はじめての登山! どんなリュックサックがおすすめ?
登山をはじめるときに、最初に揃えておくべきアイテムが3つあります。それは、「ザック(リュック)」「登山靴」「レインウエア」。これらは、安全かつ快適に登山を楽しむための基本装備であり、登山の『三種の神器』と呼ばれています。
しかし、リュックサック1つをとっても、登山用品店やスポーツ用品店に行くと、様々な大きさや機能のリュックがズラリ。どれを買えばいいのか悩んでしまいますよね。数ある種類の中で、登山初心者に最適なリュックとはどんなものなのでしょうか?
街歩きや通勤・通学用のリュックじゃダメなの?
舗装路を歩く通勤や通学に比べ、登山では長く不安定な道を、重い荷物を背負って歩くことになります。そのため、長距離歩行でも身体に負担がかからず、快適に登山を楽しめるような機能が搭載されている登山用のリュックを選択するのがベストです。
登山に適したリュック選び|チェックポイント7つ
登山用のリュックを選ぶときに、チェックしておきたい機能を確認しましょう。紹介する7つのポイントが、できるだけ備わっているモデルがおすすめです。
【ポイント1】重心が安定する縦長形状
登山のリュックは、左右に振られにくく、重心が安定する縦長形状が◎。重い荷物を背負うとき、できるだけ背中に沿うようにパッキングすると重量を感じにくくなります。
また、登山道は狭いことから、リュックが体の横にはみ出ると、対向者や木々にぶつかり転倒に繋がる危険も。そのため、登山向けのリュックは基本的に縦長形状になっています。
【ポイント2】身体への負担を減らすハーネスや背面パッド
登山用リュックには、身体への負担を減らす様々なパーツが備わっています。例えば「ヒップハーネス(ウエストベルト)」は、腰でリュックを支え、肩にかかる重量の負担を軽減。「ヒップハーネス」「ショルダーハーネス」「背面パッド」には、適度なクッション性があり、身体へのあたりを柔らかくして擦れを防止します。
他にも通気性がよく汗蒸れしにくい背面システムなど、より快適に背負うための機能が備わっているモデルも。
【ポイント3】身体へのフィット感を高めるストラップ類
登山用リュックを見ると、ハーネス以外にも様々なストラップがついていますよね。これらは、リュックと身体のフィット感を高めるためのストラップ。適切に調節することで、リュックに体が振られることが少なくなり、安定した歩行が可能になります。
▼ストラップの役割を詳しくみる
【ポイント4】ギアの携行に便利なポールループやサイドポケット
リュックの両側に「サイドポケット」があると、水筒やペットボトルといった小まめに取り出す小物の収納に便利。トレッキングポールを携行するなら、サイドポケットに入れるか、「トレッキングポールループ」があるモデルが使いやすいでしょう。
【ポイント5】使い勝手がいい雨蓋トップローダー方式
雨蓋トップローダー方式とは、リュックの上部が巾着状になっており、その上を「雨蓋」でかぶせることにより閉じる仕様。名前の通り、雨がリュック内に侵入するのを「雨蓋」が防いでくれます。リュックの荷物の出し入れ口は、紐で絞る単純な構造なので、ジッパーのように壊れる心配がなく耐久性も◎。
また、雨蓋は小物を入れておくことができるので便利。雨蓋とリュック本体とは、ストラップとバックルで接続するので、間にジャケットなどの荷物を挟んでおくこともできます。
【ポイント6】レインカバー付属
【ポイント7】ハイドレーションシステム対応
給水チューブとウォーターバッグを装着できる「ハイドレーションシステム」対応モデルであれば、リュックを背負ったまま水を飲むことができます。リュックをおろす手間がなく、歩きながら小まめに水分補給ができるので、バテにくいというメリットも。
登山をはじめてすぐに活用することはないかもしれませんが、ステップアップを視野に入れるなら、チェックしておきたい機能です。
登山のリュックは“サイズ選び”も重要!
最適な背面長を選ぼう
登山リュックには、モデルによってS・M・Lなどのサイズ展開があり、背面長(背中の腰骨の上端から首の付け根の出っ張った骨までの長さ)を選べますので、自分に合ったサイズを選びましょう。中には、背面長を自由に変えられる製品もあります。
実際にフィッティングして背負い心地を試そう
「ヒップハーネス(ヒップベルト)」の長さや形状、クッション性やフィット具合など、各パーツが体に合っているか、実際に背負ってみることが大事。できれば、ショップの店員さんにフィッティングしてもらうことをおすすめします。
最近は、女性特有の体形に合わせてデザインされたレディースモデルも充実しているので、お店で試してみましょう。いくら機能やデザインを気に入っても、体に合わないリュックは避けましょう。
ズバリ、最初に買うならどのくらいの大きさ(容量)がいい?
