ボルダリング用チョークの基礎知識
ボルダリングとは、インドアとアウトドアのクライミングで3~5mほどの壁をロープなどの道具を使わずに、自分の手足と頭を使って登るスポーツです。「頭では分かっていても体が言うことを利かない!」緊張や焦りで手に汗をかいてホールドが滑りそうになる。そんな時に役に立つのがチョークです。
チョークの役割と使い方
チョークの役割は、ホールドをしっかり持つための「滑り止め」だと思っている人も多いのが事実。本来は、手の汗を吸うためのチョークなのです。チョークの主成分は吸水性の良い炭酸マグネシウム。手の汗を吸い、ホールドから落ちないようにする役割があります。
チョークの種類
チョークのタイプは4種類に大別され、それぞれ異なる特徴があります。
■液体タイプ
炭酸マグネシウムにエタノールを溶かして液状にしたもの。揮発性がよく、乾いた後に粉が飛散しにくいのが特徴です。肌が弱い人や乾燥肌の人は手が荒れる原因になることも。また摩擦力を上げるために、ロジン(松脂)入りのチョークもあります。
■粉末(ボール)タイプ
粉末状のもので、チョークバッグに入れて使います。付ける量が調整しやすい反面粉が飛散しやすいので、喘息やハウスダストなどアレルギーがある人は要注意です。
■ブロックタイプ
石けんのような固形状になったもので、擦り付けたりつぶして使います。チョークを付ける時に粉が飛散しにくく、また湿気を吸いにくいため年間通して安定した使用感です。
■チャンキータイプ
粉末タイプと適度にくずれたブロックタイプが混ざったもの。粉末を付けたり指先でブロックをつぶしながら付けられます。
チョークの選び方
チョークは「使ってみないと分からない」というのが実情。選び方のポイントを参考にて、いろいろ試してみましょう!
①チョークタイプ
手に汗をかきやすいか、それとも乾燥しやすいかは人それぞれ。4種類のチョークのタイプでも、自分の手の肌質に合うものがあるので、好みのチョークを選びましょう。
②シチュエーション
ジムでは、粉末が飛散しにくい液体・固形タイプが便利。岩場では、天候や岩の状態によりチョークを付ける量を調整できる粉末・チャンキータイプがおすすめです。
使い方の注意点とマナー
■ジムによっては粉末チョーク・ロジン入りチョークはNG
粉末チョークが禁止の場合は、液体チョークや粉末が袋に入ったチョークボールがベスト。また粉末チョークを使う時は、粉末が飛散しないようにチョークバッグの中で粉末を落としましょう。
■汚れたホールドをきれいに
ホールドにチョークが付き過ると逆に滑りやすくなるので、使用後はホールドをブラッシングするのがマナー。またロジン入りの液体チョークは、ホールドの汚れが落ちにくくなります。手も石けんで洗いましょう。
次ページ:タイプ別のおすすめチョーク紹介!
使いやすさ抜群!液体タイプ
液体タイプは乾いた後の粉が飛びにくいので、服や手が汚れにくいのが特徴です。また下地として液体チョークを付けてから、粉末チョークを付けるのも効果的。容器がコンパクトで持ち運びがしやすく、荷物を減らしたい人などにおすすめです。
PD9 クライミング液体チョーク
ほんの2~3滴で、持続性のある強力なグリップ力を発揮。炭酸マグネシウムの替わりに、白くなりにくいアルミナが主成分です。また乳液も配合され、乾燥肌の人も安心。ロジン不使用なので、ジムでも岩場でも活躍します。
ベアール ピュアグリップ
フリクションが向上するロジン入りの液体チョークです。手の汗や油をすっきり取り除き、容量も多くて長持ち。ここぞと言う時には頼れる1本です。
マムート リキッドチョーク
ロジンの配合バランスがとても良く、高い持続性をキープ。手に汗をかきやすい人でもチョークを付ける回数が抑えられます。乾いた粉の飛散が少なく、クライミングジムで使いやすい液体チョークです。
ボルダーX ZERO
ロジンを含まないので手は水洗いでOK。エタノールの含有量50%で、肌に優しい配合です。ジムはもちろん、岩場でも自然の景観を損なわずに使えます。
圧倒的な支持率!粉末タイプ
液体タイプとともに粉末タイプは多くのクライマーが愛用し、いろいろな粉末チョークを試しています。肌質に合わせて開発された多種多様のチョークは、選ぶのに迷ってしまうほど。そこで、おすすめしたい4つの商品を紹介します!
