日帰りで登頂できる、北アルプスの「焼岳」
標高 | 山頂所在地 | 山系 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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2455m | 長野県松本市、岐阜県高山市 | 北アルプス南部 | 20.1℃ | 3.1℃ |
焼岳は標高2455m、北アルプスで唯一の活火山で、別名は硫黄岳。槍ヶ岳から連なる稜線の南端に位置し、その美しい姿は日本百名山に数えられます。
北アルプスの中でもアクセスがしやすく、日帰りでも十分登れるので初級者にも人気。頂上からは溶岩ドームの噴煙や、美しい火山湖を望むことができる魅力的な山です。
槍・穂高連峰を一望!山頂からの大パノラマ
山頂からは、眼下に蛇行する梓川や上高地、目の前には雄大な槍ヶ岳や穂高連峰を堪能できます。360度の眺望が楽しめるので、笠ヶ岳や乗鞍岳などの山々を一望することも可能。山頂付近は噴煙と風景のコントラストも魅力のひとつです!
噴火は大丈夫?火山活動状況
焼岳火山群の主峰焼岳は成層火山であり、噴火の歴史は古く、1915年の噴火による泥流により大正池が形成されたという記録があります。現在の火山活動は「噴火警戒レベル1」で平静ですが、登山をする前には必ず気象庁の発表する火山活動状況を確認しましょう。
気象庁|焼岳の活動状況
焼岳の登山適期は?
一般登山シーズンは5月下旬~10月下旬ごろ。目に眩しい新緑から青空広がる夏山、秋には紅葉の絨毯が楽しめます。9月上旬からの紅葉と山頂岩稜のコラボレーションは必見!ハイシーズンには、登山道が大渋滞になることも。
天気と登山地図を事前にチェック!
焼岳に行く前に現地の天気を調べてから行きましょう。また、地図で山域全体を確認し、無理のないルートで余裕を持った行動を心がけてください。
てんきとくらす|焼岳の天気
新中の湯ルート|目指せ上高地!高山植物を楽しむ日帰りコース
最高点の標高: 2400 m
最低点の標高: 1501 m
累積標高(上り): 1529 m
累積標高(下り): -1665 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間30分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
距離はややありますが、コース全体において難所がないので、初級者にもおすすめの縦走コースです。体力に不安がある人はピストンコースで登頂を狙うのもおすすめです。
中の湯焼岳登山口の前、国道158号線沿いの路肩スペースが駐車場になります。トイレはありませんので事前に済ませておきましょう。駐車場から林道に沿って歩くと登山口に着きます。最初は比較的緩やかな樹林帯歩きです。
休憩ポイントの広場を越えると笹原の登りになります。高山植物シーズンにはさまざまな種類の花が楽しめます。
稜線に出てしばらく歩くとザレ混じりの斜面に変わります。南峰と北峰のコルにある溶岩ドームと噴煙の迫力ある姿は、撮影スポットとしても大人気!噴気部は熱いところもあるので不用意に触らないよう注意してください。南峰は岩が崩れやすいため現在は立ち入り禁止です。
溶岩ドームを右手にトラバースすると、山頂へ最後の登りです。約3時間で山頂に到着!山頂からは穂高連峰や上高地を見渡せる絶景が広がります!
焼岳の噴煙と穂高連峰のコントラストはここでしか見られない景色です!目の前に広がる絶景を心ゆくまで満喫しましょう。
中尾峠までは足場の悪い急な下りなので、急がず慎重に進むようにしましょう。見晴らしも良好です!
稜線からの絶景を満喫後は焼岳小屋でひと休み。昔ながらのおもむきがあり、疲れた登山者をあたたかく迎えてくれます。宿泊も可能で、ここで買えるTシャツやバッジは人気のお土産です。
小屋を出て笹原を下ると、ハシゴ場が出てきます。傾斜がきついので1人ずつ慎重に下りましょう。ハシゴ場を通過しさらに下ると上高地側の登山口に出ます。
田代橋渡って上高地バスターミナルへ。帰りに上高地を散策するのもこのコースならではの楽しみ方です!
中尾高原ルート|日帰りピストンで帰りはゆったり温泉!
