初めてのザック、何をどんな基準で選べばいいの?
今年こそ登山を始めたい!そんな人にとって最初の関門が装備選びではないでしょうか。特にザック・登山靴・雨具は「登山の三種の神器」と呼ばれ、真っ先に揃える必要があるアイテムです。
中でも必要な荷物を全て背負って歩くスポーツである登山では、それらを収納するザックのセレクトがかなり重要。目的や体格に合わないモデルだと、装備が収納できなかったり、身体にフィットせず重さを感じてしまい疲労の原因にも。
登山用品店の壁面いっぱいに所狭しと並ぶ様々なザック、どんな基準で選んだら良いのでしょうか。
セレクトの基準は目標の登山スタイルと収納しやすさ
登山用ザックには様々な大きさ(ℓで表記される容量)があります。これは様々な登山スタイルにマッチするよう、各メーカーがラインナップしているため。大きく分けて…
があり、それぞれザックに収納する必要な装備の量が異なってきます。
加えて初心者のザック選びで重要なのが、収納しやすさ。装備を出し入れしているだけでひと苦労しているようでは、十分に登山を楽しむことすらできません。
今回のセレクト基準は…夏の山小屋泊での宿泊登山が目標!
登山1年目の初心者に多いのが、次のようなステップアップのストーリー。
この場合、日帰り用・山小屋宿泊用の2種類のザックを薦められることもありますが、他にもたくさんの装備を揃えなければいけない懐具合を考えるとなるべくひとつで済ませたいもの。
そこで今回は、各メーカー担当者に上記のストーリーに寄り添いつつ、初心者にとって使いやすいオススメのザックはありませんか!?と直撃。それぞれのメーカー担当者イチオシのアイテムを紹介してもらいました。
Deuter|FUTURA32
ドイツ発祥で様々なバックパックを展開するDeuter(ドイター)。FUTURA(フューチュラ)シリーズは同社のハイキング用ザックの代表モデルです。
担当者からのオススメポイント
背面メッシュのモデルである「フューチュラ32」。背中の通気性をよくすることで汗の量を減らすことで熱中症予防につながります。また、背中のムレによる不快感を軽減し快適に長時間歩くことができるベストセラーモデルです。
各ブランドから背面メッシュのタイプは販売されていますが、世界で初めて背面メッシュの特許をとったドイターならではのこだわりがつまっています。
ドイター フューチュラ32
重量 | 1440g |
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容量 | 32L |
サイズ | 高さ65cm / 幅30cm / 奥行20cm |
GREGORY|Zulu35&Jade33
アメリカ発祥のバックパックブランド、GREGORY(グレゴリー)。男性用モデルのZulu(ズール)・女性用モデルのJade(ジェイド)は流線型のシェイプが特徴の軽量なザックです。
担当者からのオススメポイント
天気の変わりやすいシーズンに、レインウウェアや防寒着など必要な装備を入れても十分な余裕がある容量がおすすめ。グレゴリーの独自技術を駆使した「フリー・フロート・フレックスパネル」は、自然な動きに追従し、足を上げるのに合わせてヒップ・ベルトが旋回して動き、腰回りにスムーズにフィットします。
新素材と補強材を追加して耐久性を向上させるとともに、荷物の出し入れを楽にしました。専用設計のレインカバー付きや大きめのヒップベルト・ポケットなど収納面も充実しています。
グレゴリー ズール35
重量 | MD/LG:1310g、SM/MD:1290g |
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容量 | MD/LG:35L、SM/MD:33L |
サイズ | MD/LG:66H×31.1W×24.1Dcm、SM/MD:61H×31.1W×24.1Dcm |
最大積載重量 | 16kg |
グレゴリー ジェイド33
重量 | XS/SM:1220g、SM/MD:1230g |
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容量 | XS/SM:30L、SM/MD:33L |
サイズ | XS/SM:58.4H×31.1W×24.1Dcm、SM/MD:61H×31.1W×24.1Dcm |
最大積載重量 | 16kg |
▼現行モデルはこちら
karrimor|ridge 30+
英国発祥で「carry more=もっと運べる」が語源のkarrimor(カリマー)。ridge(リッジ)シリーズは1999年の発表以来、開発・改良を重ねながら販売されているロングセラーモデルです。
担当者からのオススメポイント
日本で正規販売されているカリマーブランドのザックは、全て日本人開発者によってショルダーハーネスやヒップベルトの形状や太さに至るまで、日本人の体格を考慮し設計・開発されています。
