”テントの正しいメンテナンス方法”って知ってる?
泊まりの山行で一時的な住み処となるテントは、過酷な環境から命を守ってくれる大事な登山用品。決して安いアイテムではないからこそ、永く大切に使いたいものです。
でも、メンテナンス方法をしっかり熟知している人ってどのくらいいるのでしょうか…?あらためて”正しいメンテ方法”を聞かれると、筆者も自信を持って答えられません。
そこで今回は、初心者から経験者まで注意したい「基本的なテントのメンテナンス方法」を、アウトドアメーカーの老舗・アライテントさんに聞いてみました。
テントの扱い方をマスターして、快適な登山キャンプの第一歩を踏み出しましょう!
メンテナンスは山で始まっている! ”4つの正”でテントを愛そう
「メンテナンスは、”山の中からすでに始まっている”と考えるべきでしょう」
と教えてくれたのは、アライテントの福永さん。
メンテナンスと聞くと帰宅後の作業を想像してしまいますが、テントを長持ちさせる秘訣は山から始まっているのだそうです。
ここではテントを大切に扱う正しい方法を「4つの正」として確認していきます!
①正しい場所を選ぶべし
まず気をつけたいテントを設営する場所。安全な山行の観点からも下記のような場所は避けましょう。
・風の通り抜ける場所
・雪崩や土砂の崩落の恐れがある場所
・急な出水の恐れがある場所
テントを設営するのに推奨される場所としては、
・水ハケのよい場所
・平坦な場所
が挙げられます。
また設営前に周辺を確認し、テントの下に小石など硬いものがあれば取り除くようにしましょう。テント底面の生地を痛める原因になります。
②正しい設営方法を心がけよ
次に気をつけるのが設営方法です。
フレームの破損やグランドシートの穴あき、フライシートの破損など、間違った設営をすることで生じるトラブルはいくらでもあります。
テントのタイプによって正しい設営方法は異なります。
「購入し、初めての設営は現地でした……」ということにならないように、事前に説明書を熟読して設営を練習しておきましょうね。
③正しいテント生活を送るべし
テントでの過ごし方もテントの状態を左右する大切な要素のひとつです。
正しいテント生活の具体的として、
・テント内で火器を使用しないこと
・付近での焚き火に注意すること(火の粉による穴あきを防ぐ)
・スープなどの汁物を床の上にこぼさないようにする
などが挙げられます。
④正しい畳み方で収納せよ
正しい畳み方もテントの状態を保つ秘訣です。
従来の畳み方としてグランドシートで本体を包み込むように畳む方法がありますが、地面に接して汚れたグランドシートが外側になってしまうと、スタッフバックの内側を汚してしまうという欠点があります。
スタッフバックの内側が汚れることで、その細かな泥汚れが原因でテント全体を汚してしまうことも。
そこでアライテントで推奨しているのが、この方法です。
グランドシートを内側に折り込んでいくことで、空気が抜け畳みやすく、スタッフバッグ内側の汚れを防ぐことができるそうです。
なお、上図ではフレームを畳んだあとにテントを畳んでいますが、風が強い時などはテントが飛ばされてしまう可能性があるため、先にテント本体を畳むようにしましょう。
以上4つが「山で気をつけるべきテントメンテの基本」です。頭の片隅に置きつつ、快適なテント泊を楽しんでくださいね。
帰宅後はとにかく乾燥!
さぁ、山を下りたあとは「帰宅後のメンテナンス」です。
メンテナンスを怠ると、生乾きの雑巾のような臭いが染み付いてしまったり、カビが生えてしまったりと、テントの品質や寿命にも大きく関わってくることに。山から帰ってきた翌日に行いたいメンテナンスを聞いてみました。