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テント泊登山はじめの一歩【計画編】~日程&山選び~(2ページ目)

④ 登山口から近い、樹林帯のテント場を選ぶ

樹林帯のテント場と山頂付近のテント場

出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部

山頂に近い稜線のテント場は、高度感があって展望も期待できますが、荷物を背負って歩く距離が長くなるため、体力的にはハード。慣れないうちは登山口から近いテント場を基点に、荷物を置いて身軽に山頂を目指すスタイルがおすすめです。

また、山頂に近くなるほど雨風や雷などの影響を受けやすく、岩質の地面でペグが刺さらなかったり、斜面や狭い場所にテントを張らなければならなかったりと、設営にもなにかとコツが必要になります。登山口に近い樹林帯のテント場なら、風の影響を受けにくく、下地も土で比較的平らな場所も多いため、初心者向きといえます。

⑤ 営業している山小屋のテント場を選ぶ

山小屋の近くのテント場

出典:PIXTA

万が一何かトラブルが発生したときのため、近くに営業している山小屋があるテント場を選ぶと心強いでしょう。忘れ物や足りないものを売店で購入できる場合や、荒天で屋外での食事の用意が難しいときに、テント泊者用の炊事場が使える場合もあります。

ただし、今は多くの山小屋が予約制をとっているため、急な食事や宿泊は難しい場合がほとんど。山小屋があるからと油断するのは禁物です。

⑥ 水の確保が手軽にできるところを選ぶ

水場

撮影:YAMA HACK編集部

水場が整備されているテント場を選びましょう。無料で使えるところや、有料で水場が使えるところ、量り売りのところなどがありますが、水場がなく自分で担ぎ上げなければいけないところは、何倍もテント泊自体の難易度が上がってしまいます。

自分で水場を探さなければならないところや、水場はあってもテント場から遠いところ、時期によっては普段水量が豊富な水場が枯れていることもあるので、事前にしっかりと調べておくことを忘れずに。

テント場でくつろぐ姿をイメージしながら、計画を立ててみよう!

はじめてのテント泊登山の山行j計画を立てている登山者

撮影:YAMA HACK編集部

これら6つの条件を確認したうえで、はじめてのテント泊にふさわしい場所を探してみましょう。

今は山小屋だけでなく、テントサイトも予約が必要なところが多くあります。混みあうこともありますので、行きたい場所が決まったら早めに予約しておきましょう。

条件は同じでも、山やテント場によって雰囲気はまったく違い、それぞれに特徴や魅力があります。どんな所かを想像する時間も、テント泊の一部であり、それがまた楽しいところ。イメージを膨らませて、好みの場所を見つけてください。

平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
初めてのテント泊で一番大切なのは、楽しく過ごせたという成功体験

充実した時間を過ごせた、心から楽しいと思えた、準備してきたことが生かせたという実感を得られることが、次のステップにつながり、もっとテント泊をしたいと思えるはずです。

できるだけ景色のいい、居心地のいいテント場を選んで、楽しい時間を過ごしてください。そうすれば山の楽しみもどんどん広がっていくと思いますよ。

教えてくれた人|登山ガイド・平川陽一郎さん

平川ガイド

平川 陽一郎(ひらかわ よういちろう)
高校・大学の山学部で本格的な登山を学び、北アルプスや谷川岳を中心に国内外の山々でクライミングを行なう。卒業後は登山業界に入り、複数社の登山用品店で店長を務める。その後、ガイドとして独立。現在は、(株)finetrack直営店 TOKYO BASEとHIBIYA HUTを拠点に登山技術講座も数多く開催している。並行して、(公)日本山岳ガイド協会正会員のマウンテンガイド協会会長、ガイド協会の危急時対応技術指導員、(公)日本山岳会 埼玉支部国内山行委員や登山クラブ「やま塾」の代表として安全登山の啓発活動を行っている。

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