【初めての雪山用手袋】種類が多くて選べないから登山道具のプロに聞いてみた!

2018/11/04 更新

夏や秋の山も楽しんで遂に雪山デビュー!でも、ちょっと待ってください。雪山は一面に広がる美しい景色も魅力ですが、同時に寒さなどのリスクにも気をつけなければいけません。特に寒さを感じやすいのが体の末端にある手と足。今回は、手を雪山の寒さから守るための「雪山用手袋」の選び方について登山用具のプロに聞いてきました。手袋は種類が多いので、ぜひ初めての雪山用手袋選びの参考にしてみてください。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

今年こそ雪山デビュー!でも、雪山の道具の選び方がわからない。

雪山
出典:PIXTA
見渡す限りの真っ白い世界など、非日常感満載の美しい景色を楽しむことができる雪山登山。「今年こそ、雪山デビューしたい!」と思っている人も多いのでは?

しかし雪山はその美しさの反面、「寒さ」などの厳しい一面も持ち合わせています。そのため雪山登山をするのであれば、十分な機能を持った装備を揃えておくほうが安心です。

雪山装備の中でも、重要な手袋。なんとなく「暖かさ」が重要なのはわかるけど、調べてみると種類も多くどうやって選べばいいのかわからないなんてことも。
特に『インナー』『オーバーグローブ』など、ウェア選びにでてくるような言葉まででてきて、なんだかむずかしそう。
Mt.石井スポーツ
撮影:YAMA HACK編集部
そこで『雪山で使う手袋』の選び方の基本を、山道具のスペシャリストであり、登山ガイドの資格も持つMt.石井スポーツ登山本店の金井さんに教えてもらいました。

雪山用の手袋ってどうやって選べばいいの?

雪山 手袋
撮影:YAMA HACK編集部
登山用の手袋売り場って、種類も多くてどこから選べばいいかさっぱり。
夏に使うトレッキンググローブじゃだめなのはわかるけど、どうやって選んでいけばよいのでしょうか?

必要な機能は『保温性』と『防水性』

雪山 登山者
出典:PIXTA
雪山で手袋をする一番の目的は『防寒』。手は体の末端にあるためとても冷えやすく、凍傷などの危険も潜んでいます。
外気温や濡れで手を冷やさないように「保温性」と「防水性」を中心に考えましょう。

雪山用の手袋は、異なる役割を持つ手袋を組み合わせる「レイヤリング」か、保温と防水機能が一つになった「オールインタイプ」に分類できます。
それぞれの強みと弱みを聞いてみました。

レイヤリングの魅力は柔軟性

手袋
撮影:YAMA HACK編集部
手の上に直接身につけるインナー手袋、保温の機能を担う中間部、防水機能が求められるオーバーグローブの3つを基本的に組み合わせる方法。
【強み】
・手袋の組み合わせによって、暖かさや必要な機能を調整できる
・破れても、単品商品のみ買い換えればよい
・防水の機能を持った手袋だけを状況に応じて、単品で使うことも可能
・ピッタリフィットしていないため、空間ができることでオールインワンよりも寒さを感じにくい

【弱み】
・別の商品を組み合わせるので、うまく組み合わせられないこともある
・3つの手袋をするためフィット感は、オールインタイプに比べると劣る

雪山でも行動中は暑くなることがあるので、インナー+オーバー手袋だけにすることもあるとか。

オールインタイプはすばやく着用できる

オールインワン
撮影:YAMA HACK編集部
インナー手袋だけをつけて、その上から保温と防水機能を持ったオールインタイプの手袋を着用。
【強み】
・すばやく着用できる
・中間部とオーバーグローブに当たる部分のフィット感がある
・一緒になっているので、組み合わせがうまくいかず着用できないことがない

【弱み】
・温度調整などができない
・破れた場合、全てを買い換えないといけない
・フィットして無駄な隙間がないことで、外の温度を伝えやすくする

基本的にはレイヤリングがおすすめ

撮影:YAMA HACK編集部
初めての雪山用の手袋を選ぶのであれば、
・温度の調整ができる
・濡れても交換しやすい
という使い勝手の良さから、『レイヤリング』がおすすめなんだそうです。ですが、レイヤリングもオールインワンタイプも強みと弱みがあるので、お店に行って自分の登山スタイルを経験豊富なスタッフの方に相談して選びましょう。

インナー・中間部・オーバー手袋の選び方を教えて!

雪山用手袋
撮影:YAMA HACK編集部
手袋のレイヤリングを行う場合は、どのような部分に気をつければ良いのでしょうか?
インナー手袋、中間部の手袋、オーバー手袋に分けてみていきます。

インナー手袋は綿以外を選ぼう

インナー手袋
撮影:YAMA HACK編集部
雪山では素手にならないので、インナー手袋は交換の時以外は絶対に外しません。
最近はスマホの普及の影響で、スマホ操作の機能が必須になってきているようです。
手汗で手袋の内側から濡れることもあるので、暖かく乾きやすい素材がおすすめ。綿(コットン)は絶対にさけましょう

中間部はウールで決まり!

