「登山の下りでいつも足がガクガクになる…」簡単にできる対策はある?

楽しい登山を終えて、下界に降り立った頃には足がガクガク。自分の意志とは関係なく、生まれたての小鹿のように小刻みに震えてしまうことはありませんか? 今回は、多くの登山者が下山時に経験する「足のガクガク」に注目。いったいどんな原因があるのか調査してみました。山岳ガイドに聞いた歩き方のコツや、登山の運動生理学のスペシャリスト直伝の改善方法もご紹介します。


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下山ではいつも「足がガクガク」になる…

足がガクガク
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「下山時は必ずと言っていいほど足がガクガクになる」「休憩しようと立ち止まった瞬間に、足が勝手に震える」そんな経験はありませんか? 足への負担が大きい下りでは、 膝が笑ってしまう人も多いよう。足がガクガにならないように下るには、どうしたらよいのでしょうか。今回は、そんな悩みを解決するため、原因と改善方法を探ってみたいと思います。

登山の下りで「足がガクガク」するのはどうして?

膝が笑う
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まず知っておきたいのが、下山時に活動する筋肉のこと。

登山では荷物を背負った状態で坂道や不整地を歩き、長時間に渡って体を動かし続けることになります。そのため全身の筋力を使いますが、とくに重要だと言われているのが「体幹」と「下腿の筋力」です。

登山では筋力の活動量が倍に!

平地でのウォーキングと登山の活動量の比較
出典:いらすとや(編集:YAMA HACK編集部)
登山時の筋力を平地でのウォーキングと比べてみると、登りではお尻(大臀筋)が、下りではお腹(腹直筋)や太ももの前面(大腿四頭筋)の活動量が約1.5〜2倍に!

大腿四頭筋
出典:いらすとや(編集:YAMA HACK編集部)
大腿四頭筋は、名前の通り4つの筋肉「中間広筋」「内側広筋」「外側広筋」「大腿直筋」で構成され、膝を滑らかに動かす役割を果たしています。

中でも太もも前面の内側にある「内側広筋」は、膝を伸ばすときに働き、登山の下りで適度にブレーキをかけながら降りる動作で重要な筋肉。日常では、階段の上り下りやランニングで使われていますが、運動不足の人はこの筋力が衰えていることも。筋力不足の状態で、登山の下りのような運動を長時間続けると、「内側広筋」に疲労が蓄積。脚がガクガクしたり、膝痛や筋肉痛が起こったりするのです

つまりは筋力不足… でも筋トレは嫌い!

大腿四頭筋のトレーニング
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足がガクガクする原因はまさに筋力不足。そう分かってはいても、トレーニングはなかなか継続できなかったりしますよね。下りの歩き方などで予防できる方法はないのでしょうか。日々山に登っている人なら何か秘策を知っているかも!?ということで、山岳ガイドさんに聞いてみました。

山岳ガイドに聞いた! 足がガクガクにならない下り方のコツ


編集部員
下りで「足がガクガク」にならないようにする裏技ってありますか?

ないですね~!根本的には筋力です。


編集部員
えっ、ないんですか!? 筋肉不足は重々承知ではあるんですが…。せめて、ちょっとでも軽減される方法とかないですかね?

サポートタイツを穿いて、筋肉のブレを抑えてあげるといいですよ。あと、同じ筋肉を使わないように横向きに行ったり、小さく左右にジグザグで歩くのも◎。


編集部員
ほ~! 下りって踏ん張ろうとして後ろにのけぞり気味になるので、前ももが筋肉痛になるんですが、重心は前にした方がいいですか?

気持ち前の方がいいですね。重心を後ろにすると、斜度が急な場合、かかとから滑ってしまう可能性があります。やや前気味に重心を置いて、小さく小さく小股で歩くのがポイントです。


編集部員
ガクガク予防のコツ、あるじゃないですか!

