COCOHELI ココヘリ / 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFF
笠取山

笠取山|奥秩父の隠れた名山!分水嶺を歩く3つの登山ルート紹介

奥秩父にそびえる笠取山は、都内からも日帰りで登れる自然豊かな水の山。登山道の脇には清らかな沢が流れ、せせらぎをBGMに気持ちの良い登山を満喫できます。山中には、遥か東京湾まで注ぎ込む多摩川の始まりの地や、3つの河川の分水嶺もあります。笠取山名物の急登を登りきり、その先に広がる感動の風景に会いに行きませんか?

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山小屋営業ならびに交通状況などに変更が生じている可能性があります。
山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像出典:PIXTA

『笠取山』ってどんな山?

笠取山を見上げる

出典:PIXTA
標高所在地最高気温(8月)最低気温(8月)
1,953m埼玉県秩父市・山梨県甲州市20.4℃12℃
出典:ヤマレコ

笠取山(かさとりやま)は埼玉県秩父市と山梨県甲州市の境にそびえる標高1953mの山。奥秩父の主脈の1つであり「日本三百名山」や「山梨百名山」、「新・花の百名山」にも数えられています。山頂付近からの展望が素晴らしいことでも知られ、周辺の山々や富士山を満喫できるのも魅力の一つです。

3つの河川の分水嶺

小さな分水嶺

出典:PIXTA

笠取山の山中にある「分水嶺」は注目してほしいポイント。このピークの東側に降った雨は荒川となり、西側に降った雨は甲府盆地を南下して富士川となります。そして、南側に降った雨が多摩川となるのです。関東水源の始まりの地と思うと、なかなか面白いですよね♪

名物は山頂へ伸びる心臓破りの急坂

笠取山の急坂

出典:PIXTA
笠取山の名物といえば、山頂へと伸びる急坂。その特徴的な登山道から「心臓破りの急坂」と呼ばれています。目の前にすると壁のような坂は、まさに笠取山のハイライト的な存在。急坂を苦労して登った先にはご褒美の絶景が待っていますよ!

登山レベルは?

笠取山山頂付近

出典:PIXTA
笠取山は危険な箇所もあまりないため、難易度はそれほど高くありません。登山初級者の方でも日帰り登山が可能です。奥武蔵の山々を縦走する場合は、小屋やテント泊がおすすめ。
最も利用される登山口の「作業平」にはバスが通っていないため、マイカーのアクセスが一般的。

笠取山の登山適期は?

紅葉期の笠取山

出典:PIXTA
笠取山の登山適期は、4月上旬から12月下旬頃ですが、特に高山植物が咲く初夏と秋がおすすめです。紅葉シーズンには、黄金に染まるカラマツが圧巻。山頂からは、紅葉の絨毯と富士山のコラボレーションを楽しむことができます。積雪期に登る場合は、登山道に雪や凍結箇所もありますので、アイゼンなどの準備していきましょう。
天気も必ずチェック

登山道の最新情報を確認しよう!

自然災害などにより登山道や道路が通行止めなどになっている可能性もあります。出かける前に最新情報を確認し、ルートの通行の可否を調べて登山計画を立てましょう。
奥多摩ビジターセンター|登山道・道路状況一覧

【初級者向け】作場平ピストンコース

ピストンコースマップ

提供:YAMAP
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コース距離:約10km
コースタイム:約5時間
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

作業平(35分)→一休坂分岐(60分)→ヤブ沢峠(20分)→笠取小屋(15分)→雁峠分岐(43分)→笠取山(24分)→雁峠(15分)→笠取小屋(50分)→一休坂分岐(25分)→作業平

作業平登山口からピストンするポピュラーな登山コース。美しい沢沿いの登山道は緑も深く、山行中では清流の音や苔むす雰囲気に癒されます。登りは視界の無い直登を避けてヤブ沢を通り、一休坂を下って下山するのがおすすめです。

