身近な危険生物、スズメバチを知る
スズメバチとは、スズメバチ亜科に属するものの総称で、外来種のスズメバチも含めると、日本には3属17種が生息しています。スズメバチ亜科はハチの中でも比較的大型の種が多く、おおむね攻撃性の高い性質を持っています。
スズメバチの刺傷による死亡例は、有毒生物によるものでは最も多く、年間約20名が亡くなっています。今回は比較的見かける機会の多い5種を危険度の高さ順にご紹介します。
<第5位 ヒメスズメバチ>
・体長:22~36mm
・見た目:全体的に茶色っぽく、お尻の端が黒いので他の種の中でも見分けやすい。
・生息地域:本州、四国、九州(※沖縄には、ヤメヤマヒメスズメバチが分布)
・営巣場所:土の中、屋根裏・物置の中などの閉鎖的な場所。
・特徴:アシナガバチ類のさなぎや幼虫のみを餌にするので、本種の活動時期はアシナガバチの活動時期である6~9月頃(最も攻撃性が増すのは8~9月)に合わせるように短い。スズメバチの中では比較的攻撃性が低い種類。
<第4位 モンスズメバチ>
・体長:21~28mm
・見た目:腹部の黒い模様が波打っているのが最大の特徴。
・生息地域:北海道、本州、四国、九州(平地~低山地にかけて生息)
・営巣場所:木の中の空洞、屋根裏、壁の隙間などの閉鎖空間。営巣空間が狭くなると別の場所へ引っ越しする。
・特徴:活動時期は5~11月(最も攻撃性が増すのは8~10月)頃で、セミを好んで狩りの対象とする。多少暗くても活動する傾向があるので、夜に見かけることもある。どちらかというと山地や里山に多い傾向にあり、住宅地や都市部では数が少ない。
<第3位 コガタスズメバチ>
・体長:22~29mm
・見た目:全体的にオレンジと黒色が濃い。オオスズメバチより体長が小さめ。
・生息地域:北海道、本州、四国、九州(※沖縄には、リュウキュウコガタスズメバチが分布)
・営巣場所:生い茂った樹木の枝、住宅の軒下などの解放空間
・特徴:活動時期は5~11月(最も攻撃性が増すのは8~10月)頃で、スズメバチの中ではおとなしい方。ただし、庭木や家屋など人間のいる場所の近くに営巣するケースが多いため、住宅地での刺傷被害も起こりやすい。