? これは間違いではないのですが、実は、平たんな場所にも落ちるんです。

落雷地点に高い物体があると、そこを経由して地面に到達する場合が多いですが、公園や運動場、海面などでは、人体が高い物体となり雷を誘因することも。つまり、雷は「海・山・平地を問わず、どこにでも落ちる」「高い物体がなくても落ちる」「人体にも落ちる」ということです。

金属は身につけたままでいい!?

カラビナ

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「雷のときに金属を身につけていると危険かも!」そんな風に思っていませんか? 医・理・工の3分野の研究者からなる『人体への落雷の研究グループ』による、30年にわたる研究で明らかになった安全対策によると、金属を身につけていようがいまいが、雷に打たれる可能性は変わらないとのこと。

また、落雷を受けた際に身につけている金属製品があると、火傷などの外傷を負いますが、体内に流れる致命的な電流の量は軽減されることが分かっています。

参考:北川 信一郎(2007)『雷博士が教える 雷から身を守る秘訣』 本の泉社 p8,p56

登山中の『雷』 さぁ、どうする!?

過去には、著名な山々でも落雷が登山者を襲う事故が起きているんです。早速、いざというときのために、雷から身を守る方法を確認しましょう。

雷の音が聞こえたら、すぐに室内へ避難!

山小屋
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遠くでかすかに聞こえるくらいの雷鳴でも、自分のところまで雷が迫ってくるのはあっという間です。どこに避難するかというと、コンクリートの建物や車、バスなど、電気を伝えやすい丈夫な物体の室内です。

とはいえ、山にはそんなものありませんよね。速やかに山小屋に避難しましょう。

テント

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木造はコンクリートの建物より劣る部分はありますが、外にいるよりもはるかに安全。屋内では家電製品の線から離れるようにすることもポイントです。再び外にでる場合は、雷がおさまって30分以上経過してから。テントや掘っ立て小屋に逃げ込むのは危険ですので絶対にNGです!

近くに山小屋がなかったら……

雷がおきたとき、近くに山小屋があるとは限りません。そんな逃げ場がないときはどうしたら良いのでしょうか。

①木から離れる
落雷が直撃した木

出典:PIXTA(落雷が直撃した木)
落雷での死傷事故の多くは、木の下での雨宿り中に起きているんです。高い木に落雷し、近くにいる人や物にも電流が流れ、感電してしまいます。幹や根にも注意が必要です。

 

【ポイント】
高い木や、高い所にある木や枝からは4m以上離れること。木の高さが同じくらいの場合は、密集しているところより、まばらな所へ。できれば木や枝から4m以上離れるのが理想です。

 

②頂上、尾根、岩場から離れる

岩場

出典:PIXTA
山で雷が落ちやすい傾向にあるのは、山頂や尾根など他より高いところ。そのような場所にいる場合は、少しでも低いところへ速やかに移動します。

 

また、ハシゴや鎖を含め岩場や、水道管が雷の通り道となる水場も危険なので離れましょう。開けた場所では道標に落雷した事例もあるので、距離をとること。

 

【ポイント①】
低い所へ逃げたからといって安全な訳ではありませんが、確率として落ちる可能性が低くなります。稜線上は左右が切れ落ちている所が多いので、危険を冒してまで高度を下げる必要ありません。エスケープルートがあれば、そこをなるべく低い場所まで降ります。〇〇m降りれば安全という法則はありません。

 

【ポイント②】
岩場には入らないようにしてください。岩峰や尖った岩からはできるだけ遠ざかり、できる限り、周囲より低い場所に身を置きましょう。

 

【ポイント➂】
山小屋などがなければ窪地(地形図で稜線の等高線の間隔が広がっているところは、窪地がある可能性が高い。例えば、栂池から白馬岳の登山では、白馬大池や三国境付近の二重山稜など)に避難することをおすすめします。そのためにも、事前に雷に襲われたら、どこに逃げたらよいのか、地図や山行記録などから調べておくのが良いでしょう。

また、それよりも重要なのは、集団で歩いているときは、一人一人の間隔を最低2m、できれば4mあけましょう。

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