関西屈指の人気を誇る伊吹山の魅力
標高 | 山頂所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1377m | 滋賀県米原市、岐阜県揖斐郡揖斐川町、不破郡関ケ原町 | 21.8℃ | 9.7℃ |
関西地方の中でも、特に人気の高い伊吹山は日本百名山のひとつです。滋賀県は琵琶湖の東、岐阜県との県境にそびえており、実際に登る標高差やコースが富士山に似ているため、「ミニチュア富士」とも呼ばれています。
遮るものがなく、日本一の琵琶湖を望む
登山道の視界は開けており、眺めの良い山歩きが楽しめます。後ろを振り返れば日本一の大きさを誇る湖「琵琶湖」が1合目辺りからずっと眺められるなど、贅沢な景色が楽しめる登山道です。
春夏の花々、秋のススキなど季節ごとの植物を楽しめる
脚本家の田中澄江が記した「新・花の百名山」にも伊吹山は選ばれており、日本でも有数の”高山植物が豊かな山”として知られています。春から秋まで季節をまたいで様々な種類の花を愛でることができるでしょう。さらに秋には紅葉も人気です。
▼伊吹山の紅葉について詳しく知りたい方はこちら
様々な楽しみ方ができる伊吹山の山頂
伊吹山の山頂は、他の日本百名山と比較してもとても広いのが特徴的です。360度の展望もあり、眺めは抜群!また「伊吹山ドライブウェイ」が通っていることもあり、観光客でも賑わっています。伊吹山の伝説に因んだヤマトタケルノミコトの像も目を惹きます。
地図と天気も必ず確認しよう
登山地図の定番といえばコレ!マップ詳細はもちろん、バスやマイカーでのアクセスにも便利!
伊吹山に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!伊吹山の天気を調べる
上野ルート|アクセスも良好な伊吹山登山口の定番
ここでは、最も人気のある伊吹山定番の登山コースを紹介します。見晴らしの良さと美しい花の宝庫で魅力たっぷりのコースですよ!今回紹介するのは、登りと下りが同じルートのピストンコースです。
最高点の標高: 1356 m
最低点の標高: 210 m
累積標高(上り): 2198 m
累積標高(下り): -2198 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間20分(往復)
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
登山口は三之宮神社です。神社周辺には、民家が営む駐車場が点在し、バス停や登山届提出場所、女性も安心の清潔で大きなトイレもあります。登山前に入山料300円を払ってから入山しましょう。
登山口から1合目までは樹林帯の中を歩きます。見晴らしがない中、少し登りが急なので大変ですが、30分程度で1合目に辿り着きます。
1合目は標高約420m。周辺には「伊吹高原荘」という民宿やトイレがあります。次は30分程度先の3合目までトイレがありませんので、心配な方はここで用をすませておきましょう。
1合目、2合目と進んでいくにつれて遮るものがなくなり、見晴らしが良くなります。進行方向には目指す伊吹山が大きくそびえる姿が見え、振り返れば麓の平野が見渡せます。
標高720mの3合目には、トイレや休憩できるスペースがあります。まだまだ続くので、ここで一息入れたり木陰で休憩をこまめに取りましょう。
5合目付近には道の脇に自動販売機があります。ここからは山頂を目にすることができます。さらに登り詰め、6合目に至ると避難小屋が姿を見せます。つづら折がさらに続きますが、一本道なので道迷いの心配も少なく安心です。
8合目まで来ると頂上まであと一息。しかし、この辺りからゴツゴツした岩が増えてきます。難易度が高いわけではないですが、足元に注意し、気を引き締めて進みましょう。
山頂はとても広く、周りに山がないので展望が開けています。標高1,377mの頂上からは、麓の平野や琵琶湖や竹生島の姿が見渡せます。山頂のやや西側へ行ったところには、琵琶湖がよく見える小さな展望スポットもありますよ!
下山は登って来た道を戻ります。下山時は疲労もたまり怪我をしやすいので注意して下山しましょう。
登山口へのアクセス
【クルマの場合】
名神高速道路「関ヶ原」IC―国道365号ー国道551号ー登山口
北陸自動車道「米原」ICー国道21号ー県道248号ー県道268号ー登山口
※登山口の周辺に複数の駐車場あり(有料)
【公共交通の場合】
JR東海道線「長浜」駅ー湖国バス「伊吹登山口行き」乗車ー「伊吹登山口」バス停下車
上平寺コース|歴史と自然を楽しむクラシカルルート
伊吹山登山口コース(上野ルート)の東側には上平寺コースという歴史と自然をセットで楽しめるコースがあります。今回紹介するのは同じ道を往復するピストンコースです。
最高点の標高: 1356 m
最低点の標高: 639 m
累積標高(上り): 1804 m
累積標高(下り): -1804 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間20分(往復)
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
上野ルートの東側、上平寺の集落からスタートします。伊吹神社の鳥居の左手にあるボックスへ登山届を提出したら登山開始。
スタートしてしばらくは樹林帯を歩きます。途中、かつて京極氏が築いた上平寺城の城跡を通ります。本丸跡からは伊吹山が望めます。コーステープが少なく、藪が成長すると登山道が見えにくくなりますので、ルートから外れないよう地図を確認しながら注意して進んでください。
やがてガレ場の急登に出ます。ここはコース最大の難関で、ロープや木の根も使いながら慎重に登っていきましょう。ここを抜けると上野ルートの5合目と6合目の間辺りに合流します。
合流後、山頂まで上野ルートと同じです。下りは来た道を引き返しますので、怪我をしないように注意してください。
登山口へのアクセス
【クルマの場合】
名神高速道路「関ヶ原」IC―国道365号ー登山口
北陸自動車道「米原」ICー国道21号ー県道248号ー県道244号ー県道551号ー県道531号ー登山口
※上平寺集会所付近に駐車スペースあり
【公共交通の場合】
JR東海道線「近江長岡」駅よりタクシー乗車ー上平寺集会所
伊吹山の山頂は楽しみ方がたくさん
「伊吹山ドライブウェイ」が通っていることもあり、登山以外でも多くの人が訪れます。ここでは伊吹山山頂で押さえておきたいポイントを紹介します。
山頂に山小屋が6つもある!
