念願のテント泊デビュー! どこの山がおすすめ?
いよいよ登山シーズンの到来! 今年こそは、テント泊にチャレンジしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかしながら、初めてのテント泊は不安がいっぱい。いつもより重い荷物を背負うことになりますし、テント場の勝手もよく分からない…ということで、どこの山へ行くか悩みますよね。
初めてのテント泊は、こんな山&テント場がおすすめ!
【1】テント場に荷物を置いて山頂を目指せる山
テント泊登山は日帰りや山小屋泊よりも荷物が重くなるので、体力がもつのか心配になりますよね? いきなりテントを担いでの縦走は負担が大きいので、先にテントを張って不要な荷物を置き、テント場を拠点にピストンで山頂を目指せる山がおすすめです。
【2】登山口から近いところにあるテント場
テント場が登山口から近いところにあると、長い時間重い荷物を背負わなくていいのでグンと楽になります。テント泊が初めての場合は、重い荷物を持って歩きなれていないことも多いので、まずは短い距離&時間で楽しめる山を選びましょう。
【3】近くに山小屋・水場・トイレがあるテント場
テント泊を快適なものにするには、自炊のための水とトイレは必要不可欠。近くに山小屋があるテント場なら整備されたトイレはもちろん、大抵は水場がありますし、なければ水の購入も可能です。慣れない自炊に不安があるなら、山小屋の売店でごはんを調達するのもいいでしょう。
以上の3つのポイントを踏まえて編集部が厳選した、初めてのテント泊におすすめの山×テント場を5つご紹介します。
▼テント泊のノウハウを知りたい人はこちらをチェック
焼岳 × 小梨平キャンプ場(長野)
初めてのテント泊の中でも「ひとまずテント泊の練習をしたい!」という人には、必要な道具や環境が整っている焼岳×小梨平キャンプ場がぴったりです。
【おすすめポイント①】アクセスしやすい好立地
小梨平キャンプ場は、東京・大阪・名古屋などから直行の高速バスが出ている上高地バスターミナルから徒歩10分。目印となる河童橋へは徒歩5分です。美しい清流をたたえる梓川沿いにテントを張ることもできることでも人気。
【おすすめポイント②】施設が充実
初めてのテント泊だと食事や道具の準備など忘れ物をしがちですが、こちらは食堂・売店、キャンプ用品や調理器具のレンタルもあり何かと安心です。また、敷地内に「小梨の湯」という入浴施設もあり、お風呂に入ることができるのもおすすめのポイント。
【おすすめポイント➂】テントを背負わず登山ができる
北アルプスの玄関口である上高地から登れる山は多く、中でも焼岳は初級者でも日帰り登山が可能です。
いきなり山でテントを張るのは不安な人は、1日目は小梨平キャンプ場でテント泊、翌日不要な荷物を置いて焼岳へ日帰り登山、下山後に撤収というプランなら練習として最適。荷物の重さを体感するために試しにテントを背負って登山するのもありですよ。
焼岳(2,401m)
最高点の標高: 2399 m
最低点の標高: 1501 m
累積標高(上り): 1810 m
累積標高(下り): -1810 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間50分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
[コースタイム]
(田代橋⇔焼岳):6時間50分 / 9.1km
田代橋から焼岳を目指すピストンコース。それほど距離もなく難易度は低めですが、途中垂直に立つ長い梯子があるので足元には十分注意して進みましょう。山頂の眺望は抜群、槍ヶ岳など北アルプスの山々を望めます。
▼焼岳ってどんな山?
