テント泊登山はじめの一歩|メンテナンス・レビュー編
無事に自宅に戻っても、そこでテント泊は終わりではありません。帰宅後、早いうちにやっておきたいのが、「道具の片付け・メンテナンス」と「山行のレビュー・振り返り」です。
【片付け・メンテナンス】 3つのポイント
使った装備のメンテナンスを怠ると、大切なギアの破損や、寿命を縮めることになり、それが次の登山でのトラブルの原因にもなりかねません。
1.使ったら汚れを落とし、完全に乾かす
テントやシュラフ、衣類、靴、バックパックなど、すべての装備にメンテナンスが必要です。汗や泥で汚れた衣類は毎回洗濯するのに対し、ギア類のお手入れは怠りがちですが、正しい方法で行なえば、確実に道具を長持ちさせることができ、機能を充分に発揮するために必要なことです。
アイテムごとのメンテナンス方法をしっかりと確認し、製品にあったケアを行ないましょう。
山帰りの荷物をその日にすべてメンテナンスするのが難しくても、必ずその日のうちにやっておくべき優先順位の1位は、ずばり登山靴。
理由としては以下の3つが上げられます。
①時間が経つと泥が落としにくくなる
②泥が付いたままだとカビが発生したり革を傷めたりする可能性がある。
③土が付いたまま次に行くと、違う山の土を持ち込むことになり、生態系に影響を及ぼす可能性がある
どんなに疲れていても、下山後の一杯で酔っぱらっていても、その日のうちにブラシなどでソールの土を落とし、柔らかいスポンジでアッパーの汚れを落とし、きちんと乾かすところまでを習慣づけましょう。
テントも、乾燥だけはできるだけ早く行なうに越したことはありません。
可能であれば張って乾かすのがベター。畳んだ状態で干すと、生地やテープが集まる四隅が、なかなか完全には乾きません。晴れた日の駐車場などアスファルトの上なら、30分もあれば充分。土の上なら、四隅の下に台を置けば、底まできれいに乾かせます。
2.破損や故障がないかを必ずチェックする
クリーニングと同時に必ずやっておくべきことが、装備のチェック。次の登山で困らないよう、使える状態にしてから保管することが大切です。
汚れ落としや乾燥のついでに、傷んだり壊れたりしていないかをしっかりとチェックしましょう。山では気づかなかった細かいところに、不具合が生じている可能性もあります。
もし不具合があれば、すぐに修理や買い替えなどの対応をします。次に使う時にやればいいやなどと思っていると、うっかり忘れてそのまま出かけて、山で気づいても後の祭り。多少不便な想いをする程度で収まればいいですが、命に係わることにならないとは限りません。
3.正しく保管する
登山用品すべてに共通する保管方法は、「暗・乾・冷」。直射日光を避け(暗)、なるべく湿気が少なく(乾)涼しい所(冷)がベストです。シュラフやテントなどは、行動中に使うコンプレッションパックなどに入れず、ゆったりと畳んだ状態で保管しましょう。
とくに条件が整う保管場所がない場合などは、定期的に使うことも保管テクニックのひとつ。ときどき取り出して広げたり干したりするだけでも、ニオイやカビを防ぐには絶大な効果があります。
家でも車でも、使わないと物はどんどん劣化します。小まめに使い、小まめにメンテナンスするよう心がけましょう。
たっぷりとテント泊を楽しんで、心地よい疲労感と共に無事に家に帰り着いたら、山の余韻を楽しみながらのんびりしたいところですが、この先もテント泊を続けていくのなら、このひとがんばりが大切。
山から戻ったときが、次の山の準備のスタートだということを意識することが、長く、楽しく、安全にテント泊を続けていくための大切な秘訣です。
▼片付け・メンテナンスに関する記事はこちら
【山行のレビュー・振り返り】 5つのポイント
片付けが済んだら、今回の山行を振り返ってみましょう。反省や見直しをする時間こそが、テント泊に限らず、山でステップアップするために、もっとも大切な時間なのです。