コース詳細

作業平登山口

提供: ヤマレコ/ozawa(作業平登山口)
笠取山の登山口のある駐車場はとても広く、トイレも併設されています。登山口は駐車場すぐそば。
よく整備されている登山道
出典: ヤマレコ/ozawa(樹林帯の登山道)
コースは全体的に看板も多く良く整備されおり、登り始めは登山道も広くて歩きやすいです。木橋を何箇所か渡渉し、沢沿いのうっそうとした樹林帯を登っていきます。しばらくすると一休坂分岐に到着。
沢沿いの登山道
提供: ヤマレコ/ran0085(沢沿いの登山道)
一休坂分岐からは、ヤブ沢方面に進みましょう。ヤブ沢峠までは、緑の苔が美しい渓流沿いの登山道。川のせせらぎを聞きながら爽快な山行を満喫できます。
笠取小屋
提供: ヤマレコ/ran0085(笠取小屋)
ヤブ沢峠から20分ほどで小屋に到着。バイオトイレも完備されており、小屋の側には大菩薩嶺が望めるテン場もあります。
雁峠分岐
提供: ヤマレコ/Dkoba(雁峠分岐)
笠取小屋から歩いて15分ほどで雁峠分岐に。この辺りから木々がまばらにな草原になり、視界も開けてきます。
小さな分水嶺を発見
提供: ヤマレコ/ran0085(小さな分水嶺)
雁峠分岐からすぐ先の、小高い丘の上にあるのが「小さな分水嶺」。天気が良ければ、ここから笠取山の山頂が顔を出します。
心臓破りの急登
出典:PIXTA(笠取山の急坂)
登山道を進んで行くと、いよいよ山頂直下へ。目の前にはこの山の名物、心臓破りの急登があらわれます。息を整えながら急坂を登り、見晴らし抜群の展望地を目指しましょう。
笠取山からの富士山
提供: ヤマレコ/napounapou(笠取山展望地から望む富士山)
大パノラマが広がる展望地(ピークではありません)からは、大菩薩嶺、南アルプスなどの山々や、目の前には山並みの向こうに美しくそびえる富士山を一望することができます。
笠取山の山頂
提供: ヤマレコ/ozawa(笠取山山頂)
展望地からは、岩場のある狭い登山道を通って笠取山の山頂へ。残念ながらこちらの眺望はありません。帰路は来た道を戻り、笠取小屋からは直登コースを利用してゴールの作業平まで下りましょう。

【健脚者向け】唐松尾山を巡る周回コース

周回コースマップ

提供:YAMAP
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コース距離:約17km
コースタイム:約9時間
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

作業平(35分)→一休坂分岐(60分)→ヤブ沢峠(20分)→笠取小屋(15分)→雁峠分岐(43分)→笠取山(20分)→水干尾根分岐(100分)→唐松尾山(54分)→西御殿岩(45分)→山ノ神土(90分)→三ノ瀬登山口(25分)→中島川橋(25分)→作業平

笠取山から唐松尾山に抜け、西御殿岩を巡る縦走コースです。多摩川の源流を体感したり、雄大な展望を満喫することもできる充実のコースですが、行動時間も長めなので健脚者向けのルートになります。のんびりと山行を楽しみたい方や体力的に自信がない場合は、笠取小屋で1泊するのがおすすめ。

コース詳細

藪の多い登山道

提供: ヤマレコ/Dkoba(唐松尾山への縦走路)
笠取山の山頂までは、前述のピストンコースと同様。山頂からは細いヤブを抜け唐松尾山を目指します。最初は平坦ですが、笠取山までの歩きやすい道のりとは違い、次第に奥秩父らしい雰囲気に。
水干
提供: ヤマレコ/ozawa(水干)
少し進むと水干尾根の分岐が現れ、ほどなくすると多摩川の源流「水干(みずひ)」に到着。水干からすぐの分岐を60mほど降ると、こんこんと地面から湧き水が流れ出しており、多摩川の始まりを見ることができます。
岩場の下り道
提供: ヤマレコ/Dkoba(岩場の登山道)
水干を過ぎると場所によって岩場や急な下り坂に。黒槐山(くろえんじゅやま)を巻きながら登り、唐松尾山まではアップダウンが続きます。
唐松尾山
提供: ヤマレコ/ran0085(唐松尾山)
奥秩父の主脈のひとつである唐松尾山(2109m)は今回のルートの最高標高。展望はないので、山頂を踏んだら西御殿岩方面に向かいましょう。
西御殿岩
提供: ヤマレコ/Dkoba(西御殿岩)
将監峠分岐を西御殿岩へと進むと、道幅も狭く倒木や岩場など歩きづらい登山道が続きます。急な岩場を登りきると岩がゴツゴツした西御殿岩に到着。
西御殿岩から望む富士山
出典:PIXTA(西御殿岩から望む富士山)
西御殿岩からは360度のパノラマが広がっています。奥秩父の峰々をはじめ富士山、雲取山、和名倉山などの絶景を堪能しつつ、休憩するのにもちょうどいいポイントです。
笠取山の登山道
提供: ヤマレコ/Dkoba山ノ神土の分岐を過ぎた登山道
西御殿岩からは、笹藪の登山道を40分ほど下り山ノ神土の分岐へ。ここからはよく整備された歩きやすい登山道に変わります。将監峠からはゆるやかな下りに。
将監小屋
提供: ヤマレコ/Dkobak(将監小屋)
将監小屋まで下ると、約5キロの林道歩きとなります。林道が終わると今度はアスファルトの舗装路を2キロほど歩いてゴールです!

