夏山を彩る可憐な花「ハクサンフウロ」見どころや名前の由来など特徴を紹介

2022/07/21 更新

夏、風に揺れる白やピンク、薄い紫の花びらがかわいい「ハクサンフウロ」。中部から東北までの亜高山帯以上で見られ、大き目で目立つ花に目を惹かれます。そんなハクサンフウロの特徴と、おすすめ観賞地を紹介します。

制作者

ライター

黒田猫太郎

近所の山から遠くの山まで、春夏秋冬、毎週のように山で遊んでいたら、いつの間にか25年、山歴だけは長くなってしまいました。山遊び経験を活かした様々なウェアやギアのレビュー、身近な山や自然の魅力を発信していきます。特に「くじゅう連山」や「脊振山地」あたりに出没中。

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アイキャッチ画像出典:PIXTA

夏の高山を彩る花、ハクサンフウロの特徴は?

 ハクサンフウロの花
出典:PIXTA
ハクサンフウロ(白山風露)は、フウロソウ科フウロソウ属の多年草。分布は東北から本州中部(伊吹山まで)に至る亜高山帯から高山帯です。北海道に多いエゾフウロは、ハクサンフウロの基本種となります。

ハクサンフウロのアップ
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雪渓周辺など、湿気が多く日当たりが良い草原に多く生育し、花期は7~8月。草丈は30~80cm、花径は2~3cm、花弁は5枚、葉は深く切れ込みがあるのが特徴です。

ハクサンフウロの草もみじ
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9月ごろ、秋には草もみじとして楽しめるハクサンフウロ。葉が特徴的なのでぜひ、探してみましょう。

ゲンノショウコの花
出典:PIXTA(ゲンノショウコ)
ちなみに、公園や里山でよく見かけるゲンノショウコは同属の仲間です。

名前は白山が由来、なぜ白山?

朝露に濡れるハクサンフウロ
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名前のハクサンは初めて確認された白山(石川・岐阜県)からで、フウロ(風露)は、茎の細い毛についた露が由来です。

ハクサンと名が付く花は、ハクサンイチゲ、ハクサンオミナエシ、ハクサンコザクラ、ハクサンチドリなどたくさんあります。しかし、白山だけの固有種ではありません。なぜ、”ハクサン”と言う名前が付いたのでしょうか?

ハクサンの名前が付く花々
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明治時代、西欧の植物学が盛んになり、平地から次第に高山へと研究対象が移りました。しかし、当時の高山は未開拓地が多く危険。江戸時代から宗教登山が盛んだった白山であれば、ガイドがいて登山道がしっかりとしているので、植物研究者が多く訪れるようになりました。
白山比咩神社と御神体「白山」
出典:PIXTA(白山比咩神社の祈祷殿と、その奥に雄大に聳える御神体「白山」(御前峰))
つまり、これらの花を植物研究者が最初に発見したのが白山だったからという事です。

間違えやすい花はタチフウロ

タチフウロの花
出典:PIXTA
ハクサンフウロに似た花は多くあります。その中でもとりわけ間違えやすいのがタチフウロ。タチフウロは東北から九州、低山から亜高山帯まで分布し、花期も同じで重なることから間違えやすい花です。見分け方は、タチフウロは花弁が平面または反り気味に咲くことぐらい。よく観察して見分けましょう。

ハクサンフウロを見るならココ

月山(山形県)|山頂付近から山稜のお花畑

夏の月山 稜線のハクサンフウロ
出典:PIXTA
花期:7月下旬~8月
夏の月山(標高1,984m)では山頂付近や稜線でハクサンフウロを見ることができます。お花畑の中、他のたくさんの花とともにピンクや紫のハクサンフウロが可憐に揺れています。

大朝日岳(山形県)|大朝日小屋周辺

大朝日小屋付近の高山植物群落
出典:PIXTA
花期:7月~8月
朝日連峰の主峰「大朝日岳(標高1,870m)」の直下、大朝日小屋周辺は一面に広がるお花畑で有名。夏はハクサンフウロが群落を作り、多くの登山者が美しい風景に酔いしれます。

白山高山植物園(石川県)

白山とハクサンフウロ
出典:PIXTA
花期:6月~7月
白山の近く、西山(標高857m)の山頂直下に作られた白山高山植物園は、白山の咲く高山植物を守るために作られた植物園です。夏の1か月半だけオープンする間、たくさんのハクサンフウロを見ることができます。白山をバックに見るハクサンフウロは格別です。
【公式】白山高山植物園ホームページ

奥日光 戦場ヶ原(栃木県)

戦場ヶ原の風景
出典:PIXTA
花期:7月~8月
見渡す限りの湿原が広がる奥日光の戦場ヶ原。夏の戦場ヶ原はたくさんの花が咲きますが、ハクサンフウロもその1つ。

戦場ヶ原のハクサンフウロ
出典:PIXTA(戦場ヶ原のハクサンフウロ)
遠く男体山を望む木道を歩きながら、ピンクや紫のハクサンフウロを楽しむことができます。

環境省|日光湯元ビジターセンター

池の平湿原(長野県)

池の平湿原
出典:PIXTA
花期:7月~8月

浅間山麓の池の平湿原は標高2000m地帯に広がる高層湿原。夏から秋にかけて650種類の植物が、色とりどりの花を咲かせます。

池の平湿原のハクサンフウロ
出典:PIXTA(池の平湿原のハクサンフウロ)
ハクサンフウロが特に多いのが8月、1周1時間程度の木道を歩きながらたくさん見る事が出来ます。

信州とうみ観光協会|池の平湿原

美ヶ原高原(長野県)

美ヶ原高原のハクサンフウロ
出典:PIXTA
花期:7月~8月
標高2000m地帯に広がる美ヶ原高原は、のどかな高原牧場の草原。夏を中心にたくさんの花々が咲き乱れます。

美ヶ原高原のハクサンフウロ
出典:PIXTA(美ヶ原高原のハクサンフウロ)
高原の風の中、のんびりと牧道を歩きながら、風に揺れるハクサンフウロの群落を見ることができます。


伊吹山(滋賀県)|山頂のお花畑

伊吹山山頂のお花畑
出典:PIXTA
花期:7月~8月
伊吹山(標高1377m)は、ハクサンフウロ分布域の最西端。山頂のお花畑は、夏、色鮮やかにたくさんの花が咲き乱れます。

伊吹山のハクサンフウロ
出典:PIXTA(伊吹山のハクサンフウロ)
たくさんの花の中、薄紫色のハクサンフウロも負けずに顔を出しています。

イブキフウロ
出典:PIXTA(イブキフウロ)
なお、よく似たイブキフウロも咲いていますが、花弁の先端が3裂しているのが特徴。割と簡単に見分ける事ができます。


他にもたくさんあるハクサンフウロのお花畑

ハクサンフウロと昆虫
出典:PIXTA
ハクサンフウロは高山植物の中でも分布エリアが多く、高山や亜高山地帯に行くと頻繁に見ることができる花。今回紹介した観賞地はほんの一部で、他にもたくさんのお花畑があります。
今度標高が高い山に登る時は、ぜひ、見つけてみてくださいね。


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