クロスズメバチってどんなハチ?
クロスズメバチの体長は、働きバチだと10mm〜12mmくらいで、女王バチでは15mmほど。スズメバチの仲間では小型の部類で、体の色は光沢のない真っ黒な色に、白い縞模様がついているのが特徴的です。
大きさはミツバチほどで、その姿からハチではなくハエに間違われることも珍しくありません。
クロスズメバチの生態について
性格は比較的おだやかで、攻撃性や威嚇性は弱いためこちらから刺激を与えなければ、攻撃されることは少ないでしょう。ただ、その姿は黒くて小さいため、クロスズメバチだと気がつかないうちに刺激してしまい、事故に至るケースが多いのです。
エサとしては、花の蜜のほかにハエなどの昆虫、時には死んだ動物の生肉も利用しています。
どんな場所に生息しているの?
生息地と巣の様子について
生息地は、北海道から奄美大島までの広い地域に生息しています。主に山地や里山に住んでいるので、人家付近で見かけることは少ないでしょう。
山ではクロスズメバチは、土中や木の洞などに巣を作ります。そのため、外から見ても巣があることに気が付きにくく、巣のすぐ上を歩いたり草刈りなどをして振動が刺激として伝わり、事故につながるという例が多く見受けられます。
活動時期と遭遇しやすい場所
クロスズメバチの主な活動時期は、4月旬下旬〜11月頃ですが、7月〜10月頃が最も活動量の多い時期となります。登山道の道中にある木の根元にぽっかり空いた空間や、地下水でできた地下空間、刈った草を積み重ねたところなど、都合の良い地面の空間があれば巣を作ることができます。登山道でそのような場所を見つけたら、巣がある可能性も十分あるので、気をつけて行動しましょう。
クロスズメバチは美味!食す地域も
長野県を中心とした山間部では、山で取れる貴重なタンパク源として、昔からクロスズメバチの幼虫やサナギを食す地域がありました。地域によって、ヘボ、ジバチ、スガレなどと呼ばれ、炒めたり甘露煮や炊き込みご飯などで親しまれています。料理法によっても異なりますが、気になるそのお味はウナギによく似た味わいで、大変美味しいとのこと。
クロスズメバチの毒性は?
クロスズメバチの毒の強さ
クロスズメバチは、体が小さく毒の量が少ないため、他のスズメバチと比較すれば毒による影響は弱め。
しかし、それでもやはり毒を持つハチの仲間。刺されれば痛みと腫れの症状が出るほか、ハチ毒に対してアレルギー体質を持つ場合は、全身症状につながる場合もあるので、十分に注意が必要です。
刺された患部の症状
クロスズメバチに刺されると、刺された局所に痛みや腫れの症状が起こります。他のスズメバチ同様に、体質によって起こる全身症状や、「アナフィラキシーショック」には注意しなければなりません。
病院に行く緊急性があるかどうかの判断は、刺された部位以外の場所で症状が起こる「全身症状」がみられるかどうかがポイントになります。