〈いまいち影の薄い”ツェルト”〉そんな彼女が登山者に伝えたいコトとは・・・。

2019/05/10 更新

登山に行く時はできるだけものを減らして、軽くしたいというのが本音。でも、本当に必要な装備を忘れていませんか?編集部で〈日帰り登山のギアオーディション〉を実施したところ、日帰り登山の必需品であるにも関わらず、あまりザックに入れてもらえていないツェルトも参加。ツェルト本人が語る、ツェルトの魅力や必要性、そして登山者に伝えたいコトとは?そして、オーディションに合格できたのか・・・。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

なぜかザックに入れてもらえない・・・。

荷造り
撮影:YAMA HACK編集部
皆さんは日帰り登山にどんなアイテムを持っていきますか?山ごはんを楽しむためのガスバーナーや景色を撮るためのカメラ、その他にもレインウェア、コンパスなどをザックに入れて持っていきますよね。

では、これはどうでしょうか?
ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
もしかすると、このアイテムがいったい何なのか、どのように使うのかもわからない人もいるかもしれません。

遭難捜索 ツェルト
出典:PIXTA
使用イメージは、こんな感じです。これは「ツェルト(シェルター)」と言うアイテムで、一言で言うと「簡易テント」。テントから快適性を削り、コンパクト化と軽量化をしたアイテムです。

このツェルト、万が一に備えて日帰り登山に必ず持っていってほしい装備なのですが、なぜか存在感が薄く、ザックに入れていない人も。

今回はなんとツェルト自ら「日帰り登山の選抜メンバー入り」のためにオーディションに来てくれました。そこで、”ツェルトの魅力やよく似ていると言われるアイテムとの違い、そして登山者への想い”などを語ってくれたので、その様子を見てみましょう。

志望動機から聞いてみた

ツエルト
撮影:YAMA HACK編集部(どうやら緊張してカチコチになっている)
編集部 大迫
本日は「日帰り登山装備オーディション」にお越しいただき、誠にありがとうございます。今日は、いろいろとあなたのことを教えてください。緊張しないでリラックスしてくださいね。


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ツエルト
撮影:YAMA HACK編集部(ババーン♫道具を大切にする人には見えるそうですよ。)
ツェルトさん
はーい♪本日はよろしくお願いします。

編集部 大迫
あっ、リラックスするとそんな感じなんですね。それでは、今回の志望動機を教えていただけますか?

『登山者の安全のために役立ちたい』

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
ツェルトさん
登山を楽しむ人の命を守りたいからです。日帰りであろうとも、標高が低い山であろうとも、山に入る以上は危険が伴います。万が一、下山ができなくなってしまった時に、雨風を凌いだり、体温の確保をしたりするために役立ちたいんです。

編集部 大迫
それは素晴らしい志ですね。もう少し、あなたのことを教えてください。

ツェルトさん
私の特徴はなんと言っても、持ち運びやすいことです。私は「簡易テント」と呼ばれることもあるのですが、その呼び名の通りテントさんほどの居住性はありません。ですが、テントさんよりもコンパクトで軽いので、ザックに入れていても邪魔にならないんです。

撮影:YAMA HACK編集部(2人用で500mlのお茶とほぼ同じ大きさだが、重量は約半分。※商品によって重さや大きさは変わります。)
編集部 大迫
確かに軽量でコンパクトですね。これなら、ザックに入れていても気になりませんね。逆に弱みは?
ツェルトさん
外の気温とツェルト内の気温で結露ができやすいことですかね。それはシングルウォールのテントも同じですが。ただ、それでも一枚布があることの暖かさには自信があります。

ツェルトさんを採用するメリットってなんですか?

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
順調な滑り出しのオーディション。でも、わざわざツェルトさんを採用するメリットって何なのでしょうか?
編集部 大迫
あなたの機能はわかりました。ただ、「雨風を凌ぐ」のであればレインウェアでも可能ですよね?

『暖かい空間を作ることができます』

ツェルト
出典:PIXTA
ツェルトさん
単に雨風を凌ぐ、という考えであればそうかもしれません。ただ、レインウェアちゃんと違うのは『ツェルトは空間を作ることができる』ということ。同じ雨風を凌ぐのでも、カッパで雨を防ぐのと軒下で雨宿りするくらい違います。

編集部 大迫
確かに。どんなに優れたレインウェアでも、長時間風雨にさらされると袖や裾、顔の部分などから徐々に濡れてくるおそれがありますもんね。
ツェルトさん
そうですね。それにこんな薄い布でも一枚あると、体温で暖められた空気が逃げにくくなるので、暖かい空間を作ることが可能です。

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部(ツェルトを使ったイメージ)
編集部 大迫
「一晩過ごさなければいけない」と考えた場合、直接雨に打たれないというのも、いざという時には精神的に大きなメリットになりそうですし、暖かい空間にいれるだけでも体力の消耗を抑えられますね。

『ツェルトは家、エマージェンシーシートは布団』

エマージェンシーシート
撮影:YAMA HACK編集部
編集部 大迫
では、エマージェンシーシートとの違いはなんですか?彼女もシート上に広げることができますよね?

ツェルトさん
よくエマージェンシーシートさんとも比較されるんですけど、基本的には『ツェルトは家、エマージェンシーシートは布団』のように考えてください。

編集部 大迫
というと?

