テント泊登山はじめの一歩|実践編
しっかりと準備してパッキングした荷物を背負って、登山道を歩いてきたあなたは、テント場に到着。
さあ、まずは何から始めればいいのでしょうか?
テント場での行動を時系列でチェック!
テント場に着いてから次の日に出発するまでの行動を、時間を追って見ていきましょう。テント泊のイメージを膨らませながら、注意点も確認してみてくださいね。
1.テント場に到着
1日歩いてようやくたどり着いたテント場。小屋泊ならここからは完全に休憩時間で、夕食ができるのをのんびり待つだけですが、テント泊ではそうはいきません。これからまだまだやることはいっぱい。明るいうちに必要なことを済ませるように、時間を意識して行動しましょう。
2.受付
テント場が混雑しているときなど、まずはテントを張って場所を確保したくなりますが、それはルール違反。とりあえず荷物を降ろしたら、何よりも先にお財布を持って管理小屋へ行き、受付を行ないます。
その際に、トイレや水場の場所や利用ルールなど、必要な情報を確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症対策のため、除菌グッズで手指を消毒し、
今は多くのテント場で事前予約が必要ですが、可能なら予約表をプリントアウトして必要事項を記入し、提出するだけの状態にして持って行くのがおすすめ。受付の時間を短縮でき、人との接触を減らすことができます。
3.テントを張る場所を決める
テントを張る場所によって、快適度は大きく違います。場所選びのポイントを事前にしっかりと頭に入れて、その条件にできるだけ近い場所を選びましょう。
あらかじめ区画が決められているところもありますが、到着が遅くなると、条件のよいところが埋まっているどころか、場合によっては張る場所がないなどということにもなりかねません。快適に過ごしたいなら、できるだけ早く到着することが重要です。
4.テントを張る
テントの張り方は、この時点ですでに習得しているはず。しかし、場所が変われば事情も変わります。練習よりもスムーズに張れるなどということはまずないと考えて、余裕を持った行動をすることが必要です。
忘れ物などがないのは大前提ですが、ペグが打てない、平坦な場所が見つからないなどの場合にも、どのように対処するかをあらかじめ学習しておきましょう。
テントの設営の妨げになるからと、木の枝を折ったり、水はけをよくするために地面に溝を掘ったりするのは絶対にNG。
テント場やっていいのは、地面の石を動かすことだけ。自然や地形に手を加えることは、一切行なってはいけません。
5.水を汲む
ここで水の確保をしておきましょう。明日の朝までに使う量を最低限確保しておけば、暗くなってから水場を往復する必要もありません。
行動中に使う水筒やハイドレーションをいっぱいにし、それ以外にも調理などで使う水を汲むためには、空のウォーターバッグがあると便利。サブバッグがあれば、遠い水場での水汲みも楽にできます。
水汲みのタイミングで、必ずやってほしいのが水を飲むこと。テント場に着いて歩くのをやめたとたん、水分補給に意識が及ばず、実際は水分が不足しているのに、気づかないまま就寝して、体調不良を起こすことがあります。
「まずはビール!」といきたいところですが、その前にしっかりと水分補給することを忘れずに。
6.テントの中を整える
突然雨が降り出しても慌てないように、早い段階でシュラフを出して寝床を整え、テント内を使いやすい状態に整理しておきましょう。
自分が使いやすいことが第一ですが、“整理整頓”が快適なテント生活の基本。押さえておきたいポイントをいくつがあげておきます。
また、テント内で動くときは、コッヘルやガスなどの硬いものを落としたり、硬いものの上から圧力をかけたりしないように注意。床面の生地を傷めることになります。

脱いだ靴を夜も前室に置いたままにする人がいますが、就寝中は前室に置かず、軽く土を落としたらスタッフバッグなどに入れて、テントの中に入れましょう。
前室に置いておくと雨に濡れるばかりでなく、靴の水分が夜の間に冷えて、次の朝に不快な思いをすることがあります。
7.食事の準備をする
今夜の住環境が整ったら、次は食事の準備。季節や山行スケジュールにもよりますが、次の日の行動時間を考えると、6時ごろには就寝するために、遅くとも夕方の5時くらいには、食事の準備を始めたいところです。
基本的にテント内で火器は使えませんので、炊飯も外で行ないます。そのため、明るいうちに済ませることが重要なのです。
火の取り扱いには充分注意しましょう。テントは火に弱く、燃えて溶けたものが体に触れると非常に大きなやけどの原因になります。悪天候時には、小屋の自炊場を使うことができます。
ゴミはすべて、どんな小さなものも残さず持ち帰ります。そのためにも、インスタント食品のパッケージや小分け袋をあらかじめ外しておくなど、できるだけゴミになるものを減らすことも大切です。