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あれ、なんだか山でバテバテ…….

久々に山へ登ると、思うように足が進まなかったり、ゼエハアと呼吸が苦しくなったり……
「あれ、こんなはずでは」と、自分の衰えっぷりに愕然とした経験はありませんか?
翌日からしっかりトレーニングをしようと思っても、
・何をすればいいかわからない
・めんどくさい
と、結局いつも3日坊主で終わってしまいがち。
そこで、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発を行っている安藤真由子さんに、ズボラさんでも続けられる「これさえやればOK」なトレーニング法について聞いてみました。

ただ登山での負担が大きい3箇所を、最低限鍛えておくと効果的。
それぞれ1分ずつ、1日3分でできるので、時間がない人にもオススメですよ。
1日たった3分なら、なんだか続けられそうですね!
今回は、安藤さんに教えてもらった鍛えるべき筋肉とたった3分でできる簡単トレーニング法をご紹介します。運動不足が気になるけどなかなかトレーニングが続かない人は、簡単に続けられるので必見ですよ。
登山での負担が大きい《3つの筋肉》をトレーニング

1.腹横筋:体幹が鍛えられ、バランスよく安定した歩行ができる
2.大腿四頭筋:登山に必要な脚力が鍛えられ、とくに登り下りがラクになる
3.呼吸筋:柔軟にしておくことで、呼吸がラクになる
それぞれどんな筋肉なのか詳しく見ていきましょう。
腹横筋

この筋肉が弱いと登山の歩行時にバランスが取れなかったり、一部に負担がかかってしまったりと疲労や怪我の原因に。
しっかりと鍛えることでバランスのいい歩行ができるようになりますよ!
大腿四頭筋

いつも下りで膝がガクガクになるという人は、この大腿四頭筋のトレーニングが足りない可能性大。
毎日コツコツ続けることで、筋肉がサポーター代わりとなり、歩行時の足への負担を軽減できますよ。
呼吸筋

登山時はザックを背負って行動するため、この「呼吸筋」が縮こまりがち。すると、吸って吐いての動作がしづらくなってしまうんです。
そのため、日頃のストレッチで柔軟にしておくことで、ザックを背負った姿勢でも、楽に呼吸ができるようになりますよ。
それでは、それぞれのトレーニング法をご紹介していきます。
レッツスタート!快適な登山のための1日3分トレーニング

・自分のできる範囲で行う
・呼吸を止めずに、酸素を取り入れながら行う
3分とはいえ、キツいと感じるメニューもあるかもしれません。最初からムリをしてしまうと続けてやる意欲を失ってしまいがち。まずは、自分のできる範囲で行うことが大切です。
また呼吸を止めた状態で行うトレーニングは、身体や心臓に負担をかけてしまうためNG。吸って吐いてと呼吸を意識しながらするのがポイントです。
さあ、それではさっそくはじめていきましょう!
1MINUTE|腹横筋を鍛える「プランク」
腕と足のつま先だけで身体を支えることで、体幹部を中心に鍛えられます。正しい姿勢で行わないと効果がないため、画像とともに注意点をみていきましょう。・肘の角度が90°になるように、腕を床につける
・腕とつま先で身体を支え、頭からつま先まで一直線になるように姿勢をキープ
とくに鍛えたいお腹周りを意識して行いましょう。また呼吸は止めないように、酸素を取り入れながらするのもポイントです。
慣れないうちは膝をついてもOKです。30〜40秒を1セットとして、2セット。キツければ、ムリのない秒数からはじめましょう。
2MINUTE|内転筋を鍛える「スクワット」
続いて脚力を鍛えるトレーニング「スクワット」。
・足を肩幅に開いて、膝が爪先より前に出ないように腰を落とす
・背中が丸まらないように頭から腰まで一直線を意識
・膝の角度が90°になるまで腰を落とし、そこで10秒キープ
このスクワットを1分間続けましょう。
3MINUTE|呼吸筋を整える「ストレッチ」

・背中(肩甲骨の下あたり)にゴムボールなどを入れる
・床に仰向けに寝転がって、腕を真上にして身体をそらす
この姿勢を1分間キープするだけです。両手で「バイバイ」をするように、腕を時おり動かすと肩甲骨の動きがよくなるため、より効果的です。
日常生活にもトレーニングをプラス!快適な登山を楽しもう

・電車で吊り革に掴まらずに、バランスをとる
・買い物もザックを背負って歩いて出かけ、買ったものをザックに入れて帰る
・平坦な場所でなく、坂道や階段を選んで歩く
など日常生活のなかで、「登山に近いシチュエーション」を取り入れるのも効果的です。
▼日常生活でできるこっそりトレーニングはこちらをチェック
自分のペースで少しずつメニューを増やしていこう

身体が慣れてきたら、回数を増やしたり、ザックを背負って負荷をかけたりと徐々にトレーニング量を増やしていくといいでしょう。
ただ何よりも大切なのが「毎日」「継続して」行うこと。
ムリなくトレーニングを続けることで、登山にもゆとりが出てきます。身体の痛みや疲れを気にせずに、登山本来の醍醐味である絶景や達成感を満喫してくださいね。