テント泊登山はじめの一歩|準備編

【食料計画】 どんな山ごはんを作る?

登山の食事で重要なポイントは4つ

何かとすることが多いテント泊では、できるだけ早く効率的にできることが大切。早くできれば時間の節約になるだけでなく、ムダな燃料を使うこともありません。食材を事前にカットして持って行く、途中まで調理しておく、半調理の食材を選ぶなどの工夫をしましょう。
②傷みにくい
肉や魚、野菜などの生鮮食品を使う場合には、できるだけ鮮度の落ちにくい食材を選び、とくに気温の高い時期は、冷凍や油を使って調理してから持って行くなど、携行方法にも工夫が必要です。複数日にわたる際は、傷みやすいものから順に使用し、後半は乾燥食品や、常温保存できるものを使うようにしましょう。
③充分な栄養が補給できる
食べる楽しみや満足感に加え、長時間行動に必要な栄養素を摂取できることもとても重要。疲れて食欲がない時でも、カロリーを効率的に摂取できるものを中心にメニューを考えましょう。
④軽くてかさばらない
フリーズドライ食品などをうまく利用して、できるだけ軽量化を試みましょう。夕食と次の日の朝食で同じ材料を使ったり、夕食をリメイクして朝食にしたりすることで、食材を効率的に使うのも有効です。
平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
食べることは大きな楽しみですが、朝昼晩と3食とも手をかけることはできません。とくにテント泊初心者は、食事のために荷物を増やしすぎて、背負いきれずにバテてしまうことがよくあります。
朝食は手早く手軽に、昼食は行動食ですませ、夕食だけは好きなものを食べる、食事は質素にする分お酒やデザートなどの嗜好品はがまんしないなど、メリハリをつけるのがおすすめです。
食べることは大きな楽しみですが、朝昼晩と3食とも手をかけることはできません。とくにテント泊初心者は、食事のために荷物を増やしすぎて、背負いきれずにバテてしまうことがよくあります。
朝食は手早く手軽に、昼食は行動食ですませ、夕食だけは好きなものを食べる、食事は質素にする分お酒やデザートなどの嗜好品はがまんしないなど、メリハリをつけるのがおすすめです。
レーション表を作ろう

また、最初に予定よりも食べすぎてしまい、途中で食材が不足したり、せっかく持って行ったのに食べ忘れたりということも防げます。
必要なものをリストアップ

火器やクッカーを扱うときに鍋つかみとして使えるよう、軍手や手ぬぐいなど、熱に強い綿素材のものを用意するのも忘れずに。高所ではコンロの着火装置の火花が飛ばないこともあるので、予備としてライターも必ず持って行きましょう。
平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
メインの食事に合わせて、毎食意識してとりたいのがお茶類。標高が上がると動脈血酸素濃度が低くなって血液が濃くなるので、水分補給は積極的に行なわなくてはなりません。
行動中は水でも飲みやすいですが、食事のときはお茶のほうがたくさん飲むことができ、食欲のない時はごはんにかけてお茶漬けもできます。日本茶以外にも、好みでいろいろな種類を用意するのといいでしょう。そのまま飲んでもおいしく、調味料として料理にも使える、昆布茶もおすすめです。
メインの食事に合わせて、毎食意識してとりたいのがお茶類。標高が上がると動脈血酸素濃度が低くなって血液が濃くなるので、水分補給は積極的に行なわなくてはなりません。
行動中は水でも飲みやすいですが、食事のときはお茶のほうがたくさん飲むことができ、食欲のない時はごはんにかけてお茶漬けもできます。日本茶以外にも、好みでいろいろな種類を用意するのといいでしょう。そのまま飲んでもおいしく、調味料として料理にも使える、昆布茶もおすすめです。
【パッキング】 どう詰める? 忘れ物はない?

できるだけすばやくテントを設営するために、先に使うものが取り出しやすいよう、作業を逆算して荷物を詰めることを意識しましょう。
平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
行動中、バックパックの一番上にあるのは、行動食とテント。天気が悪ければそこに雨具が加わります。
すぐに使わないテントが一番上というのを意外に思うかもしれませんが、テント場に着いたときに雨が降っていても、まずテントを張ってしまえば、他の荷物を濡らすことがありません。
とくに、絶対に濡らしたくないシュラフやマットは、テントが張れた後で最後に取り出すよう、詰めるときは最初にパッキングします。ザックカバーを使うだけでなく、防水パックに入れるなどの対策をしっかりしてからパッキングすることも必要です。

すぐに使わないテントが一番上というのを意外に思うかもしれませんが、テント場に着いたときに雨が降っていても、まずテントを張ってしまえば、他の荷物を濡らすことがありません。
とくに、絶対に濡らしたくないシュラフやマットは、テントが張れた後で最後に取り出すよう、詰めるときは最初にパッキングします。ザックカバーを使うだけでなく、防水パックに入れるなどの対策をしっかりしてからパッキングすることも必要です。
忘れ物をしないことがテント泊の絶対条件!

どんな装備も、山で初めて使うことがないように、必ず事前にチェックしておくことも重要。人から借りたりもらったりしたもの、中古品を購入した場合なども、破損などがないかを確認しておきましょう。
平川ガイド
▼ワンポイントアドバイス
ダウンは、長期間保管しているとどうしてもロフトが減ってしまうので、パッキングする前に一度天日干しすることをおすすめします。
一度干しておけば、そのあとコンプレッションバッグに入れても、出したときの復元力が保たれます。このひと手間で睡眠の快適性に違いが出ますよ。
ダウンは、長期間保管しているとどうしてもロフトが減ってしまうので、パッキングする前に一度天日干しすることをおすすめします。
一度干しておけば、そのあとコンプレッションバッグに入れても、出したときの復元力が保たれます。このひと手間で睡眠の快適性に違いが出ますよ。
準備は万端? 不要なものがないかもチェックしてみて!

忘れ物をしないよう、足りないものがないようにすることも重要ですが、不要なものを減らすことも同じくらい重要。慣れないうちはどちらかといえば、不安で多く持ちすぎてしまう傾向があります。同じ用途のものが重複していないか、ひとつのものを多用途に使いまわせないかを考えましょう。
一度自分の定番が決まってしまえば、あとは季節や状況に合わせて部分的なカスタマイズをするだけで対応できます。よく考えて準備をし、使った後で振り返って次に生かす、これを繰り返すことで、テント泊の準備はどんどんスムーズになっていくはずです。
教えてくれた人|登山ガイド・平川陽一郎さん