東京粉末 ピュアパック
手に汗をかきやすい人におすすめなのがピュアパックです。100%炭酸マグネシウムを何種類も配合した手になじみやすい感触。湿気に左右される岩場にもぴったりです。
GRASP(グラスプ) レギュラータイプ
プロクライマー小山田大氏プロデュースの、肌質を選ばす使えるチョーク。他のチョークと混ぜて使うのもおすすめです。チョークボール(スモール70g/ビッグ130g)もあるので便利。
CAMP(カンプ) チョークボール
乾燥剤などの添加物が一切入っていない炭酸マグネシウムで体にも安心。このチョークボールは使い切りなので、いろいろなチョークを試したい人にぴったりです。
flashed(フラッシュト) チョークボール レギュラー
純度が高く無添加の炭酸マグネシウムを使用。しっとりとした質感で、手が乾燥しやすい人向けのチョークボールです。29gタイプもあるので、手の小さい人にもおすすめ。
flashed(フラッシュト) チョークボール レギュラー
【主成分】炭酸マグネシウム
最新トレンド!チャンキータイプ
粉末チョークとブロックチョークの利点を備えた、バランスの良いチャンキーチョーク。手のひら全体に付けたい時は粉末を、指先にしっかり付けたい時はブロックを、とその場に応じて使い分けられて便利です。
フリクションラボ ブレンドチョーク “UNICORN DUST”
3種類のブレンドチョーク中で、チョークのかたまりが一番小さいのがユニコーンダスト。シーンを選ばずオールマイティに使えるので、ジムと岩場の両方楽しむ人にもおすすめです。
フリクションラボ ブレンドチョーク UNICORN DUST
【主成分】炭酸マグネシウム
スナップ クランキーチョーク
フランス製のチャンキーチョークです。チョークのかたまりは指先で擦り付けやすい適度な大きさ。付ける量も調整しやすく、さらっとした質感でもしっかり手に付きます。
コスト重視!ブロックタイプ
ブロックタイプはブロックの表面を使うので、手や指先に常に新鮮なチョークをきれいに塗ることができます。コストパフォーマンスが良いので、1つ持っておくと便利です。
メトリウス プレミアムブロックチョーク
さまざまなニーズに応えられるチョークを展開しているメトリウス。このブロックチョークは、手が乾きやすい人におすすめです。型崩れしにくいので塗りやすく、そして長持ちします。
ブラックダイヤモンド ホワイトゴールドブロックチョーク
優れたフリクションが高評のホワイトゴールドシリーズです。ブロックチョークのほか、粉末チョークや詰め替えできるチョークボールもあり、同じメーカーで使い心地を選べるのが嬉しい!
あると便利なボルダリングアイテム
手や指を酷使するボルダリングは、トラブルとなかなか縁が切れないもの。チョークやボルダリングシューズはもとより、ちょっとしたひと工夫で登りやすく、ボルダリングをより楽しめる便利なアイテムを紹介します。
ASANA(アサナ) プロブラシ
握りやすい柄に天然豚毛100%のブラシ。ゆるやかなカーブにカットされたブラシは、ホールドにフィットしてチョークをかき出します。ヤスリも付いて、指の皮膚のメンテナンスもできて便利。
evolv(イボルブ) マジックテープ
粘着テープ不使用の指用テーピング。テープの表面はメッシュ状で、テープを貼ってもフリクションを保てます。テープ同士が貼り付くので、テープかぶれしやすい人も安心。
クライムオン ミニバー
ボルダリングを続けていると、手が乾燥して指の皮膚が固くなって剥けてしまうことも。登った後は、自然素材100%の油性クリームで皮膚をメンテナンスしましょう。
チョークも大切!マイチョークを見付けよう
肌質が人それぞれあるように、チョークのタイプや特徴もいろいろあります。チョーク1つでフリクションが変わり、滑りやすかったホールドがしっかり持てることも!容量の少ないものを使ったり、また友達とシェアするのもおすすめです。いろいろ試して、お気に入りのチョークを見つけましょう。