<小梨平キャンプ場>
【営業期間】4月中旬 ~ 11月初旬
【連絡先】TEL:0263-95-2321
【1人1泊】(キャンプ場)大人1,200、小人800円 (常設テント)7,000円
上高地 森のリゾート小梨平
笠取山 × 笠取小屋テント場(山梨)
日帰りでも気軽に登れる笠取山は、笠取小屋テント場で1泊するのが吉。「重いテント泊装備で体力面が心配な人」でも安心して登れます。
【おすすめポイント①】登山口からテント場まで近い
登山口からテント場である笠取小屋までは2時間程度で到着でき、テント場に不要な荷物を置いて山頂を目指せます。笠取山は、本来は日帰り可能な山なので、体力面に不安のある人でもテント泊登山の練習として最適といえるでしょう。
【おすすめポイント②】気持ちの良い広場&芝生
笠取小屋付近は広場になっており、山のテント場としては珍しい芝生エリアもあります。全体的に地面も平坦なので、テントの設置場所選びや整地に慣れていない初心者でも安心です。食事やコーヒータイムに使えるベンチとテーブルがあるのも嬉しいポイント。
【おすすめポイント➂】トイレがきれい
テント場にはバイオトイレが設置されています。笠取山はピーク時以外は登山客でごった返すようなこともなく、静かな時間を過ごせる場所。笠取小屋もそれほど大きくはありませんが、気さくで暖かい人柄の管理人さんが細やかなメンテナンスを行ってくれています。
笠取山(1,953m)
最高点の標高: 1916 m
最低点の標高: 1327 m
累積標高(上り): 1167 m
累積標高(下り): -1167 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間47分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
[コースタイム]
(作場平⇒笠取小屋):1時間55分 / 3.5km
(笠取小屋⇔笠取山):1時間37分 / 2.7km
(笠取小屋⇒作場平):1時間15分 / 3.0km
標高差もあまりなく、距離も短いためテント泊登山デビューにはぴったりのコース。総じてなだらかな樹林帯を進みますが、笠取小屋から笠取山山頂までの道は傾斜がきつくなります。道中の眺望はあまりないですが、山頂は大パノラマの絶景です。
<笠取小屋テント場>
【営業期間】4/29~1/3(年末年始・連休・夏休み以外の週末のみ)
【連絡先】[携帯]090-8581-9119[自宅]0553-33-9888
【1人1泊】700円
白馬乗鞍岳 × 白馬大池山荘テント場(長野)
テント泊の醍醐味でもある「大自然に囲まれた絶景のロケーションを楽しみたい人」には、白馬乗鞍岳×白馬大池山荘テント場がぴったりです。
【おすすめポイント①】アプローチしやすい
テント場のある白馬大池山荘は標高2,000m超えですが、ロープウェイで一気に1,800mくらいまで上がるのでアプローチしやすいのが特徴。栂池高原スキー場のゴンドラリフト「イブ」と栂池ロープウェイを乗り継いで、山頂駅(栂池自然園駅)からスタートできます。
【おすすめポイント②】自然豊かな湖畔の絶景
目の前に深い青をたたえる白馬大池と、荘厳な白馬の山々に囲まれた絶景のロケーション。白馬大池にはサンショウウオが生息し、近くの雷鳥坂では天然記念物の雷鳥に出会えることも。周辺にはチングルマやハクサンコザクラなどが咲き誇るお花畑が広がります。
【おすすめポイント➂】小蓮華岳への稜線歩き

白馬大池山荘までは乗鞍岳をピークハントしつつ向かいますが、到着後、体力や時間に余裕があれば、不要な荷物を置いて小蓮華岳(山のグレーディング:技術的難易度B)へ行っても良いでょう。白馬大池から小蓮華岳へは往復3時間半程度のコースです。
白馬乗鞍岳(2,469m)
最高点の標高: 2726 m
最低点の標高: 1841 m
累積標高(上り): 1811 m
累積標高(下り): -1811 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 日帰り
- コースタイム:9時間10分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
[コースタイム]
(栂池自然園⇒白馬大池):3時間20分 / 3.8km
(白馬大池⇔小蓮華山):3時間30分 / 5.3km
(白馬大池⇒栂池自然園):2時間30分 / 3.8km
自然園から登山道に入ってすぐや天狗原の手前あたりなど急坂もありますが、全体的になだらかで歩きやすい登山道です。乗鞍岳山頂付近は岩場なので足元に注意。道中には季節折々の高山植物と白馬の山々に囲まれて歩く気持ちのいいコースです。
<白馬大池山荘>
【営業期間】7月上旬~10月上旬
【連絡先】TEL:0261-72-2002
【テント1張り1名】3,000円(幕営料2,000円+テント1張につき1,000円)
硫黄岳 × 岳樺テントサイト(長野)