なんと伊吹山には山小屋が6つもあります。食事処やお土産屋が立ち並び、伊吹そばや伊吹牛乳が有名です。夏には野菜が販売されていて、冷やしトマトなど新鮮な野菜をその場で食べることができます。伊吹山山頂バッヂも有名で、下山前にぜひ購入しておきたいお土産のひとつです。
また、山頂の裏手には伊吹山ドライブウェイの終点となる「スカイテラス伊吹山」という施設があります。
「ヤマトタケルノミコト」の像と記念撮影!
伊吹山の荒神を退治するためにヤマトタケルノミコトが登ったという伝説があり、山頂にはヤマトタケルノミコトの像が建てられています。この像は人気の撮影スポットでもあります。伝説にちなみ、伊吹山の湧水でたてた伊吹水コーヒーもあります。
広すぎる頂上は景色も抜群
伊吹山の頂上には高山植物の花畑が広がっており、300種以上もの花が咲いています。春から秋まで半年に渡ってそれぞれの季節の花が楽しめますよ!西登山道、東登山道、中登山道の3つの周遊コースがあり、数十分程度の散策が楽しめます。
登山に必要な服装をチェックしよう
伊吹山に登る前に服装をチェック。アルプスのように高山ではないですが、しっかりした服装で臨み、快適な登山を楽しみましょう!
春夏の暖かい時季の服装と持ち物
伊吹山登山は、木陰がかなり少ないので、汗冷え対策と日差し対策は必ず行いましょう。
・アンダーウェア:
汗冷えを起こさないように、吸汗速乾性のもの
・速乾Tシャツ:
半袖でOKですが、日焼け防止には長袖がおすすめ。素材はポリエステルやナイロン製。
・中間着:
休憩時や山頂に居るとき、風が強いときなど、肌寒いと感じたときに羽織れるものが必要です。
・トレッキングシューズ:
ガレ場もあるので、ハイキングシューズやトレッキングシューズは必須。
・登山パンツ:
薄手のパンツ、またはサポートタイツ+ショートパンツがおすすめ。
・レインウェア:
山の天気は変わりやすいので、必ず防水性のあるマウンテンパーカーや上下別の蒸れにくいレインウェアを用意してください。
・日焼け止め:
伊吹山は日光を遮るもののない山肌を長時間歩くので、必ず日焼け止めを持っていきましょう。
肌寒い時季の服装と持ち物
景色を楽しむために立ち止まると意外と体はすぐに冷えます。休憩時や山頂付近では肌寒くなることを念頭に置いて用意しましょう。
・アンダーウェア:
平地でも肌寒くなってくる晩秋では保温性があり速乾性のあるものを選ぶのがおすすめ。
・速乾Tシャツ:
汗冷えを起こさないように速乾Tシャツにしましょう。
・中間着:
薄手の長袖シャツや山シャツがあると安心です。
・フリースやダウン:
行動中は必要なくても、休憩時や山頂では必要となります。防風性のあるものが良いでしょう。
・トレッキングシューズ:
ガレ場もあるので、ハイキングシューズやトレッキングシューズは必須です。
・登山パンツ:
冷えは足元からきますので、中厚のロングパンツがおすすめ。
・レインウェア:
山の天気は変わりやすいので、必ず防水性のあるマウンテンパーカーや上下別の蒸れにくいレインウェアを用意してください。
▼登山の服装に関してはこちらをチェック
今年は魅力たっぷりの伊吹山へ登ろう!
見晴らしが良いため、登頂の醍醐味を味わえるのはもちろん、さまざまな高山植物が咲き誇る花畑もあり、山の自然を満喫できる伊吹山。難易度もそれほど高くはなく、登りやすいところも魅力です。山頂にはスポットも多く、楽しみ方も自由。関西の山でどれを登るか迷ったら、ぜひ伊吹山を登ってみてください。きっと楽しい思い出になりますよ!