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登山復帰を目指して始めたトレランが登山への新アプローチに!

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2020年以降のコロナ禍、出産と、いろいろな事情で登山から離れた時期があった筆者。落ちる体力、増える体重に危機感を覚え、登山復帰のために始めたのが「ランニング」でした。
街中を走っていましたが、どうせ走るなら大好きな山のほうが楽しいのでは!と軽い気持ちで「トレイルランニング」を始めてみたら……。より速く、軽快に、タフに、と登山に活かせるポイントを3つ見つけました。
ポイントその① 「体力向上」で山歩きが劇的変化

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歩くこと、走ることはどちらも有酸素運動ですが、違うのは「運動強度(METs)」。ランニングの方が同じ時間の運動でもウォーキングの約2倍以上と、高い強度があります。
ウォーキング(やや速歩~かなり速歩):4.3~5.0(METs)
ランニング:8.3~11.0(METs)
さらに心肺機能や筋力の強化も。ウォーキングでも心肺機能は向上できますが、ランニングの方が短時間でより高い運動効果を得られます。
ロングコースも日帰り可能に

撮影:筆者
トレランを始めてから、高尾山の登りに1時間弱かかっていたのが40分ほどで登れるように。歩行スピードがUPし、1泊するようなコースも日帰り可能になりました。
「この距離、標高差なら○時間で歩き切れる」と、行動時間をより意識するようになり、山選びが広がりました。
じっくり写真を撮っても仲間に追いつく

撮影:筆者
パーティ登山でよくある、写真を撮っていて遅れを取ったり、待たせてしまったりすること。そんなことも、脚力と体力のおかげでササっと追いつき遅れをカバーできます。
山小屋でのんびり休憩してもコースタイム通り、もしくはそれ以下で歩ける可能性も。時間と心に余裕が生まれます。
脚や体幹が鍛えられ、重い荷物も軽々

撮影:筆者
トレランで脚の筋力UPはもちろん、不整地の登山道を転ばないようにするための「体幹」も強化。重い荷物を背負ってもブレずに歩けるようになりました。
ただ、トレラン時は荷物が軽いため、上半身の筋力の向上は見込めなさそう。別に筋力トレーニングをした方が良さそうです。
ポイントその② より身軽な装備で颯爽と行動

撮影:筆者
軽いものが多いトレランの装備。ウェアやギアの軽量化も図れます。ハイキングや日帰り登山なら選択肢に加えてみるのもおすすめです。
トレラン用バックパックでも十分◎

撮影:筆者
一見小さく見えるトレラン用バックパックですが、容量は多数。登山に必要な荷物も十分に入ります。
トレランと言えばのベストタイプは胸元にドリンクホルダーがあるものが多く、水分補給もスピーディーです。(※ホルダーに対応するソフトフラスクが必要の場合もあります)
背面の上めの位置で背負うのでバランスよく歩けるのも好ポイント。
山頂で山ごはんするといったような荷物が多いことがなければ、バックパック選びの候補の一つにしても良いでしょう。
おすすめのトレラン用バックパック
シューズやトレッキングポールも軽さを重視

撮影:筆者
脚が強化されると、足首をサポートするミッドカット、ハイカットタイプではないローカットシューズでも歩けるように。トレランシューズは軽いものが多いのも魅力です。(※岩稜帯を重い荷物を背負って歩くといった登山では、曲がりにくい硬いソールの靴が良いでしょう)
しっかりとした体幹があればトレッキングポールに頼ることも減り、細く軽いものでも十分になります。(※重い荷物を背負う時は強度のあるポールがおすすめです)
おすすめのトレランシューズ
おすすめのトレッキングポール
ウェアも見直してより軽快に

撮影:筆者 左:登山に使うレインウェア 右:トレランに使う薄手レインウェア
激しく動き続けるトレランのウェアは登山でも有効です。特に「レインウェア」は、一般的なものの重さが300〜500gに対し、トレラン用は200g前後と軽量なものがたくさん。また、コンパクトに収納できるのも嬉しいポイントです。
雨の心配がほとんどない、もしくは降っても短時間で下山可能であれば、トレラン用も視野に入れてみては。
ただし、レインウェア選びは注意が必要。強く降りそうな時は重量があっても耐水圧や透湿性の高いもの、小雨程度なら薄く軽いもの……と、その時々のシーンに合わせて選択することが大切です。