テント泊登山はじめの一歩【計画編】~日程&山選び~

2021/01/10 更新

はじめてのテント泊成功の秘訣は、事前の準備にあります。しっかりと計画を立てることが重要です。そこで、多くのテント泊講習会などで講師を務める登山ガイドの平川陽一郎さんに、どんなところに気を付けて計画を立てたら良いのかを教えてもらいました。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

テント泊登山はじめの一歩|計画編

出典:PIXTA
ビギナーがテント泊を楽しく安全に楽しむために、事前の準備が重要なのはいうまでもありません。なかでも、いつ、どこの山に、どんなルートで行くのかという計画が、とても大切であり難しい部分でもあります。何に気を付けて計画をしたらいいのか、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

はじめてのテント泊にあった計画とは?

テント泊のための道具を揃え、テントの設営や撤収、食事や水の準備や管理などをしっかりと学習し、それぞれのステップを踏んでしっかりと準備を整えたら、いよいよ本当のテント泊デビュー。これまでに学んだことを、トータルで実践する段階です。

はじめてのテント泊登山を楽しみにしている登山者
出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部
「憧れのあの山に行きたい!」
「山ごはんは何を作ろう……」
「せっかくだから縦走で」

あれもこれもと思いがつのるところだとは思いますが、本番は練習ほどうまくいかないのが世の常。最初から欲張りすぎると、せっかくの初めてのテント泊が、苦い思い出になりかねません。計画を制するものがテント泊を制すといっても過言ではないのです。

はじめてのテント泊を計画するときに、押さえておきたいポイントは大きく6つ。

はじめてのテント泊を計画するときに、押さえておきたい6つのポイント
出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

① 天候の安定しない時期を避ける

快晴のテント場と悪天候(雨雪)のテント場
出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部
天候が良い時と悪い時では、テント泊の難易度はまったく違います。最初は、できるだけ条件のいい時を選ぶことが大切。気温があまり低くならず、台風や長雨の影響を受けないこと、もちろん最初は無雪期から始めましょう。

登山前に天気を確認する登山者
撮影:YAMA HACK編集部
テント泊に限ったことではありませんが、天候を予測するのは登山の重要なテクニック。テント泊の場合はその重要性が、さらに高まるということです。とはいえ、山の天気は予測できないことが起きて当たり前。充分な準備と心構えも不可欠です。

② まずは1泊2日からスタートする

1泊2日と2泊3日のテント泊装備の重さのイメージ
出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部
初めてのテント泊なら、まずは1泊2日から。泊数が増えればその分荷物も重くなり、リスクも比例して大きくなります。まずは無事に山中で一晩を過ごすことから始め、問題点や改善点がないかを確認し、少しずつ期間を長くしていきましょう。

③ 余裕のある山やコースを選ぶ

山のグレーディング表を確認する登山者
撮影:YAMA HACK編集部
重い荷物を背負うことで、普段よりも歩くのが遅くなったり、いつもなら難なくこなせるクサリ場にてこずったり、テント泊では日帰りや小屋泊に比べて体力も消耗し、時間もオーバーしがち。トラブルがあっても対応できるよう、体力的にも技術的にも、充分に余裕のあるコースを選びましょう。

最初のうちは、行動量としてはちょっと物足りないくらいがちょうど。慣れない環境で充分に睡眠がとれないことなどもあるので、2日目も目いっぱいの行動予定を立てるのは避けるのが賢明です。


④ 登山口から近い、樹林帯のテント場を選ぶ

樹林帯のテント場と山頂付近のテント場
出典:PIXTA 撮影・編集:YAMA HACK編集部
山頂に近い稜線のテント場は、高度感があって展望も期待できますが、荷物を背負って歩く距離が長くなるため、体力的にはハード。慣れないうちは登山口から近いテント場を基点に、荷物を置いて身軽に山頂を目指すスタイルがおすすめです。

また、山頂に近くなるほど雨風や雷などの影響を受けやすく、岩質の地面でペグが刺さらなかったり、斜面や狭い場所にテントを張らなければならなかったりと、設営にもなにかとコツが必要になります。登山口に近い樹林帯のテント場なら、風の影響を受けにくく、下地も土で比較的平らな場所も多いため、初心者向きといえます。

⑤ 営業している山小屋のテント場を選ぶ

山小屋の近くのテント場
出典:PIXTA
万が一何かトラブルが発生したときのため、近くに営業している山小屋があるテント場を選ぶと心強いでしょう。忘れ物や足りないものを売店で購入できる場合や、荒天で屋外での食事の用意が難しいときに、テント泊者用の炊事場が使える場合もあります。

ただし、今は多くの山小屋が予約制をとっているため、急な食事や宿泊は難しい場合がほとんど。山小屋があるからと油断するのは禁物です。

⑥ 水の確保が手軽にできるところを選ぶ

水場
撮影:YAMA HACK編集部
水場が整備されているテント場を選びましょう。無料で使えるところや、有料で水場が使えるところ、量り売りのところなどがありますが、水場がなく自分で担ぎ上げなければいけないところは、何倍もテント泊自体の難易度が上がってしまいます。

自分で水場を探さなければならないところや、水場はあってもテント場から遠いところ、時期によっては普段水量が豊富な水場が枯れていることもあるので、事前にしっかりと調べておくことを忘れずに。

テント場でくつろぐ姿をイメージしながら、計画を立ててみよう!

はじめてのテント泊登山の山行j計画を立てている登山者
撮影:YAMA HACK編集部
これら6つの条件を確認したうえで、はじめてのテント泊にふさわしい場所を探してみましょう。

今は山小屋だけでなく、テントサイトも予約が必要なところが多くあります。混みあうこともありますので、行きたい場所が決まったら早めに予約しておきましょう。

条件は同じでも、山やテント場によって雰囲気はまったく違い、それぞれに特徴や魅力があります。どんな所かを想像する時間も、テント泊の一部であり、それがまた楽しいところ。イメージを膨らませて、好みの場所を見つけてください。

平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
初めてのテント泊で一番大切なのは、楽しく過ごせたという成功体験

充実した時間を過ごせた、心から楽しいと思えた、準備してきたことが生かせたという実感を得られることが、次のステップにつながり、もっとテント泊をしたいと思えるはずです。

できるだけ景色のいい、居心地のいいテント場を選んで、楽しい時間を過ごしてください。そうすれば山の楽しみもどんどん広がっていくと思いますよ。

教えてくれた人|登山ガイド・平川陽一郎さん

平川ガイド
平川 陽一郎(ひらかわ よういちろう)
高校・大学の山学部で本格的な登山を学び、北アルプスや谷川岳を中心に国内外の山々でクライミングを行なう。卒業後は登山業界に入り、複数社の登山用品店で店長を務める。その後、ガイドとして独立。現在は、(株)finetrack直営店 TOKYO BASEとHIBIYA HUTを拠点に登山技術講座も数多く開催している。並行して、(公)日本山岳ガイド協会正会員のマウンテンガイド協会会長、ガイド協会の危急時対応技術指導員、(公)日本山岳会 埼玉支部国内山行委員や登山クラブ「やま塾」の代表として安全登山の啓発活動を行っている。

いろんなテント場を見てみよう!


山のグレーディングを確認しよう!


天気についても知っておこう!


テント泊登山はじめの一歩


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はじめてのテント泊登山の山行j計画を立てている登山者
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小川 郁代

犬と音楽とお酒大好きのインドア派が、クライミングと出会ってアウトドアの世界へ。登山、ハイキング、最近は沢登りとBCクロカンに夢中。山に行くだけじゃわからない「山のコト」を伝えたい。

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