登場!外付け増々ザック!
いろんな物が外側に付いた状態のザックを背負った登山者に山で出会ったことはありませんか?なんだか登山に慣れている感じもして、かっこいいな~やってみたいな~と憧れている人もいるのでは?
でもちょっと待ってください。実はコップをザックに外付けしていると「危ないよ」という優しい注意や「やめろ!」と怒鳴られるなんて苦い経験をしたことがある人もいるんです。
「ザックへの外付け」に関して賛成派・反対派の意見を聞いてみた
外付け賛成派と反対派の意見を聞いてみました。
【外付け賛成派の意見】
【外付け反対派の意見】
「ザックへの外付け」と言っても、その理由は様々。
反対派の方が言う「外付けは危ない」というのはよく聞きますが”何がどれくらい危険なのか”は、ほとんど誰も教えてくれません。
そこで今回、より安全に登山を楽しむためにザックへの外付けにどんな危険が潜んでいるのか検証してみました。
外付けの有無で”どれくらい危険度が変わるのか”徹底検証!
今回はテント泊(1泊2日)を想定し、以下の3パターンの状態で検証。
以下の3つのシチュエーションを想定し、実際のフィールドへ。
①枝が生い茂った道を歩いた場合
②細い登山道をすれ違った場合
③転滑落で外付けした物の落ちやすさ
ケース①:枝の生い茂った道を歩いた場合
整備があまりされていない登山道では、木々が道まで飛び出していることもしばしば。ザックが木に引っかかってしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。
【検証をしてみて】
❶:ザックのバランスが悪く動きにくいため、枝を避けずにそのまま低い姿勢で突き進むだけに。案の定、枝に思いっきり引っかかっています…。
❷:感触としては枝を避けたつもりなのですが、雨蓋に付いたコップが引っかかってしまっています。
❸:ザックの重さは感じるもののスイスイと枝を避けながら進めました。
・ザックから飛び出ていたりブラブラな状態のものは木の枝に引っかかりやすく、体勢を崩したり転倒する恐れがある。
・❶は重心が不安定なため、背負った感覚が❷、❸と比べて重く感じる。
ケース②:細い登山道をすれ違った場合
テントマットなどは、ザックのサイドに取り付けることも多くなります。そういった外付けの想定で検証をしてみました。
【検証をしてみて】
❶:左右のバランスが異なるため、若干左右にフラれながら歩くことに。すれ違い時に「足を滑らせないか」という緊張があり、やや道の中央に寄って通過した結果、右側のテントマットが歩行者をかすり、相手も反射的に仰け反るような格好に。
❷:歩行感覚は❸と変わりません。今回はトレッキングポールが左側に付いていますが、右側だった場合、相手の目をかする位置に来てしまっています。
❸:横に装備が付いている不安もなかったので、相手との距離間を考えながらスムーズに通過することができました。
・左右のバランスが悪いためフラつきやすく、転倒・滑落の危険がある。また、いつも通り歩いているつもりでも激しく体力を消耗していく。
・仮に歩行者とぶつかってしまった場合、自分だけでなく相手を危険に晒してしまう可能性もある。。
・突然ぶつかってこられたので「うわっ!」という感じで反射的に体が動いてしまった。体勢が悪い場所での待機は怖い。
・できる限り待機する側は平らで広い場所を選ぶことが望ましい。必要であれば広い場所まで戻ることも大切。
ケース③:外付けした物の外れやすさ
仮に滑落してしまった場合、ザックは崖を転げ落ちボロボロになってしまうでしょう。しかし装備がザック内に残っているかどうかが、生死を左右する可能性もあります。
転倒・滑落時を想定し、ザックがひっくり返った際の物の外れやすさを検証してみました。
【検証をしてみて】
❶:ほとんどの物がザックから飛び出しています。今回はカラビナで繋げているので落ちはしませんが、滑落して転げ落ちた場合はこの中のほとんどの物が飛び散ってしまう可能性が高そうです。
❷:ポーチが首に引っかかりそうになっています。ブラブラした物の外付けは、滑落時に首を締めてしまう可能性もありそう。
❸:何も付いていないので何かが外れることはありませんが、ザックが背中にくっついてくれている安心感がありました。
・外付けした装備は、ちょっとした衝撃や引っかかりで簡単に取れてしまいそう。物を紛失したりゴミを落とすことも。
・しゃがんだ時に外付けした荷物が頭などに当たり、バランスを崩す可能性がありそう。
・ヒモなどのブラブラしたものは、首に引っかかる可能性もあり危険。