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体力には自信があるのに…

そこで、登山の時に途中でバテないための、正しい食事の摂り方を、フィットネストレーナーであり管理栄養士でもある山田賢児さんに教えてもらいました。
エネルギーの供給が間に合わなくなるとバテる

「エネルギーの供給が間に合っていない状態です。つまり血糖値が極端に下がっているということ。そうなると、体に力が入らなくなり、思考力も低下します。眠くなったりめまいがしたら要注意です」(山田さん、以下同)
例えば、体を絞りたいからと、果物だけ、または野菜スープだけなどの軽い朝食で歩き始めた時に、こういう状態になりやすいとか。では、そうならないために必要な栄養素とは?

それともう1つ重要なのは、摂取した糖質をエネルギーに変換する時に必要なビタミンB群。ビタミンB群は、水溶性のビタミンで、体内に留めておけない性質があります。少しの量でいいので毎食摂取するのが望ましいです」
つまり、糖質を中心としながらも、ビタミン類も同時に摂れるのが理想的だそうです。
簡単に準備できて栄養バランスを満たす朝食メニュー
陸上選手として箱根駅伝にも出場したことがあるという山田さんがお勧めする、運動をする日の朝、手っ取り早く必要な栄養を補給できる朝食を教えてもらいました。
または、牛丼屋や定食屋などの朝定食も、実はかなり必要な栄養を満たしています。こちらもごはんに納豆に卵、それに豚汁などを追加できたら理想的ですね」

「足がつりやすい人の場合、ミネラル不足が考えられます。ミネラルは、肉や果物、ナッツ類、海藻類など様々な食材に少しずつ含まれているので、日頃からバランスの取れた食事を心がけておくことが重要です。
クエン酸は、摂取した糖質を、筋肉を動かすエネルギー源となるグリコーゲンとして蓄積させることを促すと言われている栄養素。柑橘類や梅干しなどに多く含まれています」

・鮭やツナなどのおにぎりや納豆巻き
・ゆで卵
・豚汁
・オレンジジュース
なお、朝食はできれば歩き始める2時間ほど前に、量はしっかりと満腹になるくらい食べてOKとのことです。
昼食と行動食は何を食べればいい?

「行動食だけで1日を乗り切るか、しっかり昼食を食べるかは、登山プランによっても変わってきます。景色のいい山頂でお昼を食べることを目標にするなら、お昼を食べればいいし、1日中ハードに動くなら行動食だけでいいでしょう。
ただし、お昼を食べる場合でも、歩きながら食べるおやつは持って行きましょう」


量は、その人の体格や歩くルートのハードさによっても変わってくるので、疲れたなと感じたり、小腹がすいたなと思ったタイミングでちょこちょこ食べるようにしましょう」

「おにぎりやサンドイッチを食べる場合には、具として卵や鮭、ツナ、カツサンドなどもいいでしょう。また、魚肉ソーセージは、山に持って行きやすいという点でもおすすめ。
お湯が用意できるならカップ麺と魚肉ソーセージなどでもいいですね。もし山頂に茶屋があるなら、そこで肉うどんなどを食べるのもいいと思います」

水分補給はこまめに少しずつ飲む

「歩き始める2時間前からスタートするまでの間に、500mlほどの水を飲んでおくと、体のコンディションが整います。また、歩きながら15分〜20分おきくらいに、1口〜2口ずつ水分補給しましょう。
水や麦茶、スポーツドリンクなどでいいですが、個人的にはスポーツドリンクだけだと口の中が甘くなるので、水と両方持って行くほうがいいのではないでしょうか」
なお、前日にお酒を飲んだ場合、水分不足になりやすいので、特に注意が必要だそうです。こまめな水分補給を心がけたいですね。
バランスのとれた食事がバテない秘訣!
