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アクセス抜群!東京で“山の秋”を満喫するなら奥多摩へ

豊かな自然に包まれた、東京西部の奥多摩エリア。本格的な登山装備が必要な山だけでなく、初心者でも気軽に歩ける遊歩道がたくさんあるのをご存知ですか?
しかもおしゃれなカフェやグルメスポットもあり、フォトハイクや週末のお出かけにぴったりのエリアなのです。
思い立ったらすぐ行ける、アクセスの良さ

奥多摩エリアは、都心から電車で約2時間。路線バスも充実していて、車がなくても行ける手軽さが魅力です。
また駅から歩いて行ける遊歩道も多く、登山初心者やファミリーでも安心して紅葉散策を楽しめます。
豊かな植生が彩るカラフルな森

奥多摩には、ブナやカエデ、モミジ、ミズナラなど多様な広葉樹が分布しています。
秋にはそれぞれの葉が異なる色に染まり、山々は赤・黄・オレンジのグラデーションに彩られます。
多摩川の清流や渓谷、湖とのコントラストも奥多摩ならではの景観といえるでしょう。
カフェや温泉も見逃せない

フォトハイクのあとに立ち寄りたいグルメスポットや、おしゃれな休憩ポイントが点在しているのも奥多摩が愛される理由の1つ。
渓谷を望むテラスでコーヒーを味わったり、自然に囲まれた温泉でほっと一息ついたり。
フォトハイクに観光要素もプラスして、1日かけてたっぷり秋の奥多摩を満喫できます。
今回は、そんな奥多摩で絶景の紅葉を楽しめるフォトスポットとモデルコースを紹介します。
| エリア | フォトスポット | おすすめポイント | 距離・時間 |
|---|---|---|---|
| 鳩ノ巣渓谷 | ・鳩ノ巣小橋 ・数馬峡橋 | ・渓谷沿いの美しい紅葉 ・ダイナミックで迫力ある自然風景 | 約2.2km・約1時間13分 |
| 秋川渓谷 | ・佳月橋 ・石舟橋 | ・大自然と橋のコラボレーション ・カフェや温泉 | 約3.2km・約45分 |
| 御岳渓谷 | ・玉堂美術館前の大イチョウ ・遊歩道 | ・イチョウとモミジの華やかな遊歩道 ・整備された道で初心者も安心 ・カフェや利酒スポット | 約2.2km・約20分 |
| 奥多摩湖 | 八方岩展望台 | ・湖に映る紅葉の山並み ・奥多摩駅前のグルメ | 約1.4km・約60分 |
| 御岳山 | ・ケーブルカー ・御嶽神社へ続く石段 | ・ケーブルカー車窓からの紅葉 ・真っ赤なモミジと御嶽神社 | 約2.4km・約1時間20分 |
鳩ノ巣渓谷&数馬峡橋|渓谷沿いの紅葉が美しい

都心から電車で約2時間。JR青梅線「鳩ノ巣駅」から徒歩数分で辿り着くのが、切り立った渓谷美が広がる奥多摩屈指の紅葉名所、鳩ノ巣渓谷です。
巨岩や奇岩の間を多摩川が流れ、両岸のカエデやモミジが色づく景観はまさに圧巻。
フォトスポット|見頃 11月上旬~11月下旬

最初のフォトスポットは、鳩ノ巣渓谷にかけられた吊り橋「鳩ノ巣小橋」。鳩ノ巣渓谷の入り口にあたる場所です。
人気の構図は、渓谷沿いから橋を見上げるアングル。ダイナミックな自然の地形を背景に、迫力ある1枚が撮影できます。
渓谷沿いは滑りやすいため、撮影時は足元に注意してくださいね。

もう1つのフォトスポットが「数馬峡橋(かずまきょうばし)」です。橋の上からは、渓谷沿いの紅葉が広く見渡せ、赤や黄色といった木々の鮮やかな色合いと、渓谷の深い緑の共演が楽しめます。
紅葉と橋のコラボレーションを映し出した構図も趣があって人気ですよ。
おすすめコース

