極寒の世界は装備や知識の不足が命につながることも

冬山と雪山の違いは?

雪山で起こる8つのリスク
雪山で起きうる8つのリスクをご紹介します。中には夏山と同じものもありますが、その発生原因や頻度は夏とは違ったものになっています。雪山ならではの注意点を抑えておきましょう。①雪目

雪目になると、目がゴロゴロしたり、目が痛くて眩しい、涙が出る、といった症状が現れます。また、症状が現れるのは紫外線を浴びて6~10時間後と、時間差で現れるのも特徴です。
対策としては、サングラスやゴーグルをすることで、この紫外線の照り返しから目を守ること。紫外線の反射率は新雪で80%にもなり、雪山へ行くときは晴れていても曇っていても必ず対策をする必要があります。
■雪山用サングラス・ゴーグルの選び方

また、紫外線は雪面で反射するので、正面だけではなく全方位に気を付けなければなりません。特にサングラスの場合、レンズが湾曲し、顔に沿っているものが望ましいです。
また、テンプルが太く、レンズが大きいものもおすすめ。サングラスと顔の隙間から光が入りにくいものを選びましょう。
帽子やバラクラバとの併用もGOOD!他にも、紫外線を防げても、日光の強い反射は目の負担になることが考えられます。偏光レンズのものも検討しましょう。紫外線の反射からしっかりガードでき、天候が変化したりガスがかかっても対応可能なレンズの濃さが良いですよ。
②道迷い

また、降り積もった雪によって先行者や自身の足跡は短時間で消えることもあります。そうしたことから、トレース(踏み跡)を当てにすることはできず、地形から現在地や進む道を自分で決める必要があり、しっかりとした読図・ルートファインディング力が求められます。
厳選 雪山登山ルート集
カラー写真を豊富に使用し、日本の初級~中級レベルの雪山ルートを50コース取り上げています。初心者が雪山登山を始めるときの教科書的な役割を担うでしょう。地図情報や山のデータはもちろんのこと、ルートのポイントも写真付きでわかりやすく解説されています。
③ホワイトアウト

ホワイトアウトが起こる原因としては様々な理由があります。吹雪や地吹雪によって雪が舞い上がることで発生することもあれば、大量降雪や霧で視界が極度に悪くなることで起こることもあります。また、雪原の表面や雲による光の乱反射などによって視界が悪くなることで起こる場合も。一度ホワイトアウトに陥ると、行動が大変難しくなります。
④雪庇

雪庇はとても脆く、実際の地形と雪庇部分の判別が難しいこともあって、尾根を歩く時に気付かずに間違って踏み抜いてしまうと谷底へ転落してしまいます。命取りとなるので、雪庇が作られやすい場所の情報や立木の位置などから安全なルートを割り出すルートファインディング能力が求められます。
⑤雪崩

時期としては、気温が低い1月~2月の厳冬期に雪崩が起きやすく、既に大量の積雪がある中でさらに一度に大量の雪が降ったときは要注意!気温が上昇する春先で、寒暖差が激しい場合にも注意が必要です。
⑥低体温症

最初は体の震えや強い疲労を感じますが、進行すると意識が混濁し、立つこともままならなくなります。低体温症の主な要因は、低温環境・濡れ・風の3つ。そのため、条件が重なれば、夏山でも濡れた衣服の気化熱などで低体温症が起こりますが、低温環境である冬山ではさらに危険が高まります。
対策としては、汗による濡れを警戒し、速乾性のあるベースレイヤーなどを着て気化熱で体温を奪われないようにしましょう。休憩時にはアウターを着こんでエネルギー補給をしっかり取ります。疲労は低体温症を悪化させることになるので休息はしっかりと取りましょう。
⑦凍傷

より症状が進行すると細胞が壊死し、その部分を切断しなければならなくなります。体の末端部分である手足の指先や耳、鼻、顔面などが凍傷になりやすく、重症化しないためには予防や早期の対処が欠かせません。手袋やバラクラバ、ネックゲーターなどを着用して肌が外気に触れたり濡れたりしないようにしましょう。手足や耳たぶが冷えてじんじんと痛みが出てくると注意が必要です。動かしたり擦ったりして、血行を促しましょう。
⑧滑落・転落

一人ではじめないで!講習会やツアーへの参加がオススメ

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雪山のリスクをしっかり学んで安全に雪山を楽しもう!

その反面、夏とは違う雪山ならではの魅力があるのもまた事実。是非とも挑戦したいと考えている人は、ツアーや講習会などからその一歩を踏み出し、安全に雪山を楽しんでください。
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