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まるでスズメバチ!その名は「アカウシアブ」

パッと見ではどちらもスズメバチのように見えますが、実は左側が「アカウシアブ」、右側が「キイロスズメバチ」。
静止していても一瞬では見分けにくく、さらに飛んでいる姿をすぐに識別するのは困難な2種類なのです。

アブは、ハエ目(双翅目:そうしもく※)の分類に属するハエの仲間。カやヌカカ、山小屋などでよく見かけるガガンボもハエ目に含まれます。
アブの仲間には、ブユやウシアブのように吸血する危険な種類もいますが、花粉を利用するハナアブなどもおり、農業分野においても注目されている虫。
今回は登山中に遭遇することもある、このスズメバチによく似たアカウシアブについて学んでいきましょう。
アカウシアブの生態を学ぼう
アブ界で最大の大きさ

また、飛んでいる姿やブーンという羽音までスズメバチに似ています。
メスは、主に家畜のウシやウマから吸血し、日中は人間から吸血することもあるので注意が必要。ブユは朝夕に活動のピークを迎える傾向がありますが、アカウシアブは日中に活動のピークを迎える傾向があります。
ハチとは逆!じっとしていると危険

それは、「じっとしていると刺される」ということ。
ハチの場合、刺してくるのは防御のためなので、襲ってきたと認識させないように振り払うなどの大きな行動を避ける方が得策。しかし、アカウシアブの場合は吸血が目的のため、逆にじっとしていると刺されてしまいます。
アブだと認識した時点で、積極的に追い払うようにしましょう。
なぜ刺すのか?アカウシアブが血を吸う目的

アブは普段、花蜜や樹液を栄養源として摂取しています。しかし、メスは産卵の時期になると産卵に必要なエネルギーを蓄えるために、タンパク源である血液を吸う必要があるのです。
吸血の方法と刺された患部の症状

刺された直後にはかなりの痛みを伴い、患部は赤く出血班ができ、多くの場合は翌日以降赤く腫れて痒みを伴うことに。一度刺されると、腫れや痒みが2週間程度継続することもあります。
基本的に命の危険に及ぶ心配はありませんが、症状が重い場合は無理せずに病院を受診する方が賢明です。
アカウシアブの行動傾向を探ろう
遭遇しやすい場所

川や湿地など水辺がある場所で発生することが多いですが、自然豊かな場所であればどこにでも生息しているので、登山中にしつこくまとわりついてくることもあるでしょう。
アブの色嗜好の特性

しかし、アブ類はこうした色による誘引効果がありますが、最も影響が大きいのは私たちが吐き出す二酸化炭素と言われています。
そのため、色について工夫することも大切ですが、私たちが生きてそこに存在する限り、寄せてしまうことも同時に理解しておかなければなりません。
活発になる気候と時間帯

アブは種類によって活動時間帯が変わりますが、アカウシアブは昼行性で、日中が特に活動的になる傾向があります。
アカウシアブに刺されないための対策
刺される前に振り払おう

アブかスズメバチなのか判断するのはなかなか難しいですが、スズメバチは曲線的にホバリング(停止)しながら飛ぶことがあります。アブは直線的に素早く飛ぶ傾向がありますが、飛行方法で見分けるのは、かなり慣れが必要でしょう。
肌を出さない服装を心がけよう

服の上からでもアブは刺してくるので、できればある程度厚みのある生地が安心。でもアブの活動時期は夏場のため、暑さとのバランスも考えつつウェアを選びたいところです。
最近では防虫素材でできたウェアもあり、購入を検討するのも対策になるでしょう。
虫除けスプレーで対策
アブ対策として、虫除けスプレーを事前に噴射しておくことで忌避効果が期待できます。有効成分の「ディート10%」や「イカリジン15%」以上のものを選びましょう。肌やウェア、帽子にも虫除けを吹きかけるほか、ある程度時間経過したら再度かけなおすのも効果的な方法です。
手作りハッカ油スプレー
効き目はマイルドですが、ハエ目の昆虫はミント系の香りを嫌う傾向があるとされるので、手作りでハッカ油のスプレーを作るのも対策のひとつとしてあげられます。持続力は弱いですが、天然成分のため安心して使えます。<ハッカ油スプレーの作り方>
・ハッカ油(20~40滴)
・精製水(90mL)
・無水エタノール(10mL)
・スプレー容器
*最初にエタノールとハッカ油を容器に入れて混ぜ、馴染ませてから精製水を加えてください。
防虫ネットで完全防備
あまりにしつこく顔付近に寄ってくる時や、何匹もアブがいるような場合は防虫ネットがおすすめ。頭からすっぽり被って、顔や首元などをアブからガッチリ守ってくれます。ネットが視界的に少々ジャマですが、絶対に刺されたくない時には防虫ネットを持参しましょう。
刺された時の応急処置を学ぼう
登山中に、運悪くアカウシアブに刺された時の応急処置の手順をご紹介します。しっかり処置することで予後も変わってきますので、参考にしてください。①患部を水洗い

水洗いには患部を清潔にするほか、炎症を起こす患部を冷やす効果も期待できます。
②抗ヒスタミン薬を塗布

③重い症状の場合は病院へ

ペットボトルシャワーも便利
登山中にアブに刺された時に便利なのが、ペットボトル用シャワーヘッド。ペットボトルの口の部分に装着するだけで、簡単に簡易シャワーが作れます。少ない量の水でもシャワー状にすることで、しっかり患部を洗うことができるのでおすすめです。
アカウシアブに出会ったらしっかり追い払おう

今回教えてくれた方
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