1.持ち物の過不足をチェックする
記憶が新鮮なうちにまずやっておくべきことが、足りなかったものや、使うつもりだったのに、一度も使わなかったものがないかを振り返ることです。
ある程度経験を重ねるまでは、不安からどうしても、余計なものを持って行きがち。本来ならば一つで済む、同じような用途のものを複数持っていないかも振り返りましょう。
多すぎるならまだしも、忘れ物は絶対に避けたいところ。もし一つでも忘れ物をしていたら、チェックリストを作る、絶対に忘れてはいけないものは、最初からバックパックの中に入れておくなど、自分が忘れ物をしなくてよい方法を見つけることも必要です。
これらはテント泊に限ったことではありませんが、テント泊のほうがシリアスな状況を引き起こす確率は確実に高くなります。この見直し繰り返すことで、次第に、持って行ったものはすべて使い、なにひとつ足りないものはない、「過不足なく持つ」ことができるようになっていきます。
2.スケジュールと体力、荷物の量のバランスを振り返る
事前に立て予定通りに行動できず、テント場に着く時間が遅くなってしまった、予定の時間に着いたのに、睡眠時間が短くなったり、次の日の出発時間が遅くなってしまったり、ということはありませんでしたか? もし少しでもあったなら、次はそうならないために、どのようなところを改善すればいいかを考えましょう。
荷物が重くて思ったよりも歩くペースが上がらなかったなら、荷物を減らすかもっと簡単なルートにする、あるいは、必要な荷物を背負えるだけの体力をつけるしかありません。テント場に着いてからの時間がうまく使えていないなら、テントの設営を何度も練習する、食事を簡単なものにするなどの工夫が必要でしょう。
3.道具や装備を再確認する
事前に使い方がしっかりと練習できているのが前提ですが、実際に長い距離を歩いた後のテント場では、勝手が違うこともあるでしょう。道具の扱いなどで迷ったことがあれば、必ず復習しておきましょう。
また、同じことをするのに、周りの人と比べて明らかに手間がかる、実際に山中で使ってみたら、事前の練習とはまったく勝手が違うなどということがあれば、装備の選び方を間違っている可能性も考えられます。周囲の人がどんなものを使っているかを観察できる機会でもあるので、ぜひ人の道具や行動にも注目してみましょう。
「それ、何ですか?」と聞いてみれば、ほとんどの人が快く教えてくれるはずです。もちろんそれを鵜呑みにするのではなく、導入する場合は山道具店などで相談をし、自分に合ったものかを確認しなくてはなりません。
4.記録する
ここで振り返ったことを次のテント泊に生かすため、何をどれだけ持って行き、どのくらいの時間で歩いたか、テントの設営や食事の準備にどれくらいかかったかなど、行動をできるだけ詳しく記録しておきましょう。そうすることで、自分の行動をしっかりと確認することができ、次の山行への課題や目標が明確になってくるはずです。
5.次の山行に生かす
このレビューで感じたことを、次の山行に有効に活かしましょう。大きく何かを変えなくても、微調整を加えることで、より安全で楽しいテント泊をすることができるはずです。反省も振り返りもせず、漫然とテント泊を繰り返しているだけでは、いつまでたっても初心者のまま。自分のテント泊の行動範囲を広げるために、レビューは欠かせないものなのです。
この先どれだけ難易度やレベルが上がっても、その都度自分の行動を客観的に振り返ることは、さらなるステップアップに、もっとも大切なこと。楽しかったことばかりでなく、失敗したことやつらかったことなども、しっかりと振り返ることが、あなたにとって大切な経験の蓄積になるのです。
自由で何物にも代えがたい魅力的な世界へ
『ステップ バイ ステップ』で少しずつ難易度を上げてきたテント泊。ここはまだ、この先に無限に広がる、テント泊の世界への入り口をくぐったばかり。さあ、大空の下で大地を寝床に、自然の中に暮らすような山の旅へ、自分の足で飛び込んでいきましょう!