22年春夏にアップデートされた機能でヒップベルトの角度を調整出来るベルトが付き、体型が変化しても細かい微調整が出来るようになり、より長く使える仕様となりました。ポケットも豊富で、初心者の最初のリュックにオススメです。
MAMMUT|Lithium 30
スイス発祥でロゴマークの通りドイツ語で「マンモス」を意味するMAMMUT(マムート)。Lithium(リチウム)は、ストレッチ性に優れた大きな収納部やジッパー付のサイドポケットも魅力のモデルです。
担当者からのオススメポイント
2022年春夏にフルモデルチェンジする「Lithium 30」。日帰り~1、2泊程度の山小屋泊に最適なサイズのこのモデルは、前作に比べて素材を100%リサイクル素材に変更し、フッ素フリー撥水剤を使用した環境に優しいエコなバックパック。
ウェストベルトも取り外しが可能になるなど、幅広い用途に使いやすいモデルとなりました。
マムート リチウム30
重量 | 930g |
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容量 | 30L |
サイズ | 幅約36.0cm、高さ約57.0cm、マチ約12.0cm |
Millet|SAAS FEE 30+5
フランス発祥のアウトドアブランド・Millet(ミレー)。人類初の8000m峰登頂となった1950年のアンナプルナ初登頂の際にも、ミレーのザックが使用されていました。
担当者からのオススメポイント
サースフェーシリーズは、背中に吸い付くような重心設計と背中が蒸れないドライテクノロジーが魅力。ハイキングから縦走登山まで使っていただけるミレー定番のザックです。
これから登山を始める初心者の方でも、安心の設計。日帰り登山から1泊〜2泊程度の小屋泊登山にぴったりの30ℓサイズです。
ミレー サースフェー30+5
重量 | 1500g |
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容量 | 30+5L |
サイズ | W27_H64_D17cm |
THE NORTH FACE|Ouranos35
アメリカ発祥のアウトドアブランド・THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)。ウェアやシューズなど多彩なアイテムを展開していますが、リーズナブルで使いやすいザックも初心者に人気です。
担当者からのオススメポイント
背面がメッシュパネルで通気性が良く、フィット感も強いので非常に背負いやすいモデル。自立するデザインと、レインカバーが最初から付属しているところも使いやすいポイントです。
雨蓋も外せるので、日帰りなどの短い距離であれば容量を減らして使うこともできるので、このザックひとつで使い回しが効きますよ。
ザ・ノース・フェイス ウラノス35
重量 | WM:約1310g、M:約1315g |
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容量 | WM:35L、M:36.5L、L:40.5L |
サイズ | WM、M、L(WM:H60×W23×D16.5cm、M:H63.5×W23×D16.5cm、L:H67.5×W23×D18cm) |
OSPREY|Stratos36&Sirrus36
アメリカ発祥のバックパックメーカー・OSPREY(オスプレー)。男性用・女性用それぞれのモデルを展開し、ベルトの形状だけでなくシェイプや長さも男女それぞれにフィットするようデザインされています。
担当者からのオススメポイント
ストラトス/シラスは背中とバックパックの間にいわゆるベンチレーション構造を採用。風が抜けやすく、背中がとても涼しく快適なバックパックです。
よりフォット感を向上させるための背面長調整機能もシンプルに改良されておりプラスチックパーツを引っかけるだけ、初心者でも簡単に自分にぴったりの背負い心地に調整可能です。
オスプレー ストラトス36
重量 | 1480g |
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容量 | 36L |
サイズ | 縦71×横37×奥行27cm |
登山中ずっと背中に密着しているザック、背負い心地は必ずチェック!
今回は各メーカー担当者から、初心者でも使いやすいザックをセレクトしてもらいました。どれも各ブランドを代表するイチオシのザックばかり。
最後にザック選びでチェックして欲しいのが背負い心地です。ザックが背中に接する部分の厚み・固さ・材質などによって背中の感触は異なりますが、どの感触が「心地よい」と感じるかは人によって千差万別。ぜひ実物を店頭で背負ってみて、自分の背中で感触を確かめるようにしましょう。
自分にぴったりのザックで、快適で軽快に登山のステップアップを楽しんでください。