アイキャッチ画像撮影:YAMAHACK編集部
バリエーションルートとなる宝剣岳

木曽駒ヶ岳は、ロープウェイを使えば高い標高(2,612m)からスタートできる初級者でも挑戦できる山。
木曽駒ヶ岳へのルートの途中にある「宝剣岳」も一緒に挑戦する登山者も多いですが、実は宝剣岳への道は、地図アプリなどでも破線で表示されるバリエーションルート。ヘルメットの着用も推奨されており、厳しい岩場が連続する要注意ルートです。
しかし、足場はしっかりしているので、ある程度経験のある登山中級者以上なら慎重に歩けば登頂が可能。頂上からは木曽駒ヶ岳を一望できる絶景が待っていますよ。
今回はこの千畳敷~宝剣岳~木曽駒ヶ岳のルート情報について紹介します。
宝剣岳にチャレンジする場合の注意点
宝剣岳への登山は危険をともないます。2つの注意点を理解して、安全に登りましょう。
ヘルメットを着用しよう

宝剣岳一帯は、中央アルプス遭難対策協議会がヘルメット着用推奨山域に指定しています。なるべくヘルメットなしで登らないようにしましょう。宝剣山荘では、ヘルメットのレンタルを行っているので、ぜひ利用してみてください。
すれ違いに注意

宝剣岳はバリエーションルートですが、登る人がとても多いルートです。鎖場や岩場では、すれ違いが多く発生するため、ゆずり合いや声かけが不可欠。
また、山頂は狭いため、景色を堪能したらなるべく早く下山するようにしましょう。
コース概要
最高点の標高: 2925 m
最低点の標高: 2642 m
累積標高(上り): 407 m
累積標高(下り): -407 m
コース概要
千畳敷(20分)→分岐(40分)→宝剣山荘(20分)→宝剣岳(20分)→宝剣山荘(15分)→分岐(15分)→中岳(10分)→駒ヶ岳頂上山荘(20分)→木曽駒ヶ岳(15分)→駒ヶ岳頂上山荘(15分)→中岳(10分)→分岐(10分)→宝剣山荘(30分)→分岐(20分)→千畳敷
駒ヶ岳ロープウェイまでのアクセス情報
駒ヶ岳ロープウェイ周辺はマイカー規制されています。自家用車でアクセスする方は、菅の台バスセンターでバスに乗り換えてください。
クルマの場合
中央自動車道「駒ヶ根」ICー県道75号ー菅の台バスセンター駐車場ー伊那バス「駒ヶ岳ロープウェイ線」ーしらび平(ロープウェイ駅)

■菅の台バスセンター駐車場
台数:約300台
トイレ:あり
料金:普通自動車 1日(24時間)800円
公共交通機関の場合
JR東海飯田線「駒ヶ根」駅下車、伊那バス「駒ヶ岳ロープウェイ線」乗車ー「しらび平」下車、ロープウェイ駅乗車ー千畳敷
高速バスの場合
・京王バス…新宿から駒ヶ根インターへの直通バス
・名鉄バス…名古屋から駒ヶ根インターor菅の台バスセンターへの直通バス
・伊那バス…大阪・京都から駒ヶ根インターへの直通バス
・アルピコ交通…長野駅から駒ヶ根インターへの直通バス
登山口(菅の台バスセンター)情報
最盛期の駒ヶ岳ロープウェイは大変混雑します。事前に情報を確認し、早めの行動を心がけましょう。

