栃木県には日帰りで行ける山がいっぱい!抑えておきたい登山の基本
日光や那須高原など自然豊かな観光スポットの多い栃木県。そんな栃木県には、日帰り登山から本格登山まで楽しめる大小さまざまな山があるのをご存知ですか?
日帰り登山に出かけよう!
この記事では、その中でも手軽に楽しめる日帰り登山ができる山をご紹介。各山の登山コースの難易度を「栃木 山のグレーディング」をもとに紹介しています。
難易度★:登山の装備が必要
難易度★★:登山経験が必要・地図読み能力があることが望ましい
難易度★★★:地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
登山をするのに適した服装とは?
日帰り登山とは言え、山を歩くのですから準備が必要。登山に適した服装でないと、ケガや体調不良などの原因になります。基本は「歩きやすいこと」「汗冷えの元になる綿の下着や服は避ける」ことです。前もって準備して、快適な登山を楽しみましょう。
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栃木県の代表的な観光地【日光エリア】
栃木県の北西部に位置する日光は、男体山や女峰山などの日光連山があるエリア。周辺には、世界遺産にも登録された日光東照宮などの観光地が近いため、登山と観光の両方が楽しめます。
男体山(なんたいさん)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|
2,486m | 栃木県日光市 | 16.1℃ | 3℃ |
日光連山を代表する日本百名山にも選定されている美しい円錐形の山。昔から山岳信仰が盛んな山で、山頂には日光二荒山神社の奥宮があり、毎年行われている登拝祭には夜中にもかかわらず多くの人が訪れています。標高差がそれなりにあるので、達成感を求める人におすすめです。
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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約7.7km | 約1,200m | 6時間30分 | ★★ |
二荒山神社入口(80分)→四合目(150分)→男体山(100分)→四合目(60分)→二荒山神社入口
九十九折りは少なく、ほぼ直答する急な登りの多い登山道ですが、ぐんぐん高度が上がるとともに変わる景色にモチベーションもアップ!4合目あたりから視界が開けて眼下には中禅寺湖が見えてきます。7合目からはガレ場となるので足元に注意して登りましょう。
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女峰山(にょほうさん)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|
2,483m | 栃木県日光市 | 16.5℃ | 2.9℃ |
日光市の北側にある成層火山。山頂の火口が浸食により削れて馬蹄形となり、西峰を女峰山、東峰を赤薙山と呼んでいます。名前からは想像がつかない尖った頂を持ち、古くから山岳信仰の対象とされてきました。男体山とともに日光を代表する山で、人気がある山の一つです。
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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約12.6km | 約1,133m | 約5時間45分 | ★★★ |
霧降高原(45分)→ 小丸山(90分)→ 赤薙山(50分)→ 赤薙奥社跡(70分)→ 水場(90分)→ 女峰山(70分)→ 水場(60分)→ 赤薙奥社跡(95分)→ 小丸山(30分)→ 霧降高原
一般的なのは霧降高原登山コース。霧降高原は初夏にニッコウキスゲが一面に咲き誇る場所。いきなり1445段の長い階段からスタートです。赤薙山山頂を過ぎるとアップダウンが多く、道も木の根や岩が出ているので足元に注意。山頂からは男体山など、日光の山々が見渡せます。
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自然が豊かな高原が広がる【那須・塩原エリア】
那須・塩原エリアは栃木県屈指の避暑地として有名で、夏から秋には特に多くの人が観光に訪れています。温泉や宿泊施設も多いので、登山の後にゆっくりして帰るのもおすすめです。
那須岳(茶臼岳)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1,915m | 栃木県那須郡那須町 | 25.1℃ | 12.1℃ |
那須岳は別名「茶臼山(ちゃうすだけ)」と呼ばれ、栃木県内で唯一の活火山。山頂付近の白煙をたなびかせる姿が雄大な那須の盟主です。ロープウェイを利用すれば初心者や体力に自信のない人でも楽しめて、特に紅葉シーズンは多くの人でにぎわいます。
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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約0.8km | 約231m | 約1時間30分 | ★ |
山麓駅(4分)→山頂駅(50分)→茶臼岳→(30分)→山頂駅(4分)→山麓駅
那須ロープウェイを利用して9合目の山頂駅からスタート。整備された登山道が続いているので安心です。遮るものがないので景色は抜群ですが、風が強いことも多いので注意。だんだん硫黄の匂いがしてきて、噴煙を吐き続ける那須岳の雄大さを間近に感じることができます。