【バス利用者向け】新地平往復コース

新地平コースマップ

提供:YAMAP
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コース距離:約17km
コースタイム:6時間40分
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
新地平(180分)→雁峠(15分)→雁峠分岐(43分)→笠取山(24分)→雁峠分岐(10分)→雁峠(130分)→新地平
新天地バス停から笠取山山頂までピストンするコース。歩き始めは舗装路を進み、その後は気持ちのいい沢沿いの登山道を登って山頂を目指します。 道中では渡渉点が何箇所かあるので、雨などの増水時には要注意。

コース詳細

道の駅みとみ

提供: ヤマレコ/chickmac(道の駅みとみ)
中央線のJR塩山駅から山梨交通バスの西沢渓谷線に乗車し、新地平バス停まで行きます。マイカーの場合は「道の駅みとみ」に駐車してください。

林道のゲート

提供: ヤマレコ/cairn24(林道のゲート)
新地平バス停から登山スタート。歩き始めは舗装路を雁峠方面に1キロほど進みます。途中に分岐がいくつかありますが、看板や赤テープを目印にしつつ、こまめに地図を確認しましょう。

沢の渡渉点

提供: ヤマレコ/chickmac(沢の渡渉点)
林道やその先の登山道では、しばらく清々しい沢沿いの道を歩いていきます。いくつか渡渉箇所もあるので滑らないように注意。

雁峠のベンチ

提供: ヤマレコ/cairn24(雁峠)
沢沿いのゆるやかな登山道が終わると、雁峠へ向かう道は少しだけ傾斜が増してきます。雁峠まで登ると草原が広がり展望も開けてくるので、一息つくのもいいでしょう。
急坂を登る
提供: ヤマレコ/chickmac(笠取山の急坂)
雁峠分岐から、小さな分水嶺を経由して笠取山西までくると、核心である山頂直下の急登が現れます。
紅葉期の笠取山展望地からの眺め
出典:PIXTA (笠取山から望む絶景)
登りきったご褒美は、展望地から望む開放感抜群な景色。富士山や南アルプスなど多くの名峰を、思う存分満喫しましょう!
三角点のある笠取山山頂までは展望地から数分です。下山は登ってきた道を戻って新地平バス停へ。

周辺の山小屋・温泉情報

笠取山登山時に利用できる山小屋の情報と、下山後に立ち寄れる地元の温泉を2つ紹介します。登山で疲れた体を芯から癒してくれることでしょう。

笠取小屋

笠取小屋の外観

出典: ヤマレコ(笠取小屋)

笠取小屋の収容人数は80名ほど。小屋の側にはテント場もあり、約20張のテントが設営できます。小屋から2分ほどのところに水場があり、バイオマストイレも完備。

住所:山梨県甲州市塩山一ノ瀬高橋
電話番号:[携帯]090-8581-9119[自宅]0553-33-9888
営業時間:4/29~1/3(年末年始・連休・夏休み以外の週末のみ)
料金:宿泊(素泊まりのみ)4,500円/テント泊1名700円

 

笠取小屋オフィシャルサイト

丹波山温泉のめこい湯

のめこいの湯

出典: 丹波山村HP(のめこいの湯ヒノキ風呂)

「道の駅たばやま」から吊り橋を渡ると、名湯「のめこいの湯」があります。のめこいとは、丹波山の方言で、つるつるやすべすべの意味。硫黄泉の源泉に浸かればお肌はつるつる、しっとりして湯上りもポカポカ。ローマ湯やヒノキのお風呂などが楽しめる他に、館内には大きな休憩所や食事処もあるのでのんびり過ごすのにぴったりです。

住所:山梨県北都留郡丹波山村2901
電話番号:0428-88-0026
営業時間:10時~19時(最終受付18時)
定休日:木曜日
料金:大人900円/小人450円/小学生未満無料
丹波山温泉のめこい湯

みとみ笛吹の湯

みとみ笛吹の湯

出典: 山梨市観光協会HP(みとみ笛吹の湯)

山間部の静かな場所にある市営の日帰り温泉。笛吹の湯の泉質はアルカリ性単純泉で、なめらかなお湯が特徴。神経痛や筋肉痛、冷え性などに効果があると評判です。

住所:山梨県山梨市三富下釜口447
電話番号:0553-39-2610
営業時間:10時~20時(最終受付19時)
定休日:火曜日
料金:大人510円(市内200円)/小人200円(市内100)
みとみ笛吹の湯

アクセス・駐車場情報

作場平駐車場


笠取山への登山口となる、一之瀬林道沿いにある作場平の駐車場です。綺麗に整備された広い砂利の駐車場で、トイレも完備。

住所:山梨市甲州市塩山一ノ瀬高橋
駐車台数:30台(無料)

新地平(道の駅みとみ)


新地平へは、中央線のJR塩山駅から山梨交通バスに乗車します。西沢渓谷線を利用し、新地平にて下車。なお、車でお越しの際は道の駅みとみの駐車場に停めて登山口へ向かいましょう。

笠取山でリフレッシュ登山を

笠取山からの眺望

出典:PIXTA(笠取山からの眺望)

3つの河川の分水嶺や多摩川の源流が始まる、水にゆかりのある笠取山。山行中も沢沿いの登山道では、たくさんのマイナスイオンに癒さることでしょう。心臓破りの急登で達成感を味わい、その先に広がる山々の絶景を心ゆくまで満喫してみてはいかがでしょうか。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

関連記事