日帰りから長期登山まで、登山日数や背負う荷物の量に応じて容量(大きさ)を選ぶことになります。シーン別の容量の目安は以下の通り。
日帰り登山から始める初心者の場合は、防寒着が増える冬でも対応できる30L程度のリュックがおすすめ。1つ持っていると、山小屋1泊登山でも充分に使え、旅行や出張、会社帰りのジムなど、日常でも活躍してくれます。
これで決まり! 登山初心者におすすめの「30Lリュック」
登山用リュック選びのポイントとして紹介した機能をほとんど網羅している、登山初心者におすすめのリュックを6モデル紹介します。どれも容量30L前後の定番人気モデルです。
【1】軽量・軽快・高コスパ|モンベル「キトラパック 30」
「キトラパック 30」は、国内の最大手ブランド<モンベル>で展開しているリュックの中でも、使いやすく機能も豊富。しかも軽量と評価が高く、軽快に登山を楽しめます。
雨蓋は、取り外してウエストバッグとしても使用可能。リュック内部は、2つに区切ることができる“2気室構造”で、よく使うものを上部、すぐに使わないものを下部などに分けることができるため、必要なものをすぐに取り出すことができます。
キトラパック 30(ユニセックス)
【価格】20,680円(税込)
【重量】1.25kg
【容量】30L(高さ59×幅34×奥行き25cm)
【背面長】52cm
【2】用途に合わせてアレンジ可能|ミレー「サース フェー 30+5」
いつかは山小屋泊登山をしてみたいと思っているなら「サース フェー30+5」がおすすめ。最大の特徴は、雨蓋をつなぐストラップが固定ではなく可変になっていること。ストラップを伸ばすことにより、リュックが縦に延びて5リットル分の容量を増やすことができます。
いつもの日帰り登山はそのままで、小屋泊りなどで着替えなど荷物が増える時は、容量を増やすなど、臨機応変に対応できます。その他にも、背負い心地や使い勝手の良さにこだわった機能が数多く搭載されています。
ミレー サース フェー 30+5 (ユニセックス)
【重量】1,500g
【容量】30+5L(W27_H61_D18cm)
【背面長】M=48cm L=51cm
※レインカバー付属
ミレー サース フェー 30+5 LD (女性用)
【重量】1,450g
【容量】30+5L(W27_H58_D18.5cm)
【背面長】S=43cm
※レインカバー付属
【3】長時間でも背中が快適|グレゴリー「ズール 30/ジェイド 28」
リュックを背負ったときの背中の蒸れが気になる!という方にはこちら。「ズール30/ジェイド28」は、背中とリュックに空間ができる構造のため、汗をかいても蒸れにくく、より快適に登山を楽しめます。
グレゴリー独自の技術により、歩行にあわせてヒップハーネス(ウエストベルト)も動くので、リュックが体の動きについてくるようなフィット感があります。
グレゴリー ズール30(ユニセックス)
【価格】20,000円円(税抜き)
【重量】1.19kg
【容量】28L
【背面長】38~46cm(調整可能)
※レインカバー付属
<サイズ:MD/LG>
【価格】20,000円円(税抜き)
【重量】1.21kg
【容量】30L
【背面長】46~56cm(調整可能)
※レインカバー付属
グレゴリー ジェイド28 (女性用)
【価格】20,000円円(税抜き)
【重量】1.16kg
【容量】26L
【背面長】35.6cm〜43.2cm(調整可能)
※レインカバー付属
<サイズ:SM/MD>
【価格】20,000円円(税抜き)
【重量】1.16kg
【容量】28L
【背面長】43.2cm〜53.3cm(調整可能)
※レインカバー付属
【4】長年愛され続ける定番|カリマー「リッジ 30」
リニューアルを重ねながら、発売から20年もの長きにわたり登山者に人気継続中の「リッジ 30」。個性的な機能はないシンプルなデザインですが、登山初心者でも安心して使用できるように軽量性と機能性のバランスを守り続けている定番リュックです。日本人の体型にフィットした仕様にも、絶大な信頼感があります。
カリマー リッジ30 ラージ(ユニセックス)
【重量】 1,570 g
【容量】 30L(65x32x24cm)
【背面長】 51 cm
※レインカバー付属
カリマー リッジ 30 ミディアム(ユニセックス)
【重量】 1,530 g
【容量】 30L( H65 × W32 × D24)
【背面長】 47 cm
※レインカバー付属
カリマー リッジ 30 スモール(女性向け)
【重量】 1,480 g
【容量】 30L( H65 × W32 × D24 cm)
【背面長】 42 cm
※レインカバー付属
【5】やさしくしっかりとした背負い心地|ドイター「フューチュラ30/28SL」
背中と腰に優れたクッション性がほしい人におすすめなのが「フューチュラ」。実際に背負ってみると、やさしく包み込まれるようなクッション性と、しっかりと安定感のある背中の構造がわかります。こだわりの背面メッシュパネルにより、通気性も抜群。ジッパー式の2気室構造も便利です。
ドイター フューチュラ30(ユニセックス)
【重量】1480g
【容量】 30L(高さ68 幅28 底マチ24)
【背面長】-
※レインカバー付属
ドイター フューチュラ 28 SL(女性用)
【重量】1420g
【容量】26L(64/28/22(高さ×幅×奥行)cm
【背面長】-
※レインカバー付属
【6】小型なのに本格仕様|オスプレー「ストラトス 26/シラス 26」
おだやかな季節の中低山を身軽に歩きたいならこちらがおすすめ。「ストラトス 26/シラス 26」は、20L中盤のリュックでは珍しい、雨蓋付きのモデルです。軽量でコンパクトにもかかわらず、登山用リュックとして十分な機能が備わっています。
<オスプレー>のリュックの特徴でもある、“ストウオンザゴー トレッキングポールアタッチメント”といわれる、トレッキングポールを簡易的に脇差しておける便利な機能もついています。
オスプレー ストラトス 26(ユニセックス)
【重量】1.27kg
【容量】26L(外寸:縦64×横30×奥31cm)
【背面長】48cm〜58cm(調整可能)
※レインカバー付属
オスプレー シラス 26(女性用)
【重量】1.21kg
【容量】26L(外寸:縦58×横30×奥31cm)
【背面長】41cm〜51cm(調整可能)
※レインカバー付属
あなたにぴったりのリュックで、登山を快適に楽しもう!
登山の快適さを左右するリュックサック。あなたの身体に合ったモデルが必ずあります。今回紹介した6型は、初心者でも背負いやすく使い勝手が良いので、はじめての登山リュックとしてお店でおすすめされることも多い定番人気モデル。選び方のポイントを押さえながら、お店でできるだけ試着して、自分に合う1つを見つけてくださいね!