きちんと危険に気づいていますか?
街では見れない景色、頂上についた達成感など、山には魅力がたくさんあります。でも、登山には見えない危険性も。大事なのは危険やトラブルを避けるために「何が危険なのか」をきちんと理解することです。
今回は、初心者に知ってほしい登山にまつわる危険が潜む写真を10枚用意しました。写真を見て「どんな危険」があるのか、考えていきましょう。
※今回の画像は記事作成用に撮影しました。危険なので真似をしないでください。
【問題①】商品タグ
いきなり登山中の画像ではないですが、サイズ・綿・水の温度・ネット使用…このどこにでもある商品タグのどこに危険があるのでしょうか?
“綿100%”という部分に危険が潜んでいます。
綿という素材は水に濡れると乾きにくい素材です。そのため、長時間動き続ける登山で綿素材を着ると汗で濡れてしまいます。汗で濡れた服を着ていると体温が下がってしまい、最悪の場合低体温症で命を落とす危険も。なので、登山ではポリエステルなどの速乾性のある素材の服を選び、汗で体が冷えないように注意することが基本です。
▼登山Tシャツに綿はさけましょう!
▼登山を楽しむために、汗冷え対策をしよう
【問題②】ザック(リュック)
ザック(リュック)の外にマットをくくりつけていたり、カラビナでコップや袋をぶら下げている登山者。なんだか、慣れている感じでかっこいいなーと思うかもしれません。この写真の一体何が危険なのでしょうか?
■正解
リュックの外にマットやコップなど、たくさんのものをつけているところ。
入り切らない荷物をザックにくくりつけたり、カラビナで外付けしたりすることはあります。ですが、道が狭い登山道では他の登山者にぶつかったり、木に引っかかったりして転倒につながるなどの危険性があることを知っておきましょう。できるだけザックの中にしまい荷物を安定させることが基本です。ザックに荷物がついていない方が、スマートに見えますよ。
▼外付けがどれくらい危険かはこの記事をチェック!
▼パッキングの基本が知りたい方はこの記事をチェック
【問題③】スマートフォン
カメラ機能や便利な登山用アプリなど山でもスマートフォンを使っている人も多いのではないでしょうか?写真のように歩きながら、スマートフォンでコースや地図を確認している人をよく目にします。
この写真にどんな危険が潜んでいるのでしょうか。
■正解
歩きながらスマートフォンを触っているところ。
写真機能やアプリなど登山に活用できる機能満載のスマートフォン。ですが、スマートフォンを使う時は必ず立ち止まって操作しましょう。山で転倒してしまうと、それだけで大事故につながる可能性があります。また、NTTドコモが行った調査で、歩きスマホの場合通常に比べて視野が1/20になってしまうこともわかりました。登山ではスマホの画面だけでなく、できるだけ周りの景色を楽しみながら歩きましょう。
▼山での転倒はとても危険です
【問題④】イヤフォン
登山中にラジオを聴いたり、好きな音楽を聞きながら歩いている人を見かけます。「音漏れもしてないし、誰にも迷惑かけてないじゃん」と思うかもしれませんが、この写真はとても危険です。
■正解
音楽やラジオを聞いていて、周りの音が聞こえない状態になっている。
登山において音というのは危険を収集する手段としてとても重要です。音が聞こえないと、落石に気づけなかったり、クマやイノシシなどの動物が近づいていても気づかず、襲われてから存在に気づくということになりかねません。登山中は周りの音が聞こえる状態にしておくほうが良いでしょう。
【問題⑤】登山開始時刻
さぁ!今から登山に行こう!というこの写真は何がいけないのでしょうか?
答えは次のページ→
■正解
登山開始時刻が午後(ほとんど夕方)ということ
登山では基本的に朝早く行動を開始します。その理由は行動可能な時間を長くすることなどもありますが、一番は雷に出会わないようにするため。雷は一般的に午前よりも午後のほうが発生しやすいと言われるので、できるだけ午後の行動時間を少なくします。
【問題⑥】木の枝
登山をしていると、写真のように目の前に木の枝が出てくるなんてことよくありますよね。
手で木の枝をつまんでよけてっと。この行為も少し危険です。それはなぜでしょうか?
■正解
木の枝を手で曲げているところ。
木の枝が戻る時に勢い良くバイーンっとなり、後ろの登山者の顔や目に当たり怪我をする危険性があります。できれば、体を屈めて木の枝を避けたり、枝を避けた手をすぐ離すのではなく、ゆっくりと元に位置に戻すなど、自然にも他の登山者にも優しくしましょう。
【問題⑦】岩場の歩行
この絵だけでは難しいかもしれませんが、岩場をトレッキングポールを持ちながら歩いている写真のどこに危険があるのでしょうか?
■正解
岩場で両手がふさがっている状態というのが危険なのです。
ゴツゴツした岩の上で、手がつけない状態でコケた場合、頭を打ったりと大怪我につながります。岩場でトレッキングポールを使用してはダメということではありませんが、特に岩場や急な坂では、トレッキングポールを使用しない方が安全に登れる場合もあります。そういった時はきちんと収納して両手が空いた状態にするなど、状況によってきちんと判断しましょう。
【問題⑧】トレッキングポール
トレッキングポールを手に持ったこの人。ここにどんな危険が考えられるでしょうか?
■正解
この持ち方だと、先端部分が後ろの登山者に当たり怪我をする可能性があります。
トレッキングポールを使わない時は、短くし、ザックに収納するなどして、安全で邪魔にならないようにしましょう。面倒だからといって、長いまま持つなどは周りの登山者に迷惑ですので、やめましょう。
今回はリュックにトレッキングポールを止めておくところがなかったので、サイドポケットとサイドベルトで固定し、さらに写真のようにしてトレッキングポール上部を束ねて、バラバラにならないように工夫しました。
▼ナイトアイズ ギアータイ
形を変えることで束ねたり、引っ掛けたり、立てかけたりできる便利な小物。サイズもたくさんあるので、色んなアレンジができます。
【問題⑨】快晴
太陽が輝く登山日和!素晴らしい景色ですね。この写真の危険性はどこにあるでしょうか?
■正解
帽子を被っていない所です。
登山は長時間日光を浴びるので、頭の温度があがり熱中症になる危険があります。特に夏場は必ず通気性の良い帽子で、日差し対策をしましょう。白色は日光を跳ね返す性質があるので、熱中症対策におすすめです。
▼熱中症対策をきちんとして登山に行こう
【問題⑩】記念撮影
こんな写真は山に行かないと撮れない素晴らしい景色の写真ですね。この画像の危険性はどこでしょうか?
■正解
断崖絶壁なので、滑落の可能性がある。
例えばこの写真ですが、とても躍動感があって楽しそうな写真です。しかし、着地のバランスを少し崩すだけで大事故につながります。山でしか見れない素晴らしいスポットで記念写真を取るのも山の楽しみの一つ。周りや安全に配慮して、思い出に残る写真を撮りましょう。
安全に登山を楽しもう!でも、危険にも気をつけて!
登山には本当にたくさんの魅力がありますが、一つ間違えると命の危険につながることもあります。どんな危険性があって、どうやって対処すればよいかを知っておけば、安心して登山を楽しめるようになります。自分と周りの安全に気を配って山を楽しみましょう。