圧巻の紅葉を誇る「木曽駒ヶ岳」の見ごろはいつ?
標高2,956mの木曽駒ヶ岳は中央アルプスの主峰で、眺望と高山植物が美しい山。駒ヶ岳ロープウェイを利用する登山コースもあり、初級者でも挑戦できる日本百名山のひとつです。宝剣岳直下には紅葉の名所としても有名な「千畳敷カール」があり、大勢の観光客やカメラマンで賑わいます。
圧巻の紅葉!千畳敷カール
千畳敷カールは日本を代表する氷河地形のひとつで標高2,612mに位置します。夏は可憐な高山植物、秋には見事な紅葉、冬は雪山と四季を通して雄大な自然を感じることができる人気の場所。特に秋には、山肌一面がダケカンバやナナカマドの赤、黄色や橙色に染まり、その光景は圧巻。
2022年の見頃はいつ?
木曽駒ヶ岳はロープウェイ出発地点と千畳敷カールのある地点で1000mも標高差があります。 そのため、山麓と千畳敷カールとでは紅葉が色づく時期も若干のずれが。
・千畳敷カール周辺は例年9月下旬から10月上旬ごろ
・ロープウェイから見られる山の中腹は例年10月上旬から中下旬
が見ごろとなっています。
気になる混雑状況と対策を知りたい!
年間を通して人気のある木曽駒ヶ岳ですが、特に紅葉の時期は大混雑。混雑状況を把握して対策を練ってから出かけましょう。
9月下旬~10月上旬の土日が最も混雑
例年、見ごろのピークとなる9月下旬~10月上旬の土日が最も混雑します。バス、ロープウェイの1時間待ちは当たり前で、タイミングによっては2〜3時間待つことも覚悟しましょう。
どのくらい待つの?対策はある?
登山基点の千畳敷駅までの間に混雑するポイントは以下の3箇所です。
ピークの時期にはそれぞれのポイントで1時間~2時間の待ち時間が発生します。帰りのことも考えると、とにかく早く行って駐車場を確保し、バスやロープウェイに乗車することが混雑回避の対策となります。
①駐車待ちを避けるには?
マイカーで行く場合、最大のポイントは菅の台バスセンターの駐車場にスムーズに駐車すること。バス停のある菅の台駐車場は、ピーク時には深夜~早朝には満車になってしまいます。
菅の台に駐車をしたいときは、可能ならば前日夜~深夜までに到着する計画で向かうのがおすすめです。車中で夜を過ごすこととなるので、快適に休めるよう準備しておきましょう。満車になった場合は、周辺の臨時駐車場に誘導されます。
②バスの乗車待ちを避けるには?
菅の台バスセンターからのバスの始発はいちばん早くて朝の5時台(※日によって始発の時間が異なります)。チケットを購入しなければ乗れないので、早めにチケットを購入しバス待ちの列に並ぶことが必要となります。
また、バス待ちを避けたい人は、タクシーでしらび平まで行くのも奥の手。バス待ちをせずにしらび平駅につくことができ、その分だけロープウェイにも早く乗車可能となります。
なお、タクシーの場合は必ず事前に予約をしておきましょう。
③ロープウェイの乗車待ちを避けるには?
とにかく早い時刻にしらび平に到着する必要があります。ロープウェイ乗り場で整理券が配られ、その順番に乗車できる仕組み。
早い時間のバスに乗ってしらび平に到着するか、タクシーでアクセスできれば、それほど待たずにロープウェイに乗れる可能性が高くなります。駒ヶ岳ロープウェイのサイトでは混雑状況や待ち時間が掲載されているので必ず確認を。
登山道も混雑します!
ロープウェイを降りてからも、日によっては混雑が予想されます。登山初心者の方やファミリーで訪れる人も多い木曽駒ヶ岳。
「焦らない・焦らせない」「譲り合って安全第一に通過する」など山でのマナーを守って山頂を目指しましょう。特に混雑する日に登る場合は、いつものペースで進めないことも考慮し、余裕を持った計画を立てるのがおすすめ。
▼山でのマナーをおさらい!
下山時も注意!
下りのロープウェイは上り以上に混雑します。そのため、下りでも整理券が必要に。
遅めの時間に千畳敷駅に到着した場合には、下りの整理券を先にもらってから登山するのも良いでしょう。その場合、自分のもらった整理券の乗車時間には登山が終えられるように計画する必要があります。
無理して急ぐと転倒や怪我のもとになるので、適切な判断をし引き返すことも考慮しておきましょう。
早め早めの行動がカギ!
混雑を避けるには、できるだけ土日を避けて訪れるほうがおすすめです。 しかし、どうしても土日や混雑する日にしか行くけない場合は、早め早めの行動をすることを心がけましょう。
山では無理をしないで、安全第一で行動することを忘れずに!
紅葉フォトマップもチェック!
