花だけじゃなく「葉までキレイ」!アルプスで人気のヨツバシオガマの特徴とは

背が高く赤紫色の花が目立つことから高山でよく見かけるヨツバシオガマ。夏のアルプスを代表する花です。そんなキレイなヨツバシオガマですが、意外な生態が。そして、ちょっと笑ってしまう名前の由来など、ネタが豊富な花でもありました。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

夏のアルプスを彩る赤紫の花|ヨツバシオガマの特徴

アルプスのヨツバシオガマ

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ヨツバシオガマ(四葉塩釜 学名:Pedicularis japonica)は、シオガマギク属の多年草。北海道から中部地方以北までの高山帯に分布します。シオガマギク属の中でも、最も見かける花で、学名に「japonica」とついていることからわかるように日本固有種です。

畳平のヨツバシオガマ

撮影:筆者

花期は7~8月、鮮やかな赤紫色の花で、茎の高さは20-50cmと比較的高いので、遠くからでもよく目立ちます。

ダジャレ!?ヨツバシオガマの名前の由来

ヨツバシオガマの「ヨツバ」は四つの葉が茎を囲むようにつくから。
では、「シオガマ」は?

このシオガマは塩を作る時に使う“塩釜”からということです。由来は、“浜で美しいのは塩釜”、つまり「浜で美しい」の音が「葉まで美しい」と聞こえる事から、“葉まで美しいのはシオガマ”となったことからだそうです。

ヨツバシオガマの葉

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これがヨツバシオガマの葉、たしかに四方にきれいに付いて凛としています

能登の塩釜

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これが伝統的な製塩で使っていた塩釜です。正直、美しいとは言い難いですが…。
いずれにせよ、まるでダジャレ。こんな名前の由来もあるんですね。

意外な一面、半寄生植物

イネ科植物とヨツバシオガマ

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ヨツバシオガマは自ら光合成しますが、イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生し養分を分けてもらう「半寄生植物」です。したがってヨツバシオガマだけで自生することはほとんどなく、寄主の植物たちと一緒に見かけることが多いのも特徴。

こんなにキレイな花を咲かせて「半寄生植物」というのも、ちょっと意外です。

間違えやすいハクサンチドリ

ハクサンチドリとの比較

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分布や花期、花の色や付き方もよく似ているので間違えやすいのが、高山植物の「ハクサンチドリ」。花はよく見ると違いますが、決定的に違うのが葉。長さは5〜15cm、幅は1〜3cmで大きくヨツバシオガマのように切れ込みはありません。迷ったら葉を見てみましょう。

ヨツバシオガマの仲間たち

ヨツバシガマの仲間たち

シロバナヨツバシオガマ撮影:筆者、タカネシオガマ、クチバシシオガマ、レブンシオガマ出典:PIXTA

“シオガマ”と名が付く花はたくさんありますが、ヨツバシオガマにより近い種や変種を紹介します。

■シロバナヨツバシオガマ(白花四葉塩釜)
ヨツバシオガマの花が白い変種。かなり珍しく見る事ができたらラッキーです。筆者は栂池自然園で見ましたが、かなり感動しました。

■タカネシオガマ(高嶺塩釜)
高さは5cmから15cmとヨツバシオガマより小柄。高山植物としては珍しい一年草です。ヨツバシオガマより鮮やかで花付が多い物が多いのが特徴です。

■クチバシシオガマ(嘴塩釜)
ヨツバシオガマにくらべちょっと南側、中部南部や関東南部に分布しています。花の上部がクチバシのように伸びているのが特徴。

■レブンシオガマ(礼文塩釜)
その名の通り礼文島のみに分布しています。高さ50cmほど、花部分が10段くらいになり葉が5枚以上あるなどヨツバシオガマにくらべダイナミックです。

ヨツバシオガマを見るならココ

ヨツバシオガマを観賞できる場所は比較的たくさん。その中でも割と簡単に足を運べる場所をピックアップしました。

千畳敷カール(長野県)

千畳敷カール

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中央アルプス宝剣岳直下に広がる“千畳敷カール”。高山植物のお花畑として、日本有数の景勝地です。

出典:PIXTA

ヨツバシオガマもそのひとつ。千畳敷カール周辺部では、八丁坂 ・ 極楽平でも観賞することができます。

乗鞍岳・畳平(長野県・岐阜県)

畳平

出典:PIXTA

手軽に3000m級登山ができることで人気の「乗鞍岳」。その登山口である畳平のお花畑やその周辺の夏はお花畑に。

畳平ヨツバシオガマ

撮影:筆者

たくさんの高山植物の中でヨツバシオガマが一段と目立つ存在として目を引きます。

栂池自然園(長野県)

栂池自然園

撮影:筆者

北アルプスの人気の山「白馬岳」の中腹、登山口でもある栂池に広がる自然公園の「栂池自然園」。

栂池自然園のヨツバシオガマ

撮影:筆者

いくつもの湿原や森が広がる中、遊歩道を歩きながらヨツバシオガマを見ることができます。
栂池自然園

立山・室堂平(富山県)

室堂平のヨツバシオガマ

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立山・黒部アルペンルートの最高地点、室堂平の夏は高山植物のお花畑に。立山連峰の山々をバックに咲くヨツバシオガマは、夏の立山を鮮やかに彩ります。

八幡平(岩手県・秋田県)

夏の八幡平

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岩手県・秋田県にまたがる高原台地の八幡平(はちまんたい)。八幡沼やガマ沼など、たくさんの池塘が点在する広大な湿原が広がります。

八幡平のヨツバシオガマ

出典:PIXTA

夏はたくさんの高山植物の中、ヨツバシオガマも至る所に咲いています。

月山・弥陀ヶ原湿原(山形県)

月山・弥陀ヶ原

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月山の8合目付近に広がる弥陀ヶ原は、130種類以上の可憐な花が咲き誇る高層湿原です。遊歩道でゆっくりと散策しながら、たくさんの高山植物と共にヨツバシオガマを観賞することができます。月山山頂にかけての稜線にも多く咲いています。

夏の高原で「誘惑」されそうなヨツバシオガマ

秋田駒ヶ岳のヨツバシオガマ

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ヨツバシオガマは高山植物の中でも目立つのでとても分かりやすいことから、高山植物として最初に覚える人も多く、特に印象に残ります。ヨツバシオガマの花言葉は「美しい祈り」「誘惑」。鮮やかな色とスラっとした姿、お花畑の中でも特に目を引く姿にはたしかに誘惑されそうですね。