ウール
撮影:YAMA HACK編集部
インナーの上からつけ、主に保温の役割を担う部分。オールインワンとレイヤリングの違いよりも、中間部の素材の違いや厚み、発熱性のほうが暖かさへの影響は大きい。
ウールが人気の理由は「暖かさ」「濡れても暖かさが落ちにくい」「耐久性」などのバランスの良さなんだとか。

オーバー手袋は3本指がおすすめ

手袋
撮影:YAMA HACK編集部
防水の役割を担う部分で、指の形状が「ミトンタイプ」「3本指」「5本指タイプ」の3種類。
薬指に近い外側の指のほうが冷えやすく、ミトンタイプや3本指タイプは袋型にまとめることで、外気と触れる表面積を減らすことで保温性を高めています。
5本指タイプはそれぞれの指が独立しているので、細かい動きをするのには便利です。

実は一番売れているのは5本指タイプなのだそうですが、どうして3本指がおすすめなのでしょうか?その理由を聞いてみると

雪山って基本的にはそんなに複雑な指の動きは必要ないんです。ピッケルを持ったり、ヒモを結ぶくらい。それであれば3本で十分ですし、3本でできるように練習しましょう。それよりも、やはり寒さから体を守ることを優先する方が大切です。

それ以外にも、3本指のメリットを教えてくれました。
・5本指よりもシンプルなので、すばやく手をいれられる
・凍傷を避けるために手をグーにしても手を入れられる
・インナー手袋が全て使えなくなった場合、靴下を手にはめて代用することも。そんな時も3本指であればオーバーブローブを装着可能
・かなり寒くなった時は、5本指のオーバーの上からも使用できる

なので、初めての手袋は3本指で初めてみるのが良さそうですね。

雪山用の手袋でよくある質問

金井さんが、接客中によく質問を受ける内容聞いてみました。

レイヤリングが必要なのは標高何m?

5本指
撮影:YAMA HACK編集部
「レイヤリングはどれくらいの標高から必要ですか?」という質問を良く受けるそうです。

雪山に行くのであれば標高に関係なく、レイヤリングをしている方がよいそう。あえて標高基準でいうのであれば、雲取山などの2000m以上の山くらいが目安だとか。

ギリギリ行けるレベルを探したり、最初に行く山をイメージするのではなく、どんな山にステップアップしたいのかという考え方で選ぶことが大切。雪のない山だけしか行かないのであれば、特にレイヤリングにこだわる必要はないようです。

スキー用の手袋ではダメですか?

雪山用手袋の選び方
撮影:YAMA HACK編集部
これも良く聞かれるそうです。防水性があれば使えないことはないですが、スキー用のものは手首部分のスソが短いので、登山用に比べて雪が入りやすいので注意が必要なんだとか。

インナーに軍手はダメですか?

軍手
撮影:YAMA HACK編集部
季節問わず多いこの質問。できるだけ止めたほうが良いそうです。理由は、素材に乾きにくい綿が使われている場合が多いから。外からでなく手袋の内側から濡れることもあるので、速乾性の素材のものがいいですね。

手袋を使う時の気をつけることってありますか?

撮影:YAMA HACK編集部
2つあるそうです。
①必ず替えの手袋を用意する
風で飛ばされてしまったり、濡れてしまうことがあるので替えの手袋は必須です。
できれば、インナー、中間、オーバー全て用意しているほうが安心です。使わないことがあっても全然OK。必要な時にないと、雪山では本当に地獄だとか。
たくさん購入するのが厳しい場合は、オールインタイプを持っておくのも一つの手ですね。

②風で飛ばないように
手袋って以外とあっさり飛ばされるもの。飛びにくいようにコードがついているものもありますが、ウールなどの場合はついていないこともあるので、髪止のゴムなどで止めておくなどするのがおすすめです。
飛ばされるのを防止するためのコードも販売されているので、手袋と合わせてチェックしてみてください。

雪山に行くならそれに見合った道具にする。

雪山 登山
出典:PIXTA
目の前に広がる白銀の世界。一度経験するとやみつきになっちゃうかもしれません。でも、標高に限らず、雪山は一度天候が荒れると危険度が増します。最低限ではなく、慣れていないからこそしっかりとした装備で雪山を楽しみましょう。

・インナー、中間、オーバーの3層レイヤリング
・防寒にはウールがおすすめ
・オーバグローブは3本指
・必ず替えの手袋は準備しておく

以上の点を基本として、最初の雪山用手袋を選んでみてください。迷った場合は、お店の人に相談するのもオススメですよ!

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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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