加水分解をしたウェアを持っている人

レインウェアがベタベタになる『加水分解の恐怖』って?長持ちさせるための法則と2つの裏技を大公開

2022/11/28 更新

いざレインウェアを着ようとしたら、「裏地がボロボロと剥がれてしまった!」「裏地がベトベトする!」なんて経験はありませんか?とくにお気に入りのウェアの場合、そのショックは計り知れません。今回はそんなレインウェアなどをボロボロにする正体『加水分解』について原因をご紹介。さらに長持ちさせるための法則と2つの裏技を解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

レインウェアが”ボロボロ”になってる~!

加水分解したウェアの画像

撮影:YAMA HACK編集部

愛用しているレインウェア。「さぁ、今回の登山でも着るぞー!」と思って羽織ろうとしたら、何やら裏地がボロボロと剥がれている!なんて経験はありませんか?

服にも樹脂の塊のようなものが付着するし、「なんじゃこりゃ~!?」と叫びたくもなりますよね。

今回は、その「なんじゃこりゃ~!?」の正体について詳しく迫りたいと思います。

防水機能があるのに『水』で劣化する?

加水分解したレインウェア
撮影:YAMA HACK編集部

早速ですが、裏地をボロボロにしたその犯人はずばり「加水分解」という現象によるもの。そう、読んで字のごとく、「水」が原因で引き起こされる現象です。

疑問をもった女性

出典:PIXTA(編集:YAMA HACK編集部)

こんな声も聞こえてきそうですね…。しかし、残念ながら事実なんです。

加水分解

作成:YAMA HACK編集部

大事なレインウェアをボロボロにしたにっくき犯人「加水分解」なるヤツとは一体何者なのでしょうか?

真犯人「加水分解」の正体!!

作成:milkywaygalaxy

少し難しい表現になりますが、水が物質と触れた時には、図のように表面部分で化学反応が起きます。つまり水に触れた物質は、化学反応によって分解されて違う物質になっているのです。

さらに、素材や材質によって加水分解が起きやすいものも。その一つが、登山用品によく使われているポリウレタン(PU)。レインウェアの素材や、生地と防水フィルムを重ねるときの接着剤、水が縫い目からウェアの中に入ってくるのを防ぐシームテープなどに採用されている素材です。

レインウェアは加水分解の脅威から逃れられない?

加水分解のやっかいなのが雨や汗だけでなく、なんと空気中に含まれる水分に至るまで、あらゆる水気が劣化の原因になること。

加水分解によって大事なレインウェアを劣化させないために、雨が降ったら水に濡れないようにレインウェアを脱ぎますか?それだと本末転倒ですよね…。

残念ですが、レインウェアに関しては加水分解から完全に逃れる術はありません。

そして、一度加水分解が起きると、それを修復するといったこともまずできないでしょう。

『しっかりしたメンテナンス』それがウェアを守る鍵!

レインウェアのメンテナンスをしている画像

撮影:YAMA HACK編集部

加水分解から逃げることはできませんが、メンテナンスをしっかりすれば大切なウェアを長持ちさせることができます。レインウェアは決して安いものではありませんし、特にお気に入りのウェアは長く使いたいですよね。

では、具体的にどうすれば良いのか見ていきましょう。

大切なレインウェアを長持ちさせる2つの法則

加水分解をできるだけ防いでウェアを長く使うには、「濡れている状態を作らないこと」が最も大事!水分が天敵なので、水分を避けることを意識してください。

【1】使い終わったら汚れを落として、しっかり乾かす!

パフォーマンスウォッシュ

撮影:YAMA HACK編集部

使用時に雨で濡れるのは仕方ないとして、問題はその後!濡れたままにしてはいけません。必ずしっかり乾かしましょう。

また、汚れが付着している場合は、しっかり落としましょう。汚れをそのままにしておくと、汚れが防水透湿素材にはその蒸気を通す微細な穴を塞いでしまいます。すると湿気がこもって結露の原因となり、濡れた状態になりやすくなるからです。

▼洗濯の仕方はこちらをチェック

▼オススメの洗剤はこちら

グランジャーズ  〈洗濯洗剤〉パフォーマンスウォッシュ

容量:300ml
主成分:非イオン系界面活性剤
適応素材:フリース、ベースレイヤー、防水・防風素材全般、ソフトシェル


グランジャーズ 〈撥水剤〉クロージングリペル

容量:300ml
主成分:アクリルポリマー
適応素材:フリース、ベースレイヤー、防水・防風素材全般、ソフトシェル

【2】保管は湿気に注意して、風通しが良いところで!

レインウェアを干す

撮影:YAMA HACK編集部

加水分解は空気中の水蒸気によっても引き起こされます。そのため、保管時は高温多湿となる場所は絶対避けましょう。タンス等に入れて放置していると湿気で傷みやすくなるので要注意。

風通しの良いところでハンガーにかけて保管したり、乾燥剤を置いておくのがおすすめです。

【裏技編】素材選びに気をつける!

少し視点を変え、ウェア選びの段階から加水分解の対策を考えてみましょう。

①加水分解しにくいゴアテックス素材のウェアを選ぼう!

収納フードを広げる

撮影:YAMA HACK編集部

ポリウレタンコーティングや、ウレタン系のフィルムを使って防水しているモデルを避けるのも一つの手段。比較的低価格なモデルでウレタン素材を使ったウェアをよく見かけるので、ウェア選びの時にチェックしてみてください。

ゴアテックスは、防水素材として劣化しにくいフッ素系樹脂(PTFE)が使われているため、PU素材を使ったウェアより加水分解しにくいと言われています。

②いずれ買い替えることを見越してコスパに優れるものを!

出典:Pixabay

そもそも加水分解は遅かれ早かれ起こること、そう割り切るのもアリかもしれません。軽いハイキングなのに何万もする高機能なレインウェアが必要かと言われると、疑問ですよね。

目的に最適なモデルを選び、価格と機能性のバランスが取れたコスパに優れるものを買い替えていくのも重要かもしれません。

逃げられないからこそ、加水分解と上手に付き合おう

お気に入りのウェアがボロボロになるのは忍びないもの。加水分解からは逃れられないとはいえ、大切なウェアを長く愛用できるようにしっかりメンテナンスしてあげましょう。雑な扱いだと加水分解による劣化を速めてしまうので、注意してくださいね。

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