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高原山(釈迦ヶ岳)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1,795m | 栃木県日光市 | 18.7℃ | 10.7℃ |
高原山は釈迦ヶ岳火山群と塩原火山群の総称で、鶏頂山や釈迦ヶ岳、明神岳などの山々が連なっています。麓には温泉が多く、冬にはスキー場としてにぎわいますが、他の観光地ほど人が多くないので、静かに過ごしたい人にはおすすめです。
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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9.7km | 559m | 5時間5分 | ★ |
西口登山口(30分)→枯木沼分岐(40分)→弁天沼(45分)→鶏頂山(80分)→釈迦ヶ岳(60分)→弁天沼(50分)→西口登山口
西口登山口の鳥居をくぐってスタート。はじめはカラマツの林をなだらかに登りますが、徐々に勾配がきつくなってきます。小さなはしごやロープのある急坂を上ると鶏頂山山頂。釈迦ヶ岳への登山道も木の根が多く急坂もあるので注意してください。山頂は広く、日光の山々や会津駒ケ岳までも見渡すことができます!高原山の難易度は★1つですが、ある程度体力が必要です。
登山口:鶏頂山西口登山口
アクセス:東京から(車の場合)
大沢IC(日光宇都宮道路)-県道279号線- 国道121号線-鬼怒バイパス― 日塩有料道路-日塩もみじライン―鶏頂山登山口駐車場(約40km)
群馬県との境目【県境エリア】
日光エリアでご紹介した日光連山と同じ山域ではありますが、群馬県との境目に位置する山を2つご紹介します。日光エリアの山とまた違った表情を見せる魅力的な山で、観光地とも近いのであわせてみてはいかがでしょうか。
皇海山(すかいさん)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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2,144m | 群馬県沼田市 | 16.9℃ | 7.7℃ |
皇海山は栃木県日光市と群馬県沼田市の境にある山で、古い成層火山ですが浸食が進んで木々に覆われています。そのため山頂に展望はありませんが、日本百名山では原始的自然美のある山として紹介されており、苔むした樹林帯や花々が魅力です!
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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約5.6km | 約787m | 約6時間10分 | ★★ |
皇海橋(30)→二俣(90分)→不動沢のコル(60分)→皇海山(40分)→不動沢のコル(70分)→二俣(20分)→皇海橋
日本百名山で深田久弥が登った栃木県側からのクラシックルートは、岩場が多く難易度が高いので、ここでは群馬県側から登るコースをご紹介します。登山口までが悪路で有名な栗原川林道を通るので、まずは道路状況を確かめましょう。シャクナゲや黒ブナ、カエデなどの美しい木々が魅力です!
▼皇海山について詳しく調べる
鬼怒沼山(きぬぬまやま)
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|
2,140m | 栃木県日光市 | 18.6℃ | 8.4℃ |
奥日光とも呼ばれる鬼怒川の源流域にある鬼怒沼山。大小48個の池塘がある高層湿原にはチングルマやイワカガミなどの高山植物が豊富で、神秘的な光景が広がっています。山麓は秘湯として知られる温泉地でもあるので、下山後の楽しみです。
■おすすめの登山コース
コース距離 | 標高差 | コースタイム | 難易度 |
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19,2km | 1,021m | 9時間25分 | ★★ |
女夫渕(90分)→八丁湯(65分)→オロオソロシの滝展望台(100分)→鬼怒沼湿原南端(60分)→鬼怒沼山→鬼怒沼湿原南端(50分)→オロオソロシの滝展望台(70分)→八丁湯(50分)→女夫渕(80分)
女夫渕から八丁湯までハイキングコースを歩きます。本格的な登山道が始まるのは、八丁湯などの温泉宿を抜けてから。はじめは急登ですが、山頂の湿原が近づくにつれて傾斜が緩やかになります。鬼怒沼はまさに天空の箱庭の絶景!鬼怒沼山には展望がありませんが、鬼怒沼の湿原のために登る価値のある山です。危険個所がないため難易度は★★ですが、往復約20kmと距離が長いので上級者向けコース。
登山口:女夫渕温泉
アクセス(東京から)
【車の場合】
日光1IC(日光宇都宮道路)-県道169号線-県道23号線-女夫渕温泉駐車場
【電車・バスの場合】
東武浅草駅-鬼怒川温泉駅(東武鬼怒川線)、日光市営バス(川俣・女夫渕温泉行)で女夫渕下車
栃木県の山に登ろう!
栃木県には日帰りで行ける日本百名山も多く、魅力的な山がたくさんありますね!登山の準備をしたらまずは日帰りでも行ける山から登ってみましょう。どの山も個性的だから次々登りたい山が出てくるはず。ぜひお出かけください!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。