硫黄岳×岳樺テントサイトは、テント泊デビューに最適なだけでなく、「気軽に八ヶ岳の山に登ってみたい人」にもおすすめです。
【おすすめポイント①】満天の星空
岳樺テントサイトは、登山口である「桜平」から約80分と近いのに標高2,300mという高所にあるアクセスの良いテント場です。夜になると、周辺に遮るものや灯りがないため、気軽にキレイな星空が見られるのがおすすめのポイント。
【おすすめポイント②】豊富な湧水・水洗トイレあり
快適なテント泊には水場とトイレは欠かせませんが、岳樺テントサイトは設備も非常に充実しています。水場は、八ヶ岳の美味しく豊富な湧水が無料で飲め、オーレン小屋の中にある綺麗に整備された清潔な水洗トイレが使用可能です。
【おすすめポイント➂】テント泊が快適になるスノコ
テントの中で快適に過ごすには、テントを設置する地面の状態は重要です。設置場所の選定と整地、道具選びなどがポイントになりますが、そんな懸念を一気に払拭してくれるアイテムがスノコ。岳樺テントサイトでは先着受付順でテントの下に敷くスノコを利用できます。
硫黄岳(2,760m)
最高点の標高: 2737 m
最低点の標高: 1875 m
累積標高(上り): 1439 m
累積標高(下り): -1439 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間25分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
[コースタイム]
(桜平⇒オーレン小屋):1時間20分 / 2.6km
(オーレン小屋⇔硫黄岳):2時間15分 / 3.4km
(オーレン小屋⇒桜平):50分 / 2.6km
桜平からオーレン小屋まではなだらかで歩きやすい道です。硫黄岳までも危険箇所はありませんが、岩場なので足元には注意。テント場に不要な荷物を置いて行けるので、体力によっては硫黄岳ではなく東天狗・西天狗岳へのピストンコースも良いでしょう。
▼硫黄岳ってどんな山?
<岳樺テントサイト>
【営業期間】4月下旬〜11月上旬
【連絡先】TEL:0266-72-1279
【1人1泊】大人2,000円、小学生1,000円
燕岳 × 燕山荘テント場(長野)
「憧れの北アルプスでテント泊したい!」という方には燕岳×燕山荘テント場が◎。北アルプス入門にもピッタリのコースです。
【おすすめポイント①】見どころがいっぱい
テント場となる燕山荘から燕岳山頂までは目と鼻の先。花の百名山の一つにふさわしく、ハクサンフウロや高根ナデシコ、ニッコウキスゲなど色とりどりの高山植物が目を楽しませてくれます。山頂にはイルカ岩と呼ばれる有名な変わり岩峯があるので必見です。
【おすすめポイント②】360度の北アルプス大展望
山頂の麓の開けたロケーションにあるテント場は眺望抜群。槍・穂高連峰、常念山脈、白馬連峰、立山・剣連峰、裏銀座の山、富士山、南アルプス、八ヶ岳など多くの山々を望めます。山の上でしか見られない神々しい夕日、朝日を眺めるのも最高です。
【おすすめポイント➂】人気の山小屋“燕山荘”
テント場は初めての山小屋泊としても人気の燕山荘の目前。ハイクオリティな食事を燕山荘で食べたり、喫茶サンルームで絶景を望むカフェタイムを楽しんだりするのもおすすめ。デザイン性の高いTシャツやバンダナ、バッジなど燕山荘オリジナルグッズもお土産として人気です。
燕岳(2,763m)
最高点の標高: 2720 m
最低点の標高: 1455 m
累積標高(上り): 1673 m
累積標高(下り): -1673 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間5分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
出典:ヤマプラ
[コースタイム]
(燕岳登山口⇒燕山荘):4時間20分 / 3.8km
(燕山荘⇔燕岳):55分 / 1.7km
(燕山荘⇒燕岳登山口):2時間50分 / 3.8km
コースタイム短めで危険箇所もない、北アルプス登山入門にもおすすめのルート。休憩ポイントも多く歩きやすいですが、日本3大急登とも称される傾斜のきつい登山道ですので、体力に不安のある方は要注意。道中も季節折々の花や景色が素晴らしいコースです。
▼燕岳ってどんな山?
<燕山荘テント場>
【営業期間】4月下旬~11月下旬、年末年始
【連絡先】TEL:0263-32-1535
【1人1泊】2,000円
今年の夏こそ憧れのテント泊デビュー!
テント泊登山は日帰りや山小屋泊とは一味違った山の魅力と圧倒的な非日常感を楽しめる最高のエンターテインメントです。初めてだと準備や計画が心配かもしれませんが、ちょっとしたトラブルやハプニングも醍醐味の一つ。経験により磨かれていくものです。困ったら他の登山者や山小屋のスタッフの方々に相談。的確なアドバイスをくれるので、ぜひ挑戦してみてください。
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