駒ヶ岳ロープウェイのサイトには千畳敷周辺のフォトマップが掲載されています。登る前にチェックして、撮影スポットを余すことなく押さえていきましょう。
おすすめ紅葉登山コース(日帰り)
登山起点となっている千畳敷駅から木曽駒ヶ岳の山頂までの紅葉登山コースを紹介します。ロープウェイを使うので、距離・時間的にも初心者でも気軽に楽しめる定番のコースです。
千畳敷~木曽駒ヶ岳登山コース
最高点の標高: 2925 m
最低点の標高: 2603 m
累積標高(上り): 711 m
累積標高(下り): -711 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
マイカー規制があるため、菅の台バスセンターで車を駐車。バス・タクシーに乗り換えてロープウェイ乗り場のあるしらび平へ向かいましょう。
しらび平からはロープウェイを使って、950mを7分半で一気に登ります。
ロープウェイからは山腹の紅葉が楽しめ、振り返って見れば、市街地からアルプス山脈まで見渡すパノラマが広がります。運が良ければ雲海と紅葉の絶景に出会えるかもしれません。
千畳敷駅に到着したら、駒ヶ岳神社経由で八丁坂分岐点へ。ここまでは、美しい紅葉を堪能しながら平坦な道をゆったりと進みましょう。
八丁坂分岐からは、乗越浄土まできつい登りが40分ほど続きます。石がゴロゴロとした道が続くので、足元にも注意して。
きつい坂を登り切った先の乗越浄土で、視界が一気に開けます。絶景に一息ついたら、乗越浄土~中岳にかけて緩やかに上っていきましょう。
小さな石造りの祠がある中岳の山頂に出れば、木曽駒ヶ岳が目の前に見えてきます。ここからは展望もよく、御嶽山など周辺の山の稜線を眺めながら木曽駒ヶ岳山頂を目指しましょう。
山頂は広く、ぐるりと大パノラマが楽しめます。登山の疲れを吹き飛ばすほどの雄大な景観が広がるスポットです。
山頂からは宝剣岳をはじめとした中央アルプスや穂高連峰、槍ヶ岳などの北アルプスから遠く富士山まで360度の展望が広がります。
下山は登ってきた道を戻り、八丁坂分岐からは剣ヶ池方面へ千畳敷をぐるりと周ります。剣ヶ池は撮影スポットとしても一番人気。
剣ヶ池から10分ほどで千畳敷駅に到着。ロープウェイの待ち時間に、併設のカフェで濃厚なソフトクリームを食べるのもおすすめです。
トイレも充実で安心!
紹介した登山コース中には4つのトイレがあり安心です。ただし、各山小屋のトイレは有料。小銭を用意するのを忘れずに。
登山口へのアクセス情報
しらび平(ロープウェイ乗り場)へのアクセス
【クルマの場合】
中央自動車道「駒ヶ根」IC→菅の台バスセンター(駒ヶ根ICより約3分)→路線バスに乗換→しらび平へ
【公共交通の場合】
JR飯田線「駒ヶ根」駅→徒歩で駒ヶ根バスターミナルへ移動→路線バスにて「しらび平」へ
各地から高速バスとセットの切符も発売されています
新宿・名古屋・大阪・立川発の高速バス・路線バス・ロープウェイチケットがセットになった切符も販売されています。割引価格になっているだけでなく、温泉割引券もセットに。
乗り換えのたびにチケットを購入する手間も省けるので、マイカー以外でアクセス予定の方は検討してみてはいかがでしょうか。
紅葉登山の服装と持ち物は?
木曽駒ヶ岳は3000m近く標高があるため、紅葉の見頃である9月~10月は最高気温でも5℃~11℃。ロープウェイで気軽に登れるからといって、平地と同じ感覚の薄着で行かずしっかりと防寒対策をしていくことが大切です。
木曽駒ヶ岳へは登山の服装で行こう
ロープウェイを利用すると言ってもれっきとした登山。行動中は暑く、止まると汗が冷えてくるので、脱ぎ着して調整しやすい重ね着が基本となります。
綿などの乾きにくい素材は、汗で濡れたまま寒い思いをしたり低体温症になる可能性も。速乾素材を使ったウェアを選びましょう。また、岩場の道を登るので、足首をしっかりとカバーしてくれる登山靴がおすすめです。
▼登山の服装を調べる
準備するものは?
急な天候の変化に対応するだけでなく、防寒着としても利用できるレインウェアは必須です。また、行動中に食べる行動食や飲み物、荷物を運ぶリュックなど、登山に必要なものを準備することが大切です。下の記事にある準備リストを使って忘れ物のないようにしましょう。
▼登山の持ち物を調べる
地図も忘れずに!
秋だけの絶景を見に行こう!
木曽駒ヶ岳はロープウェイで初心者でも紅葉登山が楽しめるところも魅力のひとつです。山頂からの大パノラマ、華やかな紅葉と白い岩、そして青空のコントラストは一度味わったら忘れられないほどに感動します。人気があるのも頷ける、素晴らしい景観とアルプスの大自然を感じに足を運んでみてください!