【登山中にできる】 むくみを起こさないための対策

ここからはむくみを起こさないための対策を紹介していきたいと思います。内容はどれも明日の登山で実践できる簡単なもの。心当たりのある要因をひとつずつ試してみましょう。
1.マイペースを守って歩く

マイペースとは「きつさを感じる手前」のスピードを守って歩くこと。マイペースはトレーニングにより高めることができるので、スピードが気になる人は日頃からジョギングなどを行うようにしましょう。
山本教授
登山において、自分の標準的なペースを理解し、それに合わせて歩くことはとても大切です。
2.水分を補給をする

登山に必要な水分量は【(体重+荷物)× 5 × 行動時間 】と言われています。ノドが乾いたら飲むのではなく、定期的に水分摂取をするようにしましょう。汗をかくと水分と一緒に塩分も失ってしまいます。水を飲むだけでなく塩分の補給も忘れずに。
山本教授
口渇感に任せて水を飲むと、多くの人は脱水量よりも少ない量しか飲みません。脱水のトラブルを防ぐためにも、適正な量を把握し自己管理をしましょう。
3.炭水化物を補給する

登山のような有酸素運動では、炭水化物と脂肪が中心的なエネルギー源となります。
下界のように、朝食の次は何時間も食べずに昼食まで数時間ガマンするというのでは、山ではエネルギー補給が追いつかず、代わりに筋のタンパク質が燃料として分解され、老廃物がたくさん発生してむくみにつながります。
したがって、主となる炭水化物を中心に、1~2時間おきにこまめにエネルギー補給することが必要です。
4.筋肉の疲労を少なくする

登山では体重の落下にブレーキをかける下りで、脚に大きな負荷がかかります。筋細胞の損傷を最小限にする歩き方を実践してみましょう。
トレッキングポールを使って脚の負担を減らしたり、同じ筋肉を使わないように向きを変えて下るのが有効です。小さく左右にジグザグで歩くのも◎。
山本教授
登山で筋肉痛になる場合はそもそもの筋力不足も考えられます。やはり日頃からのトレーニングが重要となります。
[/speech_bubble]
5.高山ではゆっくり体を順応させていく

標高2,000mを超える高山では、低山よりもゆっくり歩くことを意識しましょう。
また深く呼吸することで、酸素を多く取り込めます。ロープウェイやクルマなどで一気に高度をあげた場合は、そのスタート地点で30分から1時間ほどゆっくりと過ごすことで高度に順応します。
6.トレーニングをして、基礎体力を高める

基礎体力を高めることは、むくみ対策だけでなく登山全体の快適・安全性にも繋がります。日頃のわずかな時間でもいいので、筋力や持久力トレーニングを続けていきましょう。また、登山で最も効率的なトレーニングは「山に登ること」。トレーニングとしての低山歩きもおすすめです。
【登山後にできる】補助的にできるむくみ対策

続いては、小屋やテントでの宿泊時や、下山後などに補助的にできるむくみ対策をご紹介。これらは重力の影響によって起こるむくみに対して有効です。
1. サポートタイツやストッキングをはく

サポートタイツやストッキングのメリットは、はくだけでむくみ対策ができること。脚を適度に圧迫することで、マッサージ効果が生まれ、血行促進やたまってしまった余分な水分を中心部に戻しやすくする役割を果たします。
山本教授
ストッキングに比べ、コンプレッション性のあるサポートタイツの方が効果的です。ただしキツすぎると逆に血流が悪くなってしまうので注意しましょう。
2. むくんでいる手足を高い位置に上げる

重力によって手足に溜まった血液・リンパ液を戻すには、手足を高い位置に上げる方法が効果的。ここで両手足先をバタバタと動かすと、筋肉の緊張がとけて末端の血流が戻りやすくなります。小屋泊時や登山後の就寝時にも有効です。
3. むくんでいる箇所をマッサージする

マッサージは自分でやるより、人に伸ばしてもらう方が効果的。相手がいればマッサージをしてもらいましょう。1人の場合も、むくんでいる箇所をもみほぐすだけでもある程度の効果が望めるでしょう。
山本教授
むくみは個人差も大きいので、ひどい場合は整体院や整骨院などへ行って、専門家にマッサージをしてもらうのが適切です。
むくみを解消して、より快適で安全な登山を

むくみは登山での行動になんらかの問題があったことを教えてくれるサインでもあります。
自分の行動を見返し、その原因となる要素をひとつひとつ改善していくことで、むくみの悩みだけでなく、登山のスキルアップにも繋がっていくでしょう。
ここで重要なのが自分で体験しながら考えていくこと。そうやって少しずつ前進していくのも、登山の面白さではないでしょうか。
山本教授の著書はこちら
登山の身体運動や体の仕組み、トレーニング方法などについてまとめられた一冊。登山者視点でわかりやすく書かれているので、初心者の方にもおすすめです。より健康で快適な安全登山のために、ぜひ一読を!
登山の運動生理学とトレーニング学