ただし、どれか1つだけやっても意味はないと思いますよ。サポートタイツを穿いて、歩き方も意識して。総合的に取り入れた方がいいですね。とはいっても、これは即時的なことだから、結局は筋力をつけなきゃダメなんです。


編集部員
やっぱり筋力トレはマストなんだ。楽して痩せる方法がないのと同じだな…


【教えてくれた人】
熊田 光治(社団法人日本山岳ガイド協会認定国際ガイド/フランス国家認定アルパインガイド)

大腿四頭筋の負担軽減に必要なことは2つ!

下山する登山者
出典:PIXTA
経験豊富な山岳ガイドをもってしても、歩き方だけでは足のガクガクは避けられません。登山をより快適に行うためには、以下の両方を意識することが大切です。

【1】大腿四頭筋のトレーニングで筋力アップ
【2】大腿四頭筋に頼りすぎない歩き方をすること

ここからは、それぞれを詳しく見ていきましょう!

【1】今日からできる! お家で簡単「大腿四頭筋トレーニング」

ガクガク改善のためには、どのように筋力をつけたらよいのでしょうか。ここでは、自宅で手軽にできる「大腿四頭筋トレーニング」を2つご紹介します。

①スクワット

スクワットで使う筋は、登山の下りでも活動する筋。主に「大腿直筋」と「内側広筋」に効果があります。どこでもできるトレーニングなので、継続的に行いましょう。

大腿四頭筋トレーニングスクワット
撮影:YAMA HACK編集部
肩幅に足を開き、腰に手を添えてまっすぐと立ちます。

大腿四頭筋トレーニングスクワット
撮影:YAMA HACK編集部
ゆっくりと腰を下ろしていき、中腰の態勢に。腰と膝が90度くらいに曲がれば、十分に効果があります。以下のポイントを意識して行うことが大切です。

■前かがみにならない
前かがみになると、大腿四頭筋以外の部分にも力が分散されるため、大腿四頭筋のトレーニングの効果が半減されます。

■膝がつま先より前にでないようにする
膝がつま先より出てもよいスクワットの方法もありますが、膝に大きな負荷がかかるため一般的ではありません。

②脚上げ

「大腿直筋」に効果があるトレーニングです。座って行うので、テレビを観ながらなど、ちょっとした時間に行うことができますよ。

大腿四頭筋トレーニング脚上げ
撮影:YAMA HACK編集部
イスの前方に浅く座り、足を肩幅に開きます。手はクロスして肩へ。

大腿四頭筋トレーニング脚上げ
撮影:YAMA HACK編集部
腹筋に力を入れて背筋を伸ばした状態で、膝から下をゆっくりと上げ、ゆっくりと下ろします。脚を上げる際に息を吐きながら、左右の脚を交互に行います。

【2】大腿四頭筋に頼り過ぎない! 登山の歩き方は『体重移動』が要

登山時には、前に出した脚にしっかり体重が乗った状態で、後ろ脚を運ぶことがポイント。そうすることで、太ももの後ろ側の筋(ハムストリングス)やお尻の筋肉(臀筋)も使えるようになります。小股でゆっくりと歩きながら練習してみましょう。

下山する登山者
出典:PIXTA
また、トレッキングポールを活用するのも◎。30cmの段差を下る際、うまくポールを使うと衝撃を約半分にまで抑えることができるんです。軽減できる衝撃力は、なんと、段差を半分にしたのを同じくらい。大腿四頭筋にかかる力を分散することで膝への衝撃を抑えられるので、足のガクガク予防に繋がりますよ。

登山の体づくりは健康への近道!

登山の体づくりトレーニング
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下山時に足がガクガクしないようになるためには、不足している筋力を鍛えることが欠かせません。ちょっと面倒だなと思ってしまうかもしれませんが、日々の積み重ねで快適な登山ができるようになるだけでなく、日常生活でも重要な筋力を強くし、健康な体を作ることへと繋がります。まずは今回ご紹介したトレーニングから始めてみてはいかがでしょう。

監修/ミウラ・ドルフィンズ 安藤 真由子

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下山時に足がガクガクになった登山者
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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