ツェルトさん
エマージェンシーシートさんは多くの場合、体から放出される熱を逃さないためにアルミの層がありますよね。でもあの機能を活かそうとすると、体の上にまかないとあまり効果が期待できないんですよ。

編集部 大迫
エマージェンシーシートを活かすなら、体に巻くのが一番ということですね。レインウェア、エマージェンシーシートと同じような役割と思っていましたが、意外と違うんですね。

ツェルトさん
はい。ただ、どちらも命を守るために必要な装備なので持っていてほしいですね。

ツェルト使うのって難しくないの?

撮影:YAMA HACK編集部
ツェルトの良さはわかったし、各アイテムの特性を理解して適材適所に使用することもわかった。でも、一枚の布をテントのようにして使うのって難しそう!ツェルトの使い方や注意点なども聞いてみしょう。

『テントのようにするなら、ツェルト以外の装備も必要』

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
編集部 大迫
ツェルトって誰でも、こんなテントのように立てることができるんですか?

ツェルトさん
やりかた自体は練習すれば、ある程度できるようになると思います。でも実は、ツェルトだけあってもダメなんです。

編集部 大迫
何があればいいんですか?

ツェルトさん
何を使って、どのようにして立てるかによるのですが、木にくくりつけて吊るす場合であれば、細引きと呼ばれるロープ。トレッキングポールを使って立てるのでれば、トレッキングポールとテンションをかけて引っ張るための、ペグなどが必要です。なので、ツェルトをたてるためのアイテムも必要な数携帯するようにしてください。

編集部 大迫
購入した時に、ついてこないんですか?

ツェルトさん
正直言って商品によるとしか言いようがありません。ですが、基本的にはついてこないと思ってください。なので、山に持っていく前に袋からだして必要なアイテムを揃えておきましょう。その時に実際に練習で立ててみましょう。こういうものは慣れが大事です。


『立てなくても、使えるんですよ』

撮影:YAMA HACK編集部
ツェルトさん
そんな残念な顔をしないでください。

編集部 大迫
いや~、ツェルトさんにかなり気持ちが揺らいでいただけに、正直使うのが難しそうで心が離れそうですね。

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部(落ち込んでいるわけではない)
ツェルトさん
あっ!まだ言えていなかったのですが、使い方としてはテントやタープのように使うだけじゃなく、被ったりくるまったりするだけでもいいんです。

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
ツェルトさん
もし折りたたみ傘を持っている場合だと、こんな感じで顔の周りに空間を確保することもできるんです。それに最近は被るだけのツェルトもでているので、誰でも簡単に使うことができますよ。

ツエルト完成図
撮影:YAMA HACK編集部(被るだけで空間を確保できる「エム・シェルター1 ウルトラライト」)
ツェルトさん
これはザックと向かい合って座るだけなので、誰でも簡単に使えます。


編集部 大迫
ツェルトの種類にもいろいろあるので、テントのように使いたい場合は、細引きなどの必要な装備も忘れないようにする。ただし、道具がないからといって、まったく使えないわけではないんですね。

『緊急時以外でも使えるのでお値段以上!』

撮影:YAMA HACK編集部
ツェルトさん
もうちょっとアピールしていいですか?

編集部 大迫
急に積極的になったな。

ツェルトさん
私のこと万が一しか使えないと思ってません?それ勘違いです。例えば、ちょっとした休憩で寒い時に体に巻いたり、どうしてもトイレが我慢できない時や着替えたい時の目隠しとして使ったり、意外といろんなシーンで活躍するんです。

編集部 大迫
価格をみると1万円くらいするものが多いので少し悩みましたが、万が一の時に命を守るためであり、普段も工夫次第で使えると考えると決して単純な価格だけで判断してはいけないですね。

ツェルトさん
そう思っていただけたら、うれしいです。

気になる合否は・・・『もちろん採用!』

ツェルト
撮影:YAMA HACK編集部
日帰り登山を楽しむ人の中でも、ザックに入っていることが多くないツェルト。改めてその役割を語ってもらうことで、魅力を知ることができました。

登山を楽しむために最新のウェアや山ごはんの道具を買うことも、決して悪いことではありません。ですが、「自然の中に入るとういうことはどういうことか?」ということを改めて考え、優先すべき装備はなんなのか?を一度考えてみることも大事ですね。

いざという時にツェルトがあると、暖かさも精神的な安心感もかなり変わります。「ツェルト持ったほうがいいかな?」と少しでも思ったら、一度お店などで体に巻かせてもらったり、実際に手にとってみてください。

今回記事で使ったツェルトはこちら

■アライテント スーパーライト・ツェルト1(1~2人用)
軽量タイプのツェルト。ウレタンコーティングがされているので、多少の雨を防ぐことが可能。
ITEM
アライテント スーパーライト・ツェルト1(1~2人用)

■アライテント スーパーライト・ツェルト2(2~3人用)
ツェルト1のサイズアップタイプ。より多くの人数で登山に行く時はこっちのタイプがおすすめです。
ITEM
スーパーライト・ツェルト2 ロング(2~3人用)

少しだけ、ツェルトさんの履歴書を公開(本人了承済み)

履歴書
撮影:YAMA HACK編集部(ちなみにZELTはドイツ語です。)

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ツェルト
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YAMA HACK編集部 大迫
YAMA HACK編集部 大迫

YAMA HACK運営&記事編集担当。六甲山で飲んだサイダーの味に感銘を受けて、関西・四国・中国地方の山を歩き回る。急登のきつい上りは好きだが、燕岳の山頂でビビるほど高所恐怖症が酷い。誰もがもっと山に行きたくなるような記事を発信していきます。

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