最高点の標高: 2399 m
最低点の標高: 1145 m
累積標高(上り): 2177 m
累積標高(下り): -2177 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間56分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
奥飛騨側からのピストンコース。やや距離が長いですが、道中には見どころがいくつもあり、変化を楽しめるコースです。帰りには温泉郷があるので帰りに寄っていくのもいいですね。
手前の駐車場にポストあり、林道を20分ほど歩くと登山口に着きます。ここからスタートです!
序盤は樹林帯歩き。オダマキやジャコウソウなどの高山植物が自生しているので、観察してみましょう。少し急な登りですが、木々の間から穂高連峰も顔を出します。
道中では暗所でエメラルド色に光るヒカリゴケも見ることができます。洞窟ではないので光って見えることは少ないのですが、貴重なコケ植物です。
少し遠いですが、落差45mの白水の滝も見ることができます。しっかり滝の音も聞こえますよ!
樹林帯を抜けると稜線に出ます。新中尾峠からは西穂高岳への稜線が続いていますので、間違えず焼岳方面に向かいましょう。
焼岳小屋を越えると展望台があり、上高地方面には大正池が見えます!
山頂直下は急登になっており、足場が悪いので注意して進みましょう。ここを登り切ったら山頂です!
約4時間半でようやく山頂です!焼岳北峰からは穂高連峰に加え、南峰やキレイなエメラルドグリーンの正賀池が望めます。同ルートから下山する際は、直下のガレ場の浮石には要注意!
焼岳の山小屋情報
基本的に日帰りで登頂できますが、山頂付近には山小屋もあるので、のんびり1泊で登ることもできます。
焼岳小屋
年季の入った柱やランプ、ハシゴなどおもむきがある山小屋。焼岳Tシャツやバッジが人気です。宿泊する際には事前に予約を入れましょう。
登山帰りに立ち寄りたい!温泉情報
焼岳は活火山ということもあり、登山口付近に温泉があります。疲れた身体をゆっくり出湯でほぐすことができますよ。
新穂高の湯
岐阜側からの登山口に近い、高原川の清流の音が心地いい、岩場の合間に湧き出た天然温泉です。橋の上から湯船が見え、さらに混浴とハードルは高いのがネックですが、野趣あふれる出湯をぜひ。
新穂高温泉地まで足を延ばせば「ひがくの湯と登山者食堂」や各旅館などの日帰り温泉もありますよ。
上高地温泉ホテル
3種類の源泉かけ流し湯が魅力な日帰り温泉です。無料で入れる足湯もあるため、足の疲れをゆっくり取ることができます。
登山口へのアクセス・駐車場情報
中の湯・焼岳登山口
【クルマの場合】
長野自動車道「松本」IC−国道158号−焼岳 登山口駐車場
【公共交通機関の場合】
・JR中央本線「松本」駅もしくは松本電鉄「新島々」駅下車、アルピコ交通バス路線バスに乗換−「中の湯」バス停下車
アルピコ交通|路線バス 松本~新島々~上高地
・JR高山本線「高山」駅下車、濃尾バスに乗換−「中の湯」バス停下車
濃飛バス|高山・新穂高・平湯温泉~松本線
【高速バスの場合】
・アルピコ交通さわやか信州号乗車(都内〜中の湯までの直通バス)
さわやか信州号|時刻表
中尾高原登山口
【クルマの場合】
長野自動車道「松本」IC−国道158号−県道475号−中尾高原口バス停駐車場
【公共交通機関の場合】
・JR高山本線「高山」駅下車、濃尾バス乗換−「中尾高原」バス停下車
濃尾バス|高山−新穂高ロープウェイ
・JR中央本線「松本」駅下車、アルピコ交通特急バス乗換−「中尾高原」バス停下車
アルピコ交通|特急バス 松本-高山・新穂高温泉
ここにしかない景色を堪能し尽くしましょう!
焼岳にはいくつもの楽しみが詰まっています。立ち上がる噴煙にワクワクし、山頂からの絶景に感動をもらい、見事な紅葉に心奪われる。ここに登らなければ味わえない、唯一無二の景色が登山者を待っています。
上高地からもほど近く、日帰りで行ける百名山の焼岳に今シーズン挑戦してみてはいかがでしょうか。