テント泊登山はじめの一歩|準備編
はじめてのテント泊の計画が決まったら、当日までに準備を整えましょう。必要なものをリストアップして、忘れ物などがないように。出発の日までを逆算して、いつまでに何をするかも考えて進めましょう。
【食料計画】 どんな山ごはんを作る?
テント泊の日程に合わせて、いつ何を食べるのかを考えて、必要な食材を用意します。食べることは山の大きな楽しみのひとつですが、すべての食材や必要な調理道具などを背負って歩くことを考えると、何でも好きなものを持って行けばいいという訳にはいきません。重さと食欲とのせめぎ合いに決着をつけることが、山の食料計画の最重要課題です!
登山の食事で重要なポイントは4つ
①短時間でできる
何かとすることが多いテント泊では、できるだけ早く効率的にできることが大切。早くできれば時間の節約になるだけでなく、ムダな燃料を使うこともありません。食材を事前にカットして持って行く、途中まで調理しておく、半調理の食材を選ぶなどの工夫をしましょう。
②傷みにくい
肉や魚、野菜などの生鮮食品を使う場合には、できるだけ鮮度の落ちにくい食材を選び、とくに気温の高い時期は、冷凍や油を使って調理してから持って行くなど、携行方法にも工夫が必要です。複数日にわたる際は、傷みやすいものから順に使用し、後半は乾燥食品や、常温保存できるものを使うようにしましょう。
③充分な栄養が補給できる
食べる楽しみや満足感に加え、長時間行動に必要な栄養素を摂取できることもとても重要。疲れて食欲がない時でも、カロリーを効率的に摂取できるものを中心にメニューを考えましょう。
④軽くてかさばらない
フリーズドライ食品などをうまく利用して、できるだけ軽量化を試みましょう。夕食と次の日の朝食で同じ材料を使ったり、夕食をリメイクして朝食にしたりすることで、食材を効率的に使うのも有効です。
食べることは大きな楽しみですが、朝昼晩と3食とも手をかけることはできません。とくにテント泊初心者は、食事のために荷物を増やしすぎて、背負いきれずにバテてしまうことがよくあります。
朝食は手早く手軽に、昼食は行動食ですませ、夕食だけは好きなものを食べる、食事は質素にする分お酒やデザートなどの嗜好品はがまんしないなど、メリハリをつけるのがおすすめです。
レーション表を作ろう
行程中のすべての食事を、朝、昼、夕食ごとにレーション表(献立表)にしてみましょう。何が必要か、充分なカロリーが摂取できるか、同じようなメニューばかりに偏っていないかなどを確認することができます。
また、最初に予定よりも食べすぎてしまい、途中で食材が不足したり、せっかく持って行ったのに食べ忘れたりということも防げます。
必要なものをリストアップ
献立が決まったら、出発までに必要なものを用意します。食材や調味料はもちろんですが、メニューに合わせたクッカーや火器、ナイフなどの調理器具、ホイルや保存袋や片づけに必要なペーパー類、ごみ袋などももれなくリストアップしましょう。
火器やクッカーを扱うときに鍋つかみとして使えるよう、軍手や手ぬぐいなど、熱に強い綿素材のものを用意するのも忘れずに。高所ではコンロの着火装置の火花が飛ばないこともあるので、予備としてライターも必ず持って行きましょう。
メインの食事に合わせて、毎食意識してとりたいのがお茶類。標高が上がると動脈血酸素濃度が低くなって血液が濃くなるので、水分補給は積極的に行なわなくてはなりません。
行動中は水でも飲みやすいですが、食事のときはお茶のほうがたくさん飲むことができ、食欲のない時はごはんにかけてお茶漬けもできます。日本茶以外にも、好みでいろいろな種類を用意するのといいでしょう。そのまま飲んでもおいしく、調味料として料理にも使える、昆布茶もおすすめです。