JR青梅線「鳩ノ巣駅」を出発したら、駅前から多摩川方面へ向かいます。
5〜10分ほど歩くと、最初のフォトスポット「鳩ノ巣小橋」に到着。深い渓谷にかかった橋の上からは、清流と紅葉が織りなす絶景を楽しめます。
そのまま渓谷沿いの遊歩道を下流の白丸方面へ進むと、やがて2つめのフォトスポット「数馬峡橋」が現れます。
撮影を楽しんだら、青梅街道に戻り白丸駅まで徒歩数分。
2駅をつなぐショートトレイルは、紅葉の見頃にぴったりのミニフォトハイクコースです。
基本情報
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町
アクセス:JR青梅線「鳩ノ巣駅」から徒歩約5分(鳩ノ巣小橋)
見頃:11月上旬〜11月下旬
歩行距離/時間:約2.2km・約1時間13分(ヤマレコ、らくルート参照)
秋川渓谷・石舟橋|奥多摩の大自然と橋のコラボ

東京都あきる野市にある秋川渓谷は、澄んだ流れとカエデ・イチョウの組み合わせが美しいエリア。特に秋川渓谷にかかる石舟橋は、吊り橋の上から多摩川の清流と紅葉が一度に楽しめるため、フォトスポットとして人気があります。
橋のすぐそばに「瀬音の湯」やカフェがあり、紅葉×温泉のプランにも最適です。
フォトスポット|見頃 11月上旬~11月下旬

石舟橋は秋川渓谷のシンボル的な存在で、なんと橋の長さは96m!しかも歩行者専用なので、車を気にせず落ち着いて撮影に集中できます。
橋の上から多摩川と両岸の紅葉を見下ろす構図や、紅葉と吊り橋を一緒に収める構図が人気です。
おすすめコース

スタートはJR五日市線「武蔵五日市駅」。西東京バスに乗り、「五日市高」バス停で下車します。
バス停から徒歩5分ほどで、最初のフォトスポット「佳月橋(かげつばし)」に到着。
橋の上からは、秋川の流れと紅葉の山肌が一望できます。
そのまま川沿いの遊歩道を45分ほど歩くと、このコースのメインスポット「石舟橋」が見えてきます。澄んだ水面と紅葉が織りなす景色は、心まで澄み切っていくような美しさです。
散策の締めくくりには、橋のたもとにある温泉施設「瀬音の湯」へ。アルカリ性単純温泉の湯は“美肌の湯”として知られています。歩いたあとに浸かる湯の心地よさも、このコースの醍醐味ですね!
基本情報
所在地:東京都あきる野市乙津
アクセス:JR五日市線「武蔵五日市駅」からバス「五日市高校」下車、徒歩約5分
見頃:11月上旬〜11月下旬
歩行距離/時間:約3.2km・約45分(google map参考)
御岳渓谷|イチョウとモミジが華やかな遊歩道

JR青梅線「御嶽駅」から徒歩すぐの場所にあるのが、都内でも屈指のアクセスの良さを誇る約4kmの紅葉遊歩道「御岳渓谷」。アップダウンもほとんどないので、体力に自信がない人でも挑戦しやすいコースです。
「日本名水百選」に選ばれた清流沿いを歩きながら、鮮やかなモミジや黄金色のイチョウが楽しめます。
フォトスポット|見頃 11月上旬~11月下旬

まず1つめのフォトスポットは、遊歩道沿いの玉堂美術館前に立つ大イチョウ。御岳渓谷のシンボル的な存在です。
対岸からイチョウの全景を撮影するのもいいですし、木の根元から見上げる構図で撮るとより鮮やかな色彩をより印象的に収められます。

2つ目のフォトスポットは、遊歩道を覆う真っ赤なモミジ。
玉堂美術館前の大イチョウと、この遊歩道のモミジを一緒に収める構図も人気ですね。
おすすめコース

JR青梅線「御嶽駅」を降りれば、もうそこは御岳渓谷。
澄んだ多摩川の流れを右手に眺めつつ歩みを進めれば、一際目を引く鮮やかな黄金色の大イチョウが現れます。
先へ進むと、今度は色づいたモミジやカエデが作り出す紅葉の回廊へと入り、鮮やかな紅葉を間近に見ることができるでしょう。
ゴールは「沢井駅」付近。駅近くには東京の酒蔵「澤乃井園」が運営するカフェや利酒スポットがあります。渓流を見下ろすオープンガーデンで軽食を楽しむなら「清流ガーデン澤乃井」、仕込み水を使ったコーヒーを味わうなら「CAFE 雫」がおすすめです。
基本情報
所在地:東京都青梅市御岳
アクセス:JR青梅線「御嶽駅」下車すぐ
見頃:11月上旬〜11月下旬
歩行距離/時間:約2.2km・約20分(google map参照)
奥多摩湖|湖に映る紅葉の山並み