菅の台バスセンターに到着したら、まずはしらび平へ行くバスの切符を購入しましょう。時間によっては長蛇の列ができている場合があります。

きっぷを購入したら駒ヶ岳ロープウェイ行きのバス停へ。きっぷ購入列とは別なので気をつけてください。

しらび平に到着したら駒ヶ岳ロープウェイへ。

しらび平にはトイレがあります。ロープウェイの列に並んで、千畳敷へ向かいましょう。

千畳敷にはお土産を購入できる場所がありますよ。

千畳敷の飲食スペースでは、絶景とグルメが楽しめます。

千畳敷の自動販売機で、飲み物が購入可能。事前の準備に利用してください。

鍵付きのロッカーがあるので、登山に使わない荷物は千畳敷で預けられます。
コース詳細ガイド

今回は4つのセクションに分けて紹介します。
それでは宝剣岳・木曽駒ヶ岳の山頂へ向けて出発しましょう。
セクション②:宝剣山荘~頂上山荘

千畳敷から剣ヶ池を周りつつ宝剣山荘へ。最初はなだらかですが、乗越浄土までは急登となります。

ロープウェイを降りたら、千畳敷カールが目の前に。天気が良ければ宝剣岳もくっきり見えます。

まずは剣ヶ池に向けて下っていきましょう。

遊歩道にはハイマツが生い茂っています。

遊歩道を振り返れば、眼下に絶景が広がっているでしょう。

遊歩道は整備されていますが、石がゴロゴロと転がっています。何でもない場所ほど怪我しやすいので注意してください。

ゆるやかな登りが始まります。

しばらく歩いていると、ベンチがある広い場所が出てきます。休憩には少し早いですが、景色を眺めながらゆっくりするのもおすすめ。

剣ヶ池に到着しました。剣ヶ池からは千畳敷カールとのコラボが見られます。

剣ヶ池から遊歩道へは看板が設置。見逃さないようにしましょう。

遊歩道には狭い箇所があるので、登山道を外れないように歩いてください。

分岐まではなだらかで歩きやすい道を進んでいきます。

遊歩道が少し登山道らしくなってくるので、足元に気をつけてください。

千畳敷を直進する道との合流。ここからは本格的な登山道となります。

乗越浄土へはコースで一番の急登。自分のペースで登っていきましょう。

千畳敷カールを登っていく登山道は絶景。コースはロープで区切られており、道迷いの心配は少ないでしょう。

登山道は階段状となっており、石がゴロゴロと転がっています。

ところどころ足元が悪い場所が。転倒やケガに注意してください。

乗越浄土が近づいてくると、階段が出現。足を踏み外さないように登りましょう。

乗越浄土の手前には丸太で整備された道と、歩きやすい橋があります。

乗越浄土に到着しました。広いスペースとなっているので、急登に疲れた方は休憩しましょう。

宝剣山荘への登山道はなだらか。乗越浄土からしばらく歩くと到着です。

宝剣山荘に到着。食事や休憩におすすめのスポットです。
セクションマップ②:宝剣山荘~宝剣岳

核心部の宝剣岳へのルート。岩場と鎖場を乗り越えて、山頂へたどり着きましょう。

宝剣山荘のすぐそばにある宝剣岳への分岐へ向かいましょう。

最初は広く、なだらかな道を進んでいきます。

次第に足元が岩場となるので、ガイドのロープ通りに進んでいきましょう。

大きな岩を乗り越えるように進みます。

岩をよじ登るように、鎖場が出現。傾斜があるため、足場を確保しながら三点支持を守って登ってください。

鎖場と岩場のミックスは、しばらく続きます。緊張感をもって進んでください。

鎖場の上部は、山体を巻くように登っていきます。

次の鎖場は、ルート上で最も危険な場所。右側が崖となっており、滑落したら命の危険があります。一歩ずつ確実に、焦らず慎重に進みましょう。ここを乗り越えれば、すぐそこが山頂です。

宝剣岳山頂に到着しました。山頂からは千畳敷カールや木曽駒ヶ岳が見られます。
セクション③:宝剣山荘~頂上山荘

宝剣山荘から頂上山荘まではアップダウン。傾斜は強くないので、体力を温存しながら進みましょう。

分岐を木曽駒ヶ岳方面へ。宝剣岳方面はバリエーションルートなので迷い込まないようにしましょう。

天狗荘の前を進み、中岳へ。最初はなだらかですが、中岳が近づくと登りが始まります。

いったん振り返ってみましょう。宝剣岳の雄々しい姿が見られます。

中岳山頂に到着。中岳は大きな石が悠然と転がる場所です。

中岳から頂上山荘へは下りとなります。石がゴロゴロとしているので、気をつけながら歩いてください。

分岐を右に行くと、青い屋根が特徴の頂上山荘に到着です。山頂まであと少しです。
セクション④:頂上山荘~木曽駒ヶ岳

頂上山荘から木曽駒ヶ岳の山頂までは登り。約20分で登れるので、焦らずに歩いていきましょう。

分岐に戻って、木曽駒ヶ岳の頂上へ。看板をしっかりとチェックして、山頂方面に向かってください。

木曽駒ヶ岳へは、少し傾斜のある登りがあります。足元の石につまづかないように気をつけながら歩いてください。

振り返ると頂上山荘と今まで歩いてきた道が見えます。山頂まであと少しです。

木曽駒ヶ岳の山頂に到着しました。360度のパノラマビューが広がる絶景が見られます。木曽駒ヶ嶽神社の祠があるので手を合わせていきましょう。
木曽駒ヶ岳の天気と地図をチェック
気象状況によって装備も変わってきます。また、麓と山頂付近の気象状況も大きく変わる場合も。事前に天気を調べてから登りましょう!
合わせて自分が登るルートについては、地図も用意して詳しく調べてくださいね。
木曽駒ヶ岳のふもと(駒ヶ根市)の10日間天気
日付 | 09月30日 (土) | 10月01日 (日) | 10月02日 (月) | 10月03日 (火) | 10月04日 (水) | 10月05日 (木) | 10月06日 (金) | 10月07日 (土) | 10月08日 (日) | 10月09日 (月) |
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天気 | ![]() 雨 | ![]() 雨のち晴 | ![]() 晴 | ![]() 晴のち曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々雨 | ![]() 曇時々雨 |
気温 (℃) | 29 17 | 25 19 | 25 12 | 24 10 | 25 14 | 23 13 | 21 8 | 22 7 | 22 10 | 20 11 |
降水 確率 | 90% | 70% | 20% | 40% | 40% | 20% | 10% | 10% | 50% | 60% |
データ提供元:日本気象協会
木曽駒ヶ岳の登山指数
日付 | 10月01日 (日) | 10月02日 (月) | 10月03日 (火) | 10月04日 (水) | 10月05日 (木) |
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登山 指数 |
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登山指数の留意点
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。
- 雷の発生の可能性
- 前日の天気による道のぬかるみ
- 局地的大雨
- 土砂災害の発生の可能性
- 雪崩の発生の可能性
- 噴火の可能性
- 積雪の有無
- 濃霧
- 低温または高温
- 虫やヒルなどの発生状況
山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。
データ提供元:日本気象株式会社
木曽駒ヶ岳周辺の山と高原地図
岩場と鎖場の経験値がアップする宝剣岳

宝剣岳は岩場と鎖場が連続する急峻な山。しかし、頂上まで登ることができれば千畳敷から木曽駒ヶ岳まで一望できる絶景が待っています。滑落の危険性はあるので、慎重な行動と登山レベルが求められますが、登頂できれば経験値のアップにつながるでしょう。
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。
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