かゆみがひどい・・・ブヨに刺された時の症状は?

正式名称「ブユ」(他には蚋、ブヨ、ブト、ヤムラ虫など呼ばれています)は、人間を含む哺乳類の皮膚を刺すのではなく、「小さく咬み切って」出てきた血をエサとする虫です。(この記事では、一般的に使われることの多い「ブヨ」の表記を使用します。)
ブヨに咬まれると、小さな出血点が残り、出血します。ブヨの被害は吸血のほか、アレルギー性の症状を見せるため、体質によってはほとんど気になりませんが、ひどい場合は大きく広がり、手を刺されたのに腕まで腫れる場合もあります。
どんな場所で活動する?

対策をする上で「ブヨ」の活動について抑えておきましょう。
・主に3~10月にかけて活動しますが、多くは
夏場の気温の低い朝・夕方に活発になります。
・幼虫は川や渓流など、水場に生息するため
渓流沿いになどに多く生息しています。
・キャンプ場、ゴルフ場など、基本的なアウトドアフィールドでは、比較的遭遇しやすい虫です。
低標高地の川の近くなどで過ごす朝夕は注意しましょう。
ブヨに刺されないための対策は?

出典:PIXTA
ハチは巣を守るために捨て身の攻撃を仕掛けますが、ブヨは生きるためのエサとして吸血をしにきます。そのため捨て身で近寄ってくることはないので、虫除けスプレーによる予防が期待できます。
ブヨに効く虫除けスプレーも販売されています。
ITEM
スキンガード エクストラ
有効成分:ディート9.75%
容量:220ml
ディート系スプレーのほか、イカリジン系の虫よけスプレーも効果が期待できるでしょう。
ITEM
フマキラー 天使のスキンベープ プレミアム
有効成分:イカリジン15%
容量:200ml
好みに合わせて、薬の強さ、効果の高さを選んで使っていくのがよいでしょう。強い薬を使用するのを避けたい場合は、防虫線香などでも一定の効果は見込めると考えられますが、肌に直接塗るものではないので、虫よけスプレーと比較すると効果は下がる可能性があります。
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富士錦 パワー森林香(赤色) 30巻入り
パワー森林香は殺傷能力はありませんが、防虫線香なので寄せ付けない効果を持っています。
また、ブヨはハエの仲間ですが、ハエ系はハッカ油の香りを嫌う傾向があるとも言われています。そのため、オリジナルでスプレーを作成したい場合は、ハッカ油で手作りの虫除けスプレーを作るという方法もあります。持続性は低いですが、自分で作ったものを使用するのも、アウトドアの楽しみの一つとすることもできそうですね。
ITEM
ハッカ油P 20ml
虫よけには、ハッカ油のスーッとする臭いが効きます。
※ハッカ油スプレーの作り方※ ・ハッカ油(20~40滴:虫除けの効果を上げたい場合、濃度を上げる)
・精製水(90mL)
・無水エタノール(10mL)
・スプレー容器
これを混ぜて振ったら完成です。使用期限は
1週間くらいです。これを肌や服に吹きかけましょう。
服の色は?

また、ブヨは黒・紺などの暗い色に集まりやすい傾向があります。UVケア対策で黒系の服を着る人も多いですが、ブユ・蚊・ハチなどに対する対策を考えると、黄色・オレンジ色系など、薄めの色の服の方が、こうした被害を少なくすることが期待できるでしょう。1つだけではなく、いくつかの対策を組み合わせればより高い効果が期待できるので、ブユがいそうな所に行くときは併せて対策するとベストです。
ブヨに刺されたら、どうすれば良い?
それでも咬まれてしまったら落ち着いて処置をしましょう。かきむしると、傷が広がって痛みがひどくなったり、傷跡が残ったりする原因になるため、かかないようにした方が良いです。
1.傷口を水で絞り洗い

出典:PIXTA
まずは傷口を絞り洗いし、患部を清潔にしましょう。水で洗うことで、患部を冷やして腫れを防いだり、アレルギーの原因となるブヨの唾液を洗う効果が期待できます。山の中ではすぐに洗えない場合もあると思うので、ペットボトルの水を一本と、ペットボトルに取り付けるシャワーヘッドなどがあると、洗うのに便利です。
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べんりシャワー ペットボトル用
サイズ:10.5cm
重さ:10g
2.ステロイド系軟膏を塗る

出典:PIXTA
ブヨは、体質によっては蚊よりもひどくなるので、できれば強めの「ステロイド系外用薬(抗ヒスタミン系軟膏)」の方が、効果が期待できるでしょう。市販薬ならムヒアルファEXがおすすめです。様々な虫刺されに対して活用できるので、1本あると便利ですね。
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【指定第2類医薬品】ムヒアルファEX 15g
幅広い虫対策に持っておきたい塗り薬
3.症状が酷い場合

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あまりにも腫れが大きく、熱をもったり、かゆみに悩まされたりするような状況であれば、病院で診察してもらった方が無難です。ブヨに刺されて死に至ることはありませんが、慢性的なかゆみや湿疹症状が続いてしまうケースもあり、半年~1年以上苦しめられてしまう症例もあります。自身の体質をしっかり知って、心配な場合は早めの病院がベストです。
快適な登山のためにブヨ対策を万全に!

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ブヨは流れのあるきれいな渓流などに生息しています。一年中見られますが、特に夏場の朝夕を中心とした涼しい時間帯は被害にあう可能性が高いので、今回紹介した対策と応急処置法をしっかり身に着けて、山や川へ出かけましょう!
監修:セルズ環境教育デザイン研究所 西海太介氏 ▼他にも気になる虫や、刺された時の対処方法は事前にチェックブヨ以外にも山で注意したい虫はたくさん!