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【外付けNG】というけど、誰も”どれくらい危険”か教えてくれないので検証してみた(2ページ目)

外付けの『何が危険』だったのか考えてみた

問題点の一覧
作成:YAMA HACK編集部

検証で上記のようなことを感じました。もう少し深く考えてみましょう。

①バランスが悪くフラつく

撮影:ぶん

外付けされた装備はザックの中心から離れた部分に付けられているため重心が安定せず、身体がフラつきやすくなります。

バランスが悪い中での歩行は体力の消耗も激しくなりますし、狭い登山道ではすれ違いの時に邪魔になったり、不意の接触で転倒や滑落の危険も。

出典:PIXTA

特に岩場や鎖場、狭い登山道では命の危険につながることもあります。

②木や岩に引っかかる

撮影:ぶん

外付けされた装備はザックからはみ出していたりブラブラな状態になっていることが多く、木の枝や岩に引っかかりやすくなっています。引っかかることでバランスを崩し、転滑落のリスクになったり装備を紛失してしまいます。

4の検証
撮影:ぶん

特に引っかかることが多かったのは、トレッキングポールでした。先端がザックよりも高い位置に飛び出ていることや突起した形状をしていることが要因として考えられます。

またストックに引っかかった場合は気付かず進んでしまうことが多く、画像のような「枝の跳ね返り」にも注意が必要だと感じました。

③装備やゴミを落としても気付かない

落し物
撮影:ぶん

外付けした装備やゴミ袋は、引っかかると簡単に落ちてしまいます。装備の紛失にもなりますし、落としてしまったものは山に残り自然を汚してしまうため、落としものをしないようにしましよう。

ゴミ袋
撮影:ぶん

1時間程度のヤブ歩きでゴミ袋はあっという間にボロボロに。ゴミ袋の外付けはやめましょう。

外付けになりがちなアイテムはこうやってパッキング!

基本の安全なパッキング
撮影:ぶん

基本的な考え方として「不要な外付けはせず、なるべくザック内に収める」ということを意識したパッキングが大切。

もし装備が入りきらず外付けが多くなってしまう場合は、ザックの容量を大きくしたり、持っていかなくてもいい荷物も減らすなどしましょう。

コップ&サンダル

サンダルとコップ
撮影:ぶん

コップやサンダルは基本的にどちらもザック内に。

サンダルはテント設営後に使用するものなので、ザックの下部に眠っていても問題ありませんし、コップも基本は休憩中に使うので、ザック内のすぐ取り出せる場所でOKです。

ゴミ袋

食料・ゴミ袋
撮影:YAMA HACK編集部

ゴミ袋の外付けはNGです!山の自然を守るためにも、ザック内に入れることを徹底しましょう。まず準備段階で不要なゴミを減らす工夫が大切

例えばお菓子などの紙パッケージは、登山に必要ないので置いていけますし、ビニール包装も全部出してしまって、1枚のジップロックにその日の行動食をまとめてしまえばさらにゴミを減らすことが可能。

また、ジップロックがニオイや液漏れをシャットアウトするゴミ袋代わりにもなります。

トレッキングポール

トレッキングポールの収納
撮影:ぶん

トレッキングポールは外付けすることが多いアイテム。ザックの形状によって取り付け方法は異なってきますが、ザックの高さを超えずになるべくザックと密着することをイメージしてパッキングしてみましょう。

また、トレッキングポールの種類によってはコンパクトにパッキングができる三つ折り可能なモデルもあるのでおすすめです。

※)今回の検証では、トレッキングポールの引っかかり具合を確かめるために、ザックの高さを超える位置にポールを取り付けています。

テントマット

テントマットの安全な外付け方法
撮影:ぶん

テントマットも外付けになりやすいアイテムの代表格。一概に「ここに外付けすると良い」というのはなく、①すれ違い時に邪魔にならないこと②バランスを取りやすいことの2点を考慮しながら、山行内容やルートに応じてパッキングしてみましょう。

少しコツが必要ですが、ロールタイプのものは筒状にしてザック内に入れ込む方法があり、マットを収納するための有効な手段として使えます。

どんなリスクがあるかがわかれば、必要なものが見えてくる

まとめ
撮影:ぶん

山行スタイルや行く場所によってはどうしても外付けをしなくてはいけない場面は出てきてしまいます。しかし、今回の実験で外付けに潜む危険がどんな風に危険なのかわかったと思います。

大切なのは「外付けがなぜダメなのか?」 「どのくらい危険なのか?」を頭に入れてパッキングを行うこと。

パッキングが終わったザックを眺めながら「この外付け必要かな?」「もしかしたらもっと工夫できるかも」というのを考えてみてください。それを癖づけていくことで、登山そのものの『安全』に対する意識も変わっていきます。

また、不要な外付けを見つけてアドバイスしたい場合もいきなり怒鳴りつけるのではなく、しっかりと理由やそこに潜むリスクを伝えましょう。そうすればきっと不要で危険な外付けは減らせるはずです。

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