奥多摩湖は、小河内ダム(おごうちダム)によって堰き止めて造られた標高約530mにある人造湖で、奥多摩を代表する紅葉スポットです。
気候条件に恵まれれば、山々に囲まれた湖面に色づく木々が鏡のように映り込む姿をみることもできるでしょう。
バス停から徒歩ですぐにアクセスできるので、初心者でも手軽に訪れることが可能。ダムの堰堤からは、奥多摩の雄大な山並みに出会えます。
フォトスポット|見頃 10月下旬〜11月上旬

おすすめは奥多摩湖が一望できる高台「八方岩展望台」です。
展望台からは、紅葉で彩られた山並みと深い緑色の湖面の共演が待っています。晴天なら湖の青さと紅葉のコントラストもさらに鮮やかに。
おすすめコース

JR青梅線「奥多摩駅」から西東京バスに揺られて約20分。「奥多摩湖」バス停で降りると、目前に広がるのは堂々たる小河内ダム。
緩やかに登りながら、八方岩展望台を目指しましょう。
展望台からは、湖の奥行きとブナやカエデが織りなす紅葉のグラデーションが一望できます。短い距離ながら、奥多摩の山並みのスケールの大きさを感じられるフォトハイクコースといえるでしょう。
奥多摩駅前には、クラフトビールの醸造所「Beer Cafe VERTERE」や厚焼き卵専門店「だしまき玉子専門店 卵道〜TAMAコレクション〜」などグルメスポットがめじろおし。心もお腹も満たされるコースです。
基本情報
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町原
アクセス:JR青梅線「奥多摩駅」から西東京バスで約20分、「奥多摩湖」下車すぐ
見頃:10月下旬〜11月上旬
歩行距離/時間:約1.4km・約60分(東京都水道局地図 参照)
御岳山|真っ赤なモミジと御嶽神社

ケーブルカーで手軽にアクセスできる霊峰・御岳山。山上に鎮座する御嶽神社の参道の紅葉が見事です。
神社付近には宿坊や茶屋も立ち並び、歴史と自然・観光スポットが融合した人気のハイキングコースです。
フォトスポット|見頃 10月下旬〜11月中旬

御岳登山鉄道・滝本駅〜御岳山駅間は、10月下旬〜11月中旬にかけてモミジ、カエデ、ブナが色づき、車窓から紅葉が楽しめます。

御嶽神社へと続く最後の300段ほどの石段が、紅葉のベストスポットです。「霧の御坂」と呼ばれる参道にある鳥居から拝殿までの道は、まさに”紅葉の回廊”。神々しい雰囲気を感じられます。
おすすめコース

「滝本駅」からケーブルカーに乗り込み、山肌を染める紅葉を車窓越しに眺めながら「御岳山駅」へ。
ケーブルカーを降りたら、宿坊や茶屋が立ち並ぶ山上の集落の間を進みます。宿泊だけではなくランチを提供している宿坊もあるので、時間をかけて散策するのがおすすめ!
やがて樹齢1000年ともいわれる「神代ケヤキ」が出迎えてくれます。巨木を過ぎたあたりから御嶽神社へ続く石段が始まり、頭上には鮮やかに色づいたカエデの紅葉が広がっています。
基本情報
所在地:東京都青梅市御岳山
アクセス:御岳登山鉄道「滝本駅」からケーブルカー利用で「御岳山駅」まで
見頃:10月下旬〜11月中旬
歩行距離/時間:約2.4km・約1時間20分(ヤマレコ らくルート参照)
次の週末は“紅葉フォトハイク”に出かけよう!

紅葉を撮って、渓谷を歩いて、最後は温泉やカフェでほっと一息。
奥多摩は、そんな秋をじっくり味わうフォトハイクにぴったりの場所です。
カメラを片手に歩けば、足元の落ち葉も、木漏れ日も、思わずシャッターを切りたくなる瞬間ばかり。澄んだ空気に包まれながら、秋の思い出を残しに出かけてみませんか?
なお、奥多摩エリアでは熊の出没情報があります。ハイキングに出かける際は、事前に最新情報をよくご確認のうえ、お出かけください。
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。
昭文社 山と高原地図 奥多摩
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