アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
ツエルトって、何ですか?

出典:PIXTA
ドイツ語でツエルト、英語で言えばシェルター。軽量でコンパクトな簡易テントのことです。フレームやフライなどはなく本体の布のみを、トレッキングポールや木を使って張り綱で設営するのが一般的です。

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突然の雨、雪や強風、気温の低下などの天候悪化や、日没までに小屋にたどりつけなかったなどの緊急時のビバーク時に、また、軽量化を目的にテントの代わりに使われることもあります。泊まることを前提に作られた、居住性重視のモデルもあります。
いざというときに本当に使える?

撮影:YAMA HACK編集部
軽量性を重視したツエルトは作りがシンプルなため、テントに比べて設営にはテクニックが必要です。
あらかじめテント代わりに使うつもりなら、明るいうちにゆっくりと設営することができますが、稜線で突然の強風に見舞われたとき、テントより難しい設営をすばやくこなすことができるでしょうか。そのままツエルトをかぶって座り込むくらいが精一杯かもしれません。
エム・シェルターならテクニック不要!

出典:Juza Field Gear (形状をイメージしやすいように支えを入れた状態。実際は非自立です)
そこでおすすめしたいのが「エム・シェルター」。緊急時の切羽詰った状況で、だれでも素早く避難体制をとれるよう、「かぶって座る」ことに特化したボックス型のツエルトです。
「エム・シェルター1ウルトラ・ライト」は大人2人で使用できるサイズ。写真は形がわかるように支えを入れて撮影されていますが、フレームなどはありません。

出典:Juza Field Gear (形状をイメージしやすいように支えを入れた状態。実際は非自立です)
ボックス状に縫われた生地にベンチレーションが対角線状に2箇所。

底の両端にだけ、黒いシートがあります。頭からかぶって、この黒い部分に腰を下ろすというわけです。
ホントに簡単? 実際の使い方をチェック
説明するほどではありませんが、「被って座る」方法を、実際に行いながら説明しましょう。
まず、めちゃくちゃ小さい!

撮影:YAMA HACK編集部
収納サイズは、直径9 x 長さ12 cmで、350mlの缶を少し太くした感じ。出し入れがスムーズにできるようかなり余裕のあるスタッフバッグに入っているので、ザックのなかではもっとコンパクトに持ち運べます。
①頭からかぶってザックにかける

撮影:YAMA HACK編集部
スタッフバッグから取り出したエム・シェルターを頭からかぶり、おろしたザックにかぶせてしゃがみこみます。

撮影:YAMA HACK編集部
②シートの黒い部分の上にザックを置く

撮影:YAMA HACK編集部
シートの黒い部分の上にザックを置きます。
③反対側に座ってテンションをかける

撮影:YAMA HACK編集部
次にもう一方の黒いシートに腰を下ろせば完了。たったこれだけ。自分の体でテンションをかけて内部の空間を広げます。
思ったより広い!

撮影:YAMA HACK編集部
エム・シェルターのいいところのひとつに、内部空間の広さがあります。ボックス型になっているために、対面側にザックを置くことで顔周りに空間ができ、窮屈な感じがありません。

撮影:YAMA HACK編集部
35ℓのザックを置いても足元に余裕があるので、食事や飲み物を置いたり、衣類の脱ぎ着をしたりすることもできます。
撮影:YAMA HACK編集部
ベンチレーターが座ったときにちょうど顔の位置に来るので息苦しさがなく、ドローコードで開閉できるので温度調節も簡単。のぞき窓としても使えて周りの状況確認にも便利です。
2人でも使用可能

撮影:YAMA HACK編集部

撮影:YAMA HACK編集部
2人で使うときは、向き合って座ります。一緒に頭からエム・シェルターをかぶり黒いシートをつかんでお尻に合わせるようにして座るだけ。

撮影:YAMA HACK編集部
お互いの体でテンションがかかり楽に座れます。中はこんな感じ。
もちろん一般的なツエルトの使い方もできる
その他にも、天井と黒いシートの両側についているループにトレッキングポールをかけて使う方法や、一般のツエルトのように外に付けられたループに細引を通して、木